住宅ローンを組むなら生命保険を見直すべき。
こんにちは。増子です。
住宅ローンを検討する際に、真っ先に検討するのは変動金利と固定金利、どっちを選択するかということだと思います。
実際に何が違うのか、どっちがお得なのかと考えてしまうと選べないという方はたくさんいらっしゃいます。
今回は、変動金利と固定金利についてその仕組みを解説していきます。
変動金利
変動金利は固定金利より金利が低いため、住宅ローンを組む方の9割近くは変動金利を選択しています。
しかしながら、長期間で借り入れする住宅ローンの場合、変動金利の商品には金利上昇のリスクが介在します。
変動なので下がることもあるのですが、現在は日銀のマイナス金利政策による超低金利時代のため、大幅に下がることはありません。
住宅ローンの変動金利は「短期プライムレート」というものに基づいて決定されます。
「短期プライムレート」とは、銀行が有料企業(大手上場企業など)に対して融資する際に適用される金利で、1年以内の期間(短期)で貸出すときに適用する最も優遇された金利を「短期プライムレート」といいます。
この「短期プライムレート」は住宅ローンの他には、教育ローンの貸出金利の基準にもなっています。
住宅ローンの変動金利は半年ごと(4月と10月)に見直されますが、月々やボーナス時の返済額は原則5年間は変わりません。
毎月60,000円支払っているなら、5年間は60,000円のままです。
これは、仮に途中で金利が上がったとしても、5年間は毎月返済額を変えないという契約上の決まりです(元利均等返済の場合)。
返済額の元本と金利の内訳が変わります。
金利が上昇すれば元本の割合が減って利息の割合が増えます。
毎月の返済額が増えないといっても、利払いの負担増を免れるわけではありません。
また、5年後に金利が上がって返済額が変更になったしても、「125%ルール」という仕組みがあるため、極端な返済額の上昇は避けられる仕組みにもなっています。
「125%ルール」が適用された場合、月々の返済額60,000円の方は、見直し後の返済額は75,000円になります。
変動金利がおすすめな人
変動金利がおすすめな人は、
・収入が高い家庭(共働きの家庭も含む)
・物件価格を安く抑え、毎月の返済額にゆとりのある方
・貯蓄がある程度ある方
・給与収入が安定しており、将来に渡って昇給する見込みのある方
・子供が少ない、または独立間近で教育費の負担が少な方
などが、あげられます。
「金利上昇リスク」に対して、収入面で余裕があれば、いざ金利が上昇に転じたとしても、家計に対する影響はさほど大きくないです。
また、貯蓄がある程度あれば、繰り上げ返済を行い、月々の返済額をの負担を減らすことも可能だからです。
変動金利を選択する方は、ある程度、経済に関心を持つ必要があります。
金利が上昇局面に転じる前に、政府や日銀の動向がニュースや新聞等で必ず報じられます。
慌てずに対応するためにも、正確の情報を入手し、住宅ローンの支払いが圧迫されないように、準備をしなければなりません。
場合によっては、金利は高くなってしまいますが、固定金利に借換えを行うことも想定しなければなりません。
固定金利
変動金利に対して、固定金利は市場の長期金利を基準に決められます。
その中で代表的な指標金利は、「新発10年国債利回り」となっています。
全期間固定型の代表的な商品は、住宅金融支援機構が扱う「フラット35」があげられます。
「フラット35」は借入時の金利が借入全期間固定される商品です。
金利が固定されるため、月々の返済額は元利均等返済の場合、借入当初から変わりません。
金利上昇のリスクは避けられますが、金融機関が長期で金利上昇リスクを負うことになるため、変動金利より金利は高く設定されています。
民間の銀行の商品には「固定期間選択型」の商品もあります。
この商品は当初固定金利期間を定め、期間が到来するたびに、固定金利型を選択するか、変動金利を選択するかを選ぶ仕組みになっています(金利は借入時ではなく期間到来時の金利が採用されます)。
固定期間は代表的なところで、3年・5年・10年とありますが、期間が長くなるほど金利上昇リスクが高くなるため、設定された金利は高くなります。
この商品は固定金利期間があるため、固定金利商品と思われがちですが、固定期間終了後の金利が終了時の金利が適用され、借入時に将来の金利が約束されているわけでは無いため、「変動金利」の商品に分類されます。
固定金利がおすすめな人
固定金利に向いてる方としてあげられるのは、
・借入額が多く、返済が長期間に及ぶ方
・子供が多い、または年齢が近く教育費の負担が増えそうな方
・毎月の家計にあまり余裕のない方
・性格的に変動金利が向かない方。
などがあげられます。
変動金利タイプでは返済期間が長ければ、金利の変動回数も増えますし、元金が多いと金利が上昇することで、利息も比例して増加します。
そのため、将来設計が予定通りいかなくなるリスクが高まります。
また、子供の教育費が増え、家計の負担が増加していく方や毎月の家計に余裕がなく将来の収入に不安のある方も、固定金利がおすすめです。
自営業の方などが代表的な例としてあげられます。
金利の変動に関心のない、今後の金利情勢に一喜一憂したくないといった方も固定金利が良いでしょう。
金額の面でも、精神的な面でも、あまり変化を望まない、変化に対応していくのが苦手という人に向いています。
まとめ。
いかがでしたでしょうか。
住宅ローンにおいて金利の選択は悩みどころです。
変動金利はいつ上がるかわからないので、将来設計に不安のある方は、固定金利の方が良いでしょう。
当面の月々の支払いは変動に比べて高くなりますが、いつか逆転するかもしれないですからね。
変動金利が低くてお得と思われがちですが、固定金利も十分低くなっているということも、忘れないで下さい。
どっちがお得かということは、現状では断言できません。
返済が終わったときに判明します。
変動か固定か金利を選択する際は、月々の支払額だけでは無く、自分たちのライフプランに近い方を選択するよう心掛けて下さい。