『中学校の英語が“超”難しくなりそうです 続き』
こんにちは、与一の井上です。
学校が再開してから暫く経ち、今年も例年よりは遅くなりながらも、多くの高校で1年生に対しての文理選択の1回目の調査が行われています。
そこで今回は『文理選択の決定の仕方別おススメ度(前編)』をお話しようと思います。
文章では伝えられないことも多くありますので、もし詳しく知りたいかたは是非お気軽にお問合せ下さい。
またここでお話することはあくまで私見であり、中には例外も存在しますので、必ず自分で進路について詳しく調べ、決して人の言うことだけを鵜呑みにしないようお気を付け下さい。
苦手教科で決める オススメ度30%
一番よく生徒がしがちな選び方です。
「数学が苦手だから文系」「国語が苦手だから理系」…“決める”というより“逃げる”という言い方の方が適当かもしれませんね。
どうしても苦手な教科ってあると思いますので、気持ちはとても理解できます。
でも絶対に知っておいて欲しいことが一つあります。
それは“共通テストの国語・数学・英語の問題は、文系でも理系でも同じである”ということです。
つまり、いくら文理選択をして苦手な教科から“逃げた”つもりでも、国公立、または私立を共通テスト利用で受験するつもりの人は、結局同じ勉強を文系に進もうが理系に進もうがしなければならないということです。
勿論傾斜配点や私立の一般入試等ではこの“逃げ”が有利に働く場合もあります。だから一概に悪い決め方であるとは言いませんが、積極的に決め手とするのはオススメしません。
得意教科で決める オススメ度80%
上と裏表の決め方ですね。“得意”による前向きな決め方という点でよりオススメです。
では逆に「何故100%ではないのか」と言えば、その“得意”があくまで高校入学後1年未満での“得意”に過ぎないからです。英語・国語に関しては、高2・高3で新しく学習する内容はほとんどありませんので、こうした決め方で問題はあまり生じません。ですが理系科目に関しては、これから学習する内容の方が多く、1年生の間は“得意”だと思っていても、2年生で急につまづいて“苦手”になってしまう可能性は決して小さくありません。
重要なことは、“点数が取れている=得意”ではなく、“きちんと理解できているかどうか”を自分で一度冷静に考えてみることです。「授業中はそこまで理解できていないけど、テスト前に復習して点数が取れている。」これで“得意”だと言っている人、それで文理選択をしてしまうと行き詰る可能性が結構大きいですよ?
好きな教科で決める オススメ度100%
一見上の決め方と同じようですが、実は全く違います。
「高校の授業を聞いて好きになった」「授業が面白い」こういう子は、例え苦手になった(単純に点数に結びつかないだけ、という場合が多いのですが)としても、好きであれば一生懸命考え、必ずそれを克服することができるからです。「好きだから得意」と言える子はこうしたことができるのですが、「得意だから好き」と言う子は、逆に言えば「苦手になったから嫌い」と変わってしまう危険性を孕んでいます。
さらに“好き”で決めた子は内容が難しくなるにつれ逆に興味をさらに深めることも多くあります。こうした子はそれをもっと勉強したい、またはそれに関する仕事がしたい、という理由から進路を決める傾向がとても強くなるため、前向きな理由で文理選択をするという点で一番良い決め方だと言えるのではないでしょうか。
文転できるから理系 オススメ度10%
「迷うんだったら最悪文転という手もあるから、とりあえず理系にしておけばいい」
そう進路指導を行う方も少なからずいらっしゃるようです。実際に今年度も面談をした親御さんからこうした言葉をお聞きしました。
ですがこれは全くお勧めしません。
何故なら「文転して文系になる」と言っても、徳島県で現在確認している限りでは文系にクラスを変えてもらえる訳ではないからです。どういうことかを具体的に説明します。
「数学が得意だから」という理由で理系を選択したAくんがいたとしましょう。
2年生になってから将来のことを考えるようになり、Aくんは英語を使った仕事をしたいと思うようになりました。それに伴い色々調べた結果、そうした職業に就くためには外語系の大学・学部に通うのが最善だとわかりました。ですがその為には文系科目での受験が必要だとわかったので、Aくんは先生に「文転したいです」と伝えました。その願いは無事聞き届けられたものの、3年生でのクラスはこれまで通り理系のクラスでした。なので当然ながら授業は理系向けの授業(数学Ⅲや化学・物理)を受けることとなり、受験に必要な社会(日本史・現代社会)を受けることはできません。勿論中間・期末テストでは受験に必要ではない教科の勉強に追われることにもなってしまいました。
いかがでしょう。「文転したい」と伝えた所で学校側から特別な配慮を受けられる訳ではなく、むしろ学校側は全ての生徒を同等に扱おうとする為、このようなことが毎年必ず起こります。文転は結局個人的な“気持ち”の問題であり、決して“制度”ではないということを是非心に留めておきましょう。
次回の後半では「看護系は文系がオススメ!?」「将来の夢で文理選択を決めてはいけない!?」という2つについてお話します。