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6月上旬~8月上旬に収穫が楽しめるブルーベリー農園で笑顔を届けたい

ブルーベリーの栽培を通じて地元を元気にするプロ

神木清子

神木清子 かみききよこ
神木清子 かみききよこ

#chapter1

500円玉サイズや糖度15度以上の甘い果実のほか、写真映えするひまわり畑も

 「四国三郎」で知られる吉野川が流れ、讃岐山脈に抱かれた徳島県阿波市阿波町。この町に、6月上旬~8月上旬の2カ月間オープンする観光農園があります。「ガンバルばあちゃん」こと神木清子さんが運営する「AWA Blueberry ファーム」です。

 「自宅に隣接する約700㎡の敷地に20種類、約200本のブルーベリーを育てています。植物や動物由来の有機肥料を自動で補う潅水(かんすい)装置を使った『養液栽培』で、500円玉サイズや糖度15度以上の実がなるのが特長。『大粒でジューシー』『スイーツみたいに甘い』と好評です」

 果実のおいしさはもちろんのこと、神木さんのおもてなしの心も人気の理由。土ぼこりが舞わないように、また歩きやすいように地面に防草シートを敷き、朝は5時から2時間かけて園内を丁寧に清掃しています。

 「ワンピースやジャケットなどのおしゃれ着でも汚れる心配がなく、ベビーカーでも動きやすいように工夫しました。お客さまは、カップルや家族連れ、お友達、ツアーグループなどで、県外からお越しの方も少なくありません。シンガポールからの団体さまをお迎えしたこともあります」

 来園してくれる人たちにもっと楽しんでほしいと、カラフルな傘をつり下げる「アンブレラスカイ」で入り口を彩ったり、畑の一角にひまわりで迷路をつくったり、SNSの撮影スポットにもなっています。

 「オフシーズンにはブルーベリーの剪定体験会なども開催していて、毎年少しずつ違ったことをしようかなと思っています。この農園をきっかけに、緑あふれる阿波町を訪れてほしいですね」と話します。

#chapter2

美容師としてはさみを握るかたわら、一から学んで観光農園をオープン

 神木さんは、1945年に徳島県市場町(現阿波市)で生まれました。学校卒業後は地元を離れて大阪の美容学校に入り、美容師として働き始めます。

 「21歳のとき、結婚を機に故郷の阿波市に戻り『神木美容室』を開きました。当時は周囲にサロンが少なく、毎日のように昼も夜もお客さまが来てくださいました。結婚式や成人式などの着付けやお化粧やヘアセットを担当したこともあり、よい思い出です」

 約60年にわたってキャリアを築き、地域の人たちの髪を整えてきた神木さん。現在も固定客のためにはさみを握り、店舗に立つ傍ら農園を営んでいます。

 「少子高齢化に伴ってだんだんとお客さま少なくなってきたこともあり、大工職人を引退した夫が趣味で始めたブロッコリー栽培を手伝うようになりました。畑を生かすためにも、周囲に取り組んでいる人がいないもので、なおかつ育てやすく、体によいものを探し、ブルーベリーにたどり着いたんです」

 土壌づくりから苗の植え方、成長を促すための手入れの仕方などを一から学んでいくなかで、「せっかくなら大勢の人に足を運んでもらえる場所にしたい。少しでも地元の発展に貢献したい」と考えるようになったと言います。

 「農園を開くにあたり、息子のアドバイスもあって水耕設備などを導入する費用の一部を、ネットで資金を集めるクラウドファンディングで調達しました。賛同してくださった皆さまのおかげで、2020年6月に晴れて開園に至りました」

神木清子 かみききよこ

#chapter3

「ガンバルばあちゃん」として、これからも地元を盛り上げていきたい

 「仕事に慣れるまでは大変でした」と朗らかに笑う神木さん。美容師として長年にわたり走り続けてきたバイタリティーで創業セミナーを受講し、事業の立ち上げに向けて勉強しました。

 大工の腕を生かして夫の嘉照さんは休憩スペースをつくり、孫でイラストレーターの武澤瑠偉さんが看板のロゴをデザイン。息子の正史さんを含め、「家族の支えがあったからこそ、無事に軌道に乗せることができました」と語ります。

 開業したタイミングはコロナ禍の真っただ中でしたが、屋外型のレジャーである観光農園は密にならないため、当初から多くの人の注目を集め、上々のスタートを切ることができたと言います。

 「ブルーベリー農園を開いて心からよかったと思っています。丹精を込めて育てた実を和気あいあいと収穫し、摘み取ったばかりの新鮮な風味を堪能して喜んでくださる姿を見ていると、私の方がうれしく、満たされた気持ちになるのです。四季折々に変化する美しい自然を、のんびりと眺めながら作業する時間もとても心地よいものです」

 75歳で、全く経験がなかった分野に果敢にチャレンジした神木さん。「阿波町には私より年齢が上で、もっと元気な方がいらっしゃいますから負けていられません。無理をしないように気を付けながら、90歳までは続けていきたいですね」と意欲を見せます。

 たくさんの人に笑顔を届け、地域を盛り上げるために奮闘する「ガンバルばあちゃん」の、今後ますますの活躍が期待されます。

(取材年月:2023年11月)

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神木清子

ブルーベリーの栽培を通じて地元を元気にするプロ

神木清子プロ

生活関連サービス業

AWA Blueberry ファーム

20種類、200本のブルーベリーを栽培する観光農園。なかには直径が500円玉と同じ大きさの実や、糖度15度以上になる実も。オープンは6~8月、オフシーズンにもさまざまなイベントを企画している。

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