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『“部活動を頑張る子の方が成績が伸びやすい”』って本当?

井上昇哉

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テーマ:高校受験

こんにちは。与一の井上です。

早いもので新学年が始まってからもう2か月が経とうとしていますね。
新しい学校に入学した新中1・高1生はそろそろ部活動にも慣れてきた頃でしょうか。
そんなタイミングで今回は“部活動を頑張る子の方が成績が伸びやすい”
こんなうわさが本当なのかどうかを考えてみたいと思います。

“部活動を頑張る子の方が成績が伸びやすい”とは?

去年ドラマにもなった有名な「ドラゴン桜」という漫画でも言われているように、
受験会においてまことしやかにささやかれる「部活動を頑張る子の方が成績が伸びやすい」という言葉があります。
根拠としては
「やりたいことをやった方が、ストレスを溜めず上手く切り替えて勉強できる」
「部活で鍛えた集中力を引退後勉強に注ぐことでで成績が伸びる」
「身体をしっかり動かした方が頭が働きやすい」
このようなことが言われます。
これらの真偽に関しては実証するデータによって判断するべきものであり、私には正直客観的な真偽に対しては答えを持ち合わせていません。
ですからあくまで個人的な経験則からではありますが、この言葉についてもう少し詳しくお話したいと思います。

中学生に関しては現状では比較にあまり意味がない。むしろ反対のことが言える…?

徳島の中学生に関して言えば、このうわさの真偽を論じる必要性をあまり感じません。
なぜなら“徳島では部活に入っていない子の方が珍しい”という現状があるからです。
この言葉は“部活をしている子としていない子を比べて”という前提があるため、多くの子が3年生まで部活動を続ける徳島県においては比較として成立しません。

逆に言えば、部活動の引退時期の差はそのまま受検勉強に費やす時間の差と言えます。
総体で引退する子もいれば、四国大会・全国大会に出る子もいて、最大で部活動の引退の時期が2か月程差が出てしまう場合もあります。
この観点から考えると、入試よりも基礎学が重視される徳島県に於いては、“より長く部活動を頑張った子の方が不利になってしまう”ことが残念ながら避けられない事実なのかもしれません。

今後の部活動への動きを注視し、この言葉をよく考えるべき状況を見逃さないようにしよう!

ただし一つ注目すべき大きな動きがあります。
皆さんは最近の“全国柔道連盟が小学生の全国大会を廃止した”というニュースを知っていますか?
近年少しづつ動きとして出てきた“勝利至上主義への疑問”が現実に形になったものと言えるでしょう。
古くは“徒競走で皆揃ってゴールする”なんて話もあったように、「子どもの間で優劣をつけるべきではない」という声は想像以上に大きく、この動きは今後さらに加速していくことは間違いないでしょう。

そうなれば同様の動きが中学生に対しても出てくる可能性は決して低くありません。
実際「全国大会は高校生からでいいんじゃないか」なんて声も各方面から上がりだし、もはや遠い将来の話ではないようです。

すでに形となっている中学生の部活動をめぐる動きを見てみましょう。
・朝練禁止
・日曜日の練習禁止
・練習時間の制限
・休日を設ける義務
・外部指導員の招聘
・中学校単位ではなく地域単位での活動

これらは実際に全国の中学校で行われているものであり、中学生の部活動を取り巻く環境は私達が子どもの頃は勿論、ほんの10年程前と比べても大きく変化しています。
つまり今の保護者にとって当たり前であった「中学生は皆部活をするもの」という常識は、今後もはや当てはまらなくなっていくでしょう。

そうなると先の“部活をしている子としていない子”の比較がぐっと現実的なものとなってくるでしょう。
今現在中学生・受検生の子を持つ親御さんでも、もしかしたら弟妹さんの中学生になる頃には状況が変化しているかもしれません。
部活動はあくまで選択肢の一つであり、それこそ「部活動と勉強のどちらを優先するのか」を中学入学時に考えるのが当たり前の時代となるのかもしれません。
周りの大人が常にこうした動きを敏感に感じとり、適切なアドバイスができるようにする必要があると言えますね。

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井上昇哉
専門家

井上昇哉(塾講師)

学習塾「与一」/合同会社 あたまをたがやす

テストで点をとるための授業ではなく、自ら考え答えにたどり着く経験を重視した授業スタイルを確立。“「考える」を考える”ことを身につけることで、勉学、行動、思考すべてにおける人間的成長を促します。

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