空き家の防犯対策と、地域トラブルを防ぐための工夫

「家は資産だから持っていた方がいい。」
そう考えている方は少なくありません。
もちろん、それは間違いではありません。
しかし、私が静岡市で不動産売却や相続のご相談をお受けしていると、「資産だと思っていた不動産」が、いつの間にか大きな負担になっていたというケースを数多く見てきました。
固定資産税、建物の維持管理、空き家の見回り、相続人同士の話し合い…。
不動産は持っているだけでも、さまざまな責任が伴います。
今回は、「資産」という言葉をもう一度見つめ直し、本当に持ち続けることがお客様やご家族にとって最善なのか、一緒に考えてみたいと思います。
「資産」と聞いて思い浮かべるもの

「不動産は資産だから大切に持っておきなさい。」
一度はそんな言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
確かに不動産は、現金や預貯金と並ぶ大切な資産です。
実際、長年住み続けたご自宅や、ご両親から相続した実家には、お金では表せない価値や思い出も詰まっています。
だからこそ、「簡単には手放したくない」と考えるのは、とても自然なことです。
一方で、私は静岡市で不動産売却や相続のご相談をお受けしている中で、少し違う場面にも数多く立ち会ってきました。
最初は「大切な資産だから残したい」とお話しされていた方が、お話を進めるうちに、
「実は何年も誰も住んでいないんです。」
「固定資産税だけ払い続けています。」
「子どもは県外に家を建てて戻る予定はありません。」
そんな現実が見えてくることがあります。
もちろん、それでも持ち続けるという選択はあります。
ただ、その時に私がお客様へお聞きするのは、
「その不動産は今、ご家族にとって本当に資産になっていますか?」
ということです。
資産という言葉には、「価値があるもの」というイメージがあります。
しかし、価値があることと、活かせていることは必ずしも同じではありません。
例えば、ご家族が住んでいる家であれば、毎日の暮らしを支える大切な資産です。
賃貸として活用し、安定した収入を生み出している不動産も立派な資産でしょう。
では、何年も誰も住まず、毎年固定資産税を払い、管理のためだけに足を運んでいる不動産はどうでしょうか。
資産なのか、それとも別の存在になっているのか。
正解は人それぞれです。
だからこそ私は、「売るべきか」「残すべきか」を先に考えるのではなく、まずはその不動産が今どのような役割を持っているのかを一緒に整理することから始めています。
不動産は持っているだけで資産になるとは限りません。
その価値を活かせているかどうかが、本当の意味での資産かどうかを考える第一歩なのではないでしょうか。
資産が負担に変わる瞬間

不動産は、ある日突然「負担」になるわけではありません。
多くの場合、その変化は少しずつ訪れます。
例えば、お子様が独立して家を離れたとき。
親御様が施設へ入所され、実家が空き家になったとき。
相続によって不動産を引き継いだものの、遠方に住んでいて管理が難しくなったとき。
こうした人生の節目をきっかけに、不動産との関わり方は大きく変わります。
私がお客様からよく伺うのは、
「最初は年に数回、掃除に行くだけだったんです。」
という言葉です。
ところが数年経つと、
庭木は伸び、雑草は増え、雨どいが壊れ、外壁の傷みも気になり始めます。
台風が来れば、
「瓦は大丈夫だろうか。」
大雨が降れば、
「雨漏りしていないだろうか。」
そんな心配が増えていきます。
もちろん、その間も固定資産税は毎年かかります。
管理のために車で往復し、時間を使い、ときには修繕費も必要になります。
つまり、不動産を所有しているというより、「管理するために時間とお金を使っている」という状態になってしまうことがあるのです。
ここで誤解していただきたくないのは、持ち続けることが悪いという話ではありません。
ご家族で活用する予定がある。
将来住むことが決まっている。
定期的に管理ができている。
そうであれば、その不動産には持ち続ける理由があります。
一方で、
「何となくそのまま。」
「親が残してくれたから。」
「忙しくて考えられない。」
という状態が何年も続いているのであれば、一度立ち止まって考えてみても良い時期かもしれません。
資産が負担に変わる瞬間は、固定資産税の金額が増えたときではありません。
その不動産のために使う時間や労力が、ご自身やご家族の負担になり始めたとき。
私は、そのタイミングが一つの節目になることが多いと感じています。
ご家族はその不動産をどう考えていますか?

不動産の相談を受けていると、私がよくお聞きすることがあります。
それは、
「お子様は、その不動産についてどう考えていますか?」
という質問です。
すると、
「まだ聞いたことがないですね。」
「きっと住んでくれると思います。」
「子どもとはその話をしたことがありません。」
というお返事をいただくことが少なくありません。
親御様にとって実家は、一生懸命働いて建てた大切な財産です。
家族で過ごした思い出があり、お子様の成長を見守ってきた場所でもあります。
だからこそ、
「いつか子どもが使ってくれたら。」
そう思われるのは、ごく自然なことです。
一方で、お子様世代はどうでしょうか。
すでに自宅を購入している。
仕事の都合で県外に住んでいる。
将来も地元へ戻る予定がない。
そうしたケースでは、実家を「住みたい家」としてではなく、「管理しなければならない不動産」と受け止めていることもあります。
もちろん、どちらが正しいという話ではありません。
大切なのは、お互いの考えを知っているかどうかです。
実際に相続が発生してから、
「兄は残したいと言っている。」
「私は売った方がいいと思っている。」
「妹は何も聞いていない。」
そんな状況になると、話し合いは想像以上に難しくなります。
私はこれまで多くの相続相談に携わってきましたが、後悔される方に共通していることがあります。
それは、
「もっと早く家族で話をしておけば良かった。」
という言葉です。
不動産は、お金の問題であると同時に、家族の問題でもあります。
だからこそ、売るか残すかを決める前に、
「この家を将来どうしたい?」
そんな何気ない会話を、一度ご家族でしてみてはいかがでしょうか。
その時間は、将来の大きなトラブルを防ぐだけでなく、ご家族それぞれの思いを知る大切なきっかけになるはずです。
「売る」ことだけが正解ではありません

ここまでお読みいただくと、
「結局、売却した方がいいという話なんですね。」
そう感じた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私はそうは思っていません。
実際にご相談をいただいても、
「今は売らない方がいいですね。」
とお伝えすることもあります。
例えば、ご家族が将来住む予定がある場合。
定期的に管理ができている場合。
賃貸として活用する予定がある場合。
このように、その不動産がこれからもご家族の役に立つのであれば、無理に手放す必要はありません。
反対に、
「誰も住む予定がない。」
「管理する人もいない。」
「毎年固定資産税だけを払い続けている。」
そんな状態が何年も続いているのであれば、一度今後のことを考えてみても良いかもしれません。
大切なのは、売るか残すかではありません。
『なぜ、その不動産を持ち続けるのか。』
その理由をご自身やご家族の中で共有できているかどうかです。
不動産には、それぞれ違った役割があります。
家族が安心して暮らす場所。
代々受け継いできた土地。
収入を生み出す資産。
そして、ときには役目を終え、新しい方へ引き継いだ方が良い不動産もあります。
だから私は、お客様から相談をいただいた際、最初から「売りましょう」とお話しすることはありません。
まずは、
「この不動産をこれからどう活かしたいですか。」
その答えを一緒に考えることから始めています。
売却は、その答えの一つに過ぎません。
ご家族にとって一番良い選択が何なのか。
それを考えることこそが、不動産会社の本当の役割だと私は思っています。
私がご相談の際に最初にお聞きすること

不動産会社へ相談すると、
「いくらで売れますか?」
という話から始まると思われている方が多いかもしれません。
もちろん査定価格は大切です。
しかし、私はご相談をいただいた際、価格の話をする前に必ずお聞きすることがあります。
それは、
「この不動産を、これからどうしたいと考えていますか?」
ということです。
売却したいのか。
お子様へ残したいのか。
賃貸として活用したいのか。
まだ何も決まっていないのか。
まずは、そのお気持ちをお聞きします。
なぜなら、同じ不動産でも、お客様によって最適な答えはまったく違うからです。
例えば、
「売却したい」とご相談に来られた方でも、お話を伺ううちに、
「実は兄弟でまだ話し合っていません。」
「子どもの考えを聞いていませんでした。」
ということが分かるケースもあります。
反対に、
「まだ売るかどうか決めていません。」
という方でも、現状や選択肢を整理したことで、
「これなら安心して今後のことを考えられます。」
と笑顔で帰られる方もいらっしゃいます。
私は、不動産会社の役割は「売ること」ではなく、「お客様が納得して判断できる材料をお伝えすること」だと考えています。
だからこそ、
査定価格だけをお伝えして終わるのではなく、
その不動産が今どのような状態なのか。
どんな選択肢があるのか。
それぞれにどんなメリットや注意点があるのか。
そうしたことも含めてお話しするよう心掛けています。
不動産は、一度売却すれば元には戻りません。
だからこそ、焦って結論を出す必要はありません。
まずは現状を知り、ご家族で話し合い、ご自身にとって一番納得できる答えを見つけること。
それが、後悔しない不動産との向き合い方ではないでしょうか。
まとめ

「家は資産です。」
この言葉に間違いはありません。
しかし、その資産を活かせているかどうかは、また別の話です。
ご家族が住んでいる家であれば、毎日の暮らしを支える大切な資産です。
賃貸として活用しているのであれば、将来につながる資産です。
一方で、誰も住まず、管理する人も決まらず、毎年固定資産税だけを払い続けている不動産があるとしたら、一度立ち止まって考えてみても良い時期かもしれません。
もちろん、売却だけが正解ではありません。
残すという選択もあります。
貸すという選択もあります。
大切なのは、
「なぜ、この不動産を持ち続けるのか。」
その理由をご家族みんなで共有できていることだと思います。
私が静岡市で不動産のご相談をお受けしている中で感じるのは、不動産そのものが問題なのではなく、「どうするかを決められないまま時間だけが過ぎてしまうこと」が一番もったいないということです。
時間が経てば建物は古くなります。
ご家族の環境も変わります。
相続人が増え、話し合いが難しくなることもあります。
だからこそ、「今すぐ売りましょう」ということではありません。
ただ、今のうちにご家族で話し合い、将来の方向性だけでも共有しておくことには大きな意味があります。
今回のタイトルは、
「その家、本当に『資産』ですか?負担になっていませんか?」
でした。
この記事を読み終えた今、ご自身の不動産について少しでも考えるきっかけになったのであれば、これほど嬉しいことはありません。
不動産は、ご家族の人生に長く寄り添う大切な財産です。
だからこそ、「売るか、残すか」ではなく、「これからどう活かしていくか」という視点で考えてみてはいかがでしょうか。
その答えは、ご家族ごとに違っていて当然です。
私たち株式会社エステージは、その答えを一緒に考えるお手伝いができればと思っています。


