免疫介在性壊死性筋症(ミオパチー)が漢方で軽快 (2)
1種類の漢方薬でも様々な有効成分が含まれる
西洋薬は、一部の例外を除いて単一成分です。ところが、漢方薬は、天然の素材を使っていて、しかもシンプルなものでも4種類くらい、多いものだと20種類以上の生薬を組み合わせて構成されています。たった1種類の生薬でさえ、有効成分は1種類ではありません。ですから、1つの漢方処方というのは、有効成分が何十種類、場合によっては何百種類も含まれているのです。
体の様々な部分にマルチプルに働く
漢方薬は有効成分が多様なので、体のあちこちで様々に働きます。これは、兵器に例えるならば、西洋薬がパトリオット・ミサイルなら、漢方薬は散弾銃のようなものです。漢方薬の有効成分は、西洋薬に比べて強力なものは少なく、むしろ単一成分を取り出して比較すれば、力は西洋薬の方が強い。攻撃目標がわかっていて、あそこに敵の基地があるとなれば、パトリオット・ミサイルは正確に飛んで行き破壊力も強いです。漢方薬は、散弾銃のように、広範囲に弾が飛んでいく武器に例える事ができます。破壊力はパトリオット・ミサイルほど強くはないが、体のあちこちに同時に働いてバランスをとったり、複数悪い部分がある場合でも、同時に改善が出来るのです。破壊力も強くないから副作用も少ない。
病気が同じでも体質や症状が異なれば違う漢方薬が適合する
良く、◯◯◯に効く漢方薬はありますか?と聞かれます。しかし、具体的にどのような漢方薬が適合するのかは、体質や症状がわからないと決めることができません。でも、現在の医療機関の多くは、お約束のように病名だけで漢方薬を処方していて結果的に充分な効果が出ないケースや明らかに間違った処方がされていることが多くあります。
病名だけで処方された場合、間違っていることがある
本日、いつも漢方薬を購入されている方から、このような相談がありました。
----------------- 風邪をひいたので病院へ行ったら、喉の痛みと痰、発熱の症状を伝えたら、痰切りの薬と抗生物質を出すと言われたので、抗生物質を飲むと体調が悪くなるので作用が優しい漢方が良いと伝えたら、では朝晩2回の漢方を出します、とのことでした。
処方箋を見たら、ツムラの葛根湯エキスでした。この漢方薬は、私の体力や体質、症状に合っているでしょうか。漢方専門の病院ではなく、あまりにも簡単に出されたので少し不安です。----------------
このような場合には、寒気よりほてりや暑苦しい、喉が痛いような状態の引き始めに適応する漢方薬である銀翹散や天津感冒片のようなものが良く、葛根湯は不適当です。葛根湯は体を温めて汗を出す働きがあるのですが、そのために、桂皮(シナモン)、生姜、麻黄など、辛くて温める生薬が配合されています。喉が腫れて痛い時、唐辛子や胡椒、シナモンを摂ったら喉はさらに赤くなって腫れが酷くなってしまうのと同じ事で効果が無いだけでなく、服用することで喉の痛みや炎症がより悪化してしまいます。むしろ何も飲まない方が良いくらい。
銀翹散や天津感冒片という漢方薬は、火照りを覚まし炎症を除くような漢方薬で薄荷、金銀花、連翹などが配合され、1包飲むだけで喉痛がスッと軽くなるように働きます。喉が痛い時、ハッカが入った酸っぱいのど飴を舐めると喉の痛みが若干軽くなりますので推奨いたしますが、キムチやカレーは食べてはいけない。それと同じ事です。