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内山瑛

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内山瑛(うちやまあきら) / 公認会計士

内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所

コラム

軽減税率の対策費用、一括で経費になる?

2016年6月9日 公開 / 2020年4月29日更新

テーマ:税金

コラムカテゴリ:ビジネス

 いよいよ迫ってきた軽減税率の適用。増税されるのかされないのかはいまだにはっきりとはしませんが、飲食店をはじめとして、業種によっては、早めの準備・多額の設備投資を迫られることもあります。今回は、レジシステムなどのプログラム修正費用を題材として、その取扱いの一例を示したいと思います。

 【問】
 消費税法改正により、平成29年4月1日から消費税及び地方消費税の税率が8%から10%へ引き上げられます。この税率引上げと同時に消費税の軽減税率制度が導入されることから、軽減税率対象品目を扱うある会社は、レジシステムや商品の受発注システム、会計システムのプログラムの修正を行う必要があり、その修正を外部に委託することとしました。
 この修正は、消費税法改正による軽減税率制度の導入に伴い、事業遂行上、消費税の複数税率に対応した商品の管理や納税額の計算をしなければならなくなったために、必要な修正を行うものであり、新たな機能の追加、機能の向上等には該当しないことから、当該修正に要する費用は修繕費(損金算入)として取り扱うこととして差し支えないでしょうか。
 
 【答】
 各システムのプログラムの修正が、消費税法改正による軽減税率制度の導入に対してなされているものに限定されていることにつき、作業指図書等で明確にされている場合には、照会のとおりに取り扱って差し支えありません。
 
 【解説】
 プログラムの修正が、ソフトウエアの機能の追加、機能の向上等に該当する場合には、その修正に要する費用は資本的支出として取り扱われることとなりますが、照会の各システムのプログラムの修正は、消費税法改正による軽減税率制度の導入に対して、現在使用しているソフトウエアの効用を維持するために行われるものであり、新たな機能の追加、機能の向上等には該当しないとのことですので、本事案における修正に要する費用は、修繕費に該当します。
 そのため、軽減税率制度の導入への対応に付随して、機能の追加及び機能の向上等に該当するアップデートをした場合は、たとえ名目が軽減税率制度の導入への対応であったとしても、資産計上する必要がある場合がありますので、ご注意ください。

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