『高校入試改革、始まる…?』
こんにちは。与一の井上です。
中3生の第一回基礎学力テストが近づいてきましたね。
勉強はしっかり計画通り進んでいますでしょうか。
そこで今日は徳島県内公立高入試の学区外流入率の引き上げについてお話します。
まずはおさらいをしておきましょう。
徳島県教育委員会は学区外からの進学者と学区内からの進学者の不公平感解消のため、
2020年、昨年度の入試から第3学区、いわゆる徳島市内の高校への学区外からの入学者の比率を
城東高校は12%以内、城北・城南・徳島北の3校は10%以内へと従来の8%から引き上げました。
さらに2021年、今年度入試においては、城東高校は全県募集へ、上記3校は12%以内への引き上げとする方針が発表されました。
さてこれにおける影響について考えてみましょう。
城東高校は「超ハイレベル高」に突入!?
まずは城東高校への影響が見た目通り一番わかり易いでしょう。
今までは基礎学3回の平均点で、学区内からであれば300点台後半、一方学区外からの受検であれば450点超えの点数が必要でした。しかしこの差が解消されたとなれば、今まで点数不足で城東高校を諦めざるをえなかった学区外で400点超えしている生徒が、軒並み城東高校を志望してもおかしくはありません。
そうすればそれに伴い学区内でも調印に必要な点数が400点を超えても不思議はなく、学区内の生徒からすればかなりハードルが上がることになります。
昨年度は附属中学校の生徒が一定数市高理数科を避け城東高校を受検したという情報もありましたが、こうした判断にも大きく影響を与えることとなるでしょう。
特に市内在住の生徒の「特に行きたい所はないけど点数もあるから城東高校にしようかな」という「なんとなく」程度の気持ちの子は、今後城東高校に届かなくなる可能性は低くはないと思われます。
城東高校には学年でかなり上位の子しか入れない、そんな時代が近いのかもしれません。
城北・城南・徳島北はそれほど変化がない…?
こちらの3校は昨年度からの段階的な引き上げということもあり、大きく目に見えた変化はないかもしれません。
ですが小幅ながら着実に変化は起こっています。
募集定員が3校とも220人前後ということで、学区外からの定員は昨年度で順に20・21・20人となっていました。それが2%増となればさらに4~5人増加することが想定されます。
「たかがそれくらい」と思いますか?
ですが8%だった頃と較べれば、その差は4%、人数にして8人前後の増加となります。学区外の生徒にとっては1.5倍近い増加と言えます。
この変化は決して小さくありません。
また入学に対しての難易度だけでなく、英数クラスに入ることに対してのハードルも上がります。
学区外であるがゆえに例年ならば諦めざるをえなかった子たちは、得点層で言えば350点前後であることが多いです。こうした子達が枠の増加により入学できるようになれば、その子たちがそのまま全員英数クラスに配属されても全く不思議はありません。
こうした面からも、上記3校における変化も決して小さなものだとは言えないでしょう。
市高が実は一番影響が大きい!?
このニュースを聞いた時、「うちの子は(私は)市高志望だから関係なくてよかった」と思われた方はいらっしゃいませんか?上記4校とは異なり、市立高校は昨年度に引き続き流入率の引き上げが見送られたため、そう思われる方もいらっしゃったかもしれません。
ですがこれは大きな間違いです。もしかしたら一番影響が大きいのが市高かもしれないのです。
仮に今までだったら城東高校を志望にしていた300点台後半の子が、学区外からの受検者増のあおりを受け今年は志望校を下げたとすれば、その行先は恐らく城南高校か市高になるでしょう。まだ初年度なので飽くまで推測に過ぎませんが、今後数十人単位でこういう生徒が出てくる可能性は大いにあります。
一方他の3校に関しては、あぶれるのはぎりぎりで調印をしていた得点層の生徒になります。
特に城南・徳島北に関しては下位層の生徒の点数は市高とそれほど差はないため、そうした生徒が今後は学区外からの生徒が目に見えて増える城南・徳島北を敬遠し、こぞって市高を志望してもやはり不思議はありません。
つまり城東からも、城南・徳島北からも学区外からの受検生に押し出された生徒が市高に押し寄せ、今までなら当たり前に市高を受検していた生徒が諦めざるを得ない状況が間違いなく訪れるのです。
具体的な点数で言えば、実は市高の調印は300点のない生徒でも昨年度までは行えていたのですが、今年度からは恐らく最低300点は間違いなく必要になるのではないかと思います。
今後もこの流れは加速することが予測され、ボーダーラインが数年後には20~30点、今年度だけでも10点以上上がるのではないでしょうか。
長くなりそうなので一度ここで終わります。