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こんにちは。増子です。
10月1日から消費税が8%から10%に増税されます。
平成26年の4月からそれまで5%だった消費税の税率が8%に引き上げられたのですが、その当時は増税前の駆け込み需要が発生し、増税後はその反動から、しばらく不動産の販売は不調でした。
その時の反省をふまえてか、政府は今回、増税後の落ち込みを減らすために様々な対策を用意しています。
本日は不動産売買における、消費増税後の政府の政策について説明していきます。
住宅ローン控除の期間が3年間延長。
増税後は所得税及び住民税の住宅ローン控除が10年からさらに3年延長され13年になります。
対象となる住宅は増税後に購入された新築住宅、一定の要件を満たしている中古住宅、増築及びリフォームされた住宅で、2019年10月1日から2020年12月31までの間に住み始めた場合となります。
10年目までの控除額は従来通りですが、11年目以降の3年間は以下のいずれかの少ない金額が控除されることになります。
・住宅ローン年末残高の1%
・住宅購入価格の2%÷3
建物価格の上限は4000万円(認定長期優良住宅や低炭素住宅の場合は上限5000万円)です。
4000万円の新築住宅を建てて、4000万円の住宅ローンを組んだ場合、11年目以降に控除される金額は、
4000万円(年末のローン残高)×1%=40万円
4000万円(建物価格)×2%÷3=約26万6千円
どちらか少ない金額なので、11年目から13年目までは毎年約26万6千円が控除され戻ってきます。
約26万6千円×3=約80万円となり、消費税が増税され負担が増えた2%分の80万円(4000万円×2%)が3年かけて11年目以降に戻ってくるということになります。
この制度に関しては、どっちがお得ということではなく、増税分の負担は後ほど還付させていただきますという趣旨になります。
すまい給付金の対象者が拡大。最大50万円に。
すまい給付金は消費税増税対策として、前回の5%から8%に引き上げられる際に作られた制度です。
従来の上限は30万円でしたが、増税後の上限は50万円になります。
すまい給付金を受け取るためには収入の上限があるため注意が必要です。
この収入条件に関しても上限が引き上げられます。
従来では家族構成にもよって異なりますが、おおよそ年収510万円以下の方が対象でした。
増税後は年収の対象が約775万円以下の方まで引き上げられます。
年収や家族構成によって給付される金額は異なります。
参考までに給付金の計算ができるサイトのリンクを貼っておきます。
すまい給付金シミュレーション
住宅購入に伴う贈与税の非課税枠が最大3000万円に。
両親や祖父母から、住宅購入資金として贈与を受ける場合、従来までは1200万円までは非課税でしたが、消費増税後は最大3000万円まで非課税枠が拡大されます。
非課税枠の限度額は契約締結日と、住宅の基準によって異なります。
住宅の基準は以下のものである必要があります。
・省エネルギー制の高い住宅
・耐震性が高い住宅
・バリアフリー性が高い住宅
以上3点のいずれかを満たしていればOKです。
ちなみに、基準を満たしていない住宅でも非課税での贈与は可能ですが、非課税枠の最大は2500万円になります。
また、契約年月日によっても非課税枠が異なってきます。
参考までに国税庁のホームページをリンクで貼っておきます。
直径尊属から住宅取得投資金の贈与を受けた場合の非課税
3000万円の非課税枠を利用したい場合は、2020年3月31日までに住宅用の家屋の新築等に係わる契約を結ぶ必要があります。注意して下さい。
次世代住宅ポイント制度の採用。
「住宅エコポイント」という言葉を聞いたことがある方も多いとは思います。
過去三度にわたり好評を得ていたエコポイント制度ですが、増税対策の切り札として復活することになりました。
名称は「次世代住宅ポイント」といいます。
ポイントは1ポイントにつき1円相当になります。
一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等を満たす住宅や家事負担の軽減に資する住宅の新築やリフォームされた方に対し、様々な商品と交換できるポイントが発行されます。
上記に記載した一定の性能を有する住宅の場合は30万ポイントが、さらに認定長期優良住宅やZEHなどの高い性能を有する住宅は最大で35万ポイント付与されます。
また、住宅のリフォーム工事でも最大30万ポイントをもらうことができます。
ちなみに、最も多くエコポイントがもらえるのは中古住宅を購入しリフォームを行う場合で最大で60万ポイントにもなります。
また、家事負担軽減に資する設備を設置した住宅は、対象の住宅設備について、その設置台数によらず、設置を行った設備の種類に応じたポイント数(9,000ポイント~18,000ポイント)の合計が発行されます。
その設備とは
・ビルトイン食器洗機
・掃除しやすいレンジフード
・ビルトイン自動調理対応コンロ
・浴室乾燥機
・掃除しやすいトイレ
・宅配ボックス
以上の6点になります。
次世代住宅ポイントの期間は2020年3月31日迄となっていますが、予算に限りがあるため、期限を待たずに終了してしまう可能性があります。
過去三度は予算が底をついてしまい、期限前に終了してしまいました。
次世代住宅ポイントはお得感は強いのですが、予算に限りがあることを念頭に、早めの物件探しをお勧めします。
参考までに事務局のホームページのリンクを貼っておきます。
次世代住宅ポイント制度
まとめ。
いかがでしたでしょうか。
今回の増税に対する政府の政策は前回の8%への増税時と比較しても、かなり充実していると言えます。
銀行のローン担当者の方の話を聞く限りでは、7・8月の住宅ローン申請の件数が昨年の半分程度まで減っているそうです。
建売住宅は9月に上半期の決算を控えている企業が多いため、価格を下げて処分を目論んでいますが、なかなか思惑通りにはいっていないようです。
かといって、増税したから値上げしますといういうことはなかなか難しいため、もし、増税後を待って購入しようと思っている方は、今から動き出した方が良いかもしれません。
インターネット等で物件に目星を付けている場合は、価格の下がりきったタイミングで購入でき、さらに増税対策の恩恵を受けられるといった事も可能でしょう。
今回の増税は軽減税率との絡みもあるため、複雑でわかりにくいというイメージを皆さんお持ちのようです。
増税後に損をしないためにも、しっかりとした知識を身につけましょう。