“できない”の裏側にある声を、聴ける大人でありたい― BesQ・代表仁田楓翔のコラム ―
勉強しなさい!で動かない子が変わる。
“やる気”の正体と、伸びる子の共通点とは?
「うちの子、やる気がなくて…」
保護者の方からよくいただくご相談です。
私もこれまで数百人の子どもたちを見てきましたが、最初からやる気にあふれている子なんて、ほとんどいませんでした。でも、その中でみるみる変わっていく子と、なかなか変わらない子が確かにいます。
その違いは、才能でも性格でもありません。
実は、“やる気が生まれる仕組み”を知っているかどうか、そしてその環境があるかどうか。それが大きな分かれ道になります。
やる気が出ないのは、能力のせいじゃない
子どもが「やる気を出せない」のは、決して怠けているからではありません。
ではなぜ、やる気が湧かないのか?
そのヒントは、脳の仕組みにあります。
人が「やってみたい」「もう一度挑戦したい」と思うとき、脳ではドーパミンという神経伝達物質が分泌されています。このドーパミンは、「うまくいった」「できた!」という経験の直後に、特に多く出ることがわかっています。
つまり、やる気は先に“ある”のではなく、
「できた」という体験のあとに“生まれる”のです。
小さな成功体験が、やる気のエンジンになる
満点を取ることだけが成功ではありません。
「1問解けた」「昨日より速く終わった」
そんな小さな“できた!”でも、子どもの脳は反応し、嬉しさとともにやる気の回路が動き始めます。
この小さな成功の積み重ねが、
「自分はやればできる」という自己効力感に変わり、
さらに次の挑戦へとつながっていきます。
逆に言えば、「ずっとできない」「ずっと叱られる」環境では、やる気が湧かないのは当然です。
まずは“できた!”という小さな光を灯すことが、変化の第一歩になるのです。
BesQの学習設計:「できるまでやる」は、やる気を生む仕組み
私が代表を務める「BesQ」の中でも対面式の「ステップアップ塾BesQ」では、
この脳の仕組みと実践を組み合わせた学習スタイルを導入しています。
特徴は、“できるまでやる”をベースにしたノルマ達成型・個別対応学習。
一人ひとりに「ちょっと頑張ればできる」ノルマを設計し、それを必ず“やり切る”ことで、小さな成功体験を積み重ねていくのが基本方針です。
たとえば、ある中学1年生の男の子は、入塾当初はワークも解かず「どうせできない」と言っていました。
しかし、1日1ページの小さなノルマから始めて、“できた”の回数が増えるにつれて、顔つきも姿勢も変わり、2ヶ月後には「今日の課題、もう終わったよ!」と自分から言ってくれるようになったのです。
これは、特別な才能ではありません。
「できた→うれしい→次もやってみたい」という脳の自然な流れをサポートする環境をつくっただけなのです。
やる気がないのではなく、“育っていないだけ”
子どもにやる気がない、と感じたら、
「まだ成功体験が足りていないのかもしれない」と考えてみてください。
無理やりやらせるよりも、「できた」をつくる環境を整えることの方が、ずっと効果的です。
そして、やる気が内側から湧いてくるようになれば、勉強に対する姿勢も、成績も、自然と変わっていきます。
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