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未分割のまま相次いで相続が発生した場合の相続税の申告(2/2)

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テーマ:税金

■ 相続人が死亡した場合の相続税の課税上の取り扱い

(1) 小規模宅地等の特例
① 特例の概要
 被相続人または被相続人と生計を一にする親族の事業の用または居住の用に供されている宅地等について、一定の要件の下、相続税の課税価格に算入すべき価格を80%または50%減額することができます。原則として、相続税の申告期限までに分割されていない宅地等については、適用がありません。

② 遺産分割前に相続人が死亡した場合
 一次相続に係る遺産分割が行われる前に、一次相続に係る相続人のうちいずれかが死亡した場合(二次相続)、当該死亡した者以外の一次相続に係る相続人によって遺産分割が行われ、当該死亡した者が取得したとして確定させた宅地等については、当該死亡した者が取得した宅地等として取り扱うことができます。

③ 同居親族が死亡した場合の特例居住用宅地等
 被相続人の居住の用に供されていた宅地等を同居親族が取得した場合のいわゆる居住継続要件および保有継続要件の判定について、その宅地等を取得した同居親族が申告期限までに死亡した場合、その死亡した日までの居住を継続し、保有を継続していれば適用を受けることができます。

(2) 配偶者の税額軽減
 被相続人の配偶者の相続税額の計算上、その配偶者が遺産分割や遺贈により取得した正味の遺産額が、配偶者の法定相続分か1億6000万円のいずれか多い金額まで、相続税額が軽減されます。配偶者の税額軽減は、原則として、相続税の申告期限までに分割されていない財産については適用がありません。
 しかし、一次相続に係る遺産分割が行われる前に、一次相続に係る被相続人の配偶者が死亡した場合(二次相続)、当該死亡した配偶者の相続人(二次相続に課係る相続人)と当該死亡した配偶者以外の一次相続に係る相続人によって遺産分割が行われ、当該死亡した配偶者が取得したとして確定させた財産については、当該死亡した配偶者が取得した財産として取り扱うことができ、配偶者の税額軽減の適用があります。

(3) 相次相続控除
 各人の相続税額の計算上、今回の相続の開始前10年以内に被相続人に相続税が課税されていた場合(被相続人に一次相続に係る相続税が課税されていた場合)、被相続人に課税された相続税額のうち、1年につき10%の割合で逓減した後の金額を、今回の相続に係る相続税額から控除します。なお、相次相続控除の適用を受けることができる者は相続人に限られ、相続を放棄した者は適用を受けることができません。

■ 相続人が死亡している場合相続登記

 一次相続に係る相続による不動産の所有権移転登記がされないまま二次相続が開始し、一次相続に係る被相続人名義の不動産を、一次相続に係る相続人が単独相続した場合、最終の相続人(二次相続に係る相続人)へ1件の所有権移転登記申請により直接相続登記をすることができます。
 なお、相続登記をせず放置することは、その後さらに相続人に相続が開始した場合には関係者が増えるため避けましょう。

未分割のまま相次いで相続が発生した場合の相続税の申告(1/2

円滑な相続のために知っておきたい手続き(1/2)

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