成績よりも先に整えるべき「学びの土台 “自己肯定感”が低い子どもが伸びない本当の理由とは?

仁田楓翔

仁田楓翔

“自己肯定感”が低い子どもが伸びない本当の理由とは?

― 成績よりも先に整えるべき「学びの土台」 ―


「うちの子、自信がなくて…」
「勉強ができないと思い込んでるみたいで…」
保護者の方から、こんなご相談をよくいただきます。

そして実際、私の教室に来る子どもたちの中にも、「どうせムリ」「わかんない」「オレ、バカだから」と言ってしまう子は少なくありません。

ですが私が確信しているのは、“自己肯定感の低さ”こそが、学力の伸びを妨げる最大の壁であるということです。


「やる気の前に、自信がいる」


前回のコラムでは、「やる気は“できた!”のあとに生まれる」とお伝えしました。

それと同じように、子どもが本当に勉強に向き合えるようになるためには、
「どうせ自分なんかダメだ」ではなく、「やればできるかもしれない」と思える心の土台が必要です。

この“心の安全基地”とも言える自己肯定感が低いままだと、
いくら勉強のテクニックや知識を与えても、なかなか身につかないのです。


できない→叱られる→もっと自信を失う…の悪循環


たとえば、間違えてばかりいる子に「なんでできないの!?」と叱ってしまうと、
子どもは「自分はダメなんだ」というセルフイメージをどんどん強化してしまいます。

すると、どうなるか。

問題に取り組む前から諦める

チャレンジを避けるようになる

結果的にさらに成績が下がる

この“負のスパイラル”に一度入ってしまうと、本人も親もつらい状態が続きます。

小さな成功と「安心できる学び場」がカギ

では、どうすれば子どもの自己肯定感を回復できるのでしょうか?

私はいつも、「まずは“できた”を積み重ねること」
そして「失敗しても大丈夫と思える環境づくり」が何より大切だとお伝えしています。

簡単な問題でも「できたね!」と伝える

間違えても「よく気づいたね」と声をかける

ノートの字が整っていたら、それだけで褒める

このように、勉強そのものよりも「その子のがんばり」に焦点を当てることで、
少しずつ「自分って、悪くないかも」という感覚が戻ってくるのです。

成績よりも、まず“自分を認められる感覚”を


学力はあとからでも伸ばせます。
でも、自己肯定感は、傷ついてしまうと立て直すのに時間がかかります。

だからこそ、成績を上げる前に、「自分を認められる感覚」を育てることが、何より大切なのです。

お子さんがつまずいたときほど、
「もっと頑張らせよう」とする前に、“安心できる学び方”を見直すきっかけにしていただけたらと思います。

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仁田楓翔
専門家

仁田楓翔(塾講師)

BesQ

自己肯定感を育て、子どもが自ら学び始める仕組みをつくる教育。小さな成功体験を丁寧に積み重ねることで、「できない」から「できた」に変わる瞬間を設計し、やる気に頼らず成績と意欲を同時に伸ばします。

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