第6章 宇宙へ 『3.美しい星』

大澤秀行

大澤秀行

テーマ:人間とは何か


【精神分析は精神科学に基づき心の病を癒し人間の謎を解き明かす】

第6章 宇宙へ
『3.美しい星』


地球が存在した訳とは



地球がこの宇宙に存在した訳を考えた時、結局神の実験場としての意味にしか受けとれない。それ以外の存在理由は考えつかない。何故なら、人類は地上の楽園を創造できずに、殺戮の戦場しかつくれなかったからである。もう一つ加えるなら、自然を破壊し、荒涼たる風景に変えてしまったこと。緑や青や赤や黄色等々の色彩をすべて灰色に変えて焼き尽くしているから。

その破壊スピードは凄まじく、アマゾンは土と灰色に変わり、CO₂を吸わなくなってしまった。既に元に戻れない処に来てしまっている。この有り様をみれば、地球の未来は予測するまでもなく、息絶えて、O₂は無くなる。

地球を舞台にした、神の実験場での結果は、人は神になれないということである。神は人間にその心と意志があるかどうか試したのだが、あえなく人類は、あっさりと神を失望させた。もうやり直しも再挑戦もない。
人類は試練を乗り越えて、平和という栄光をつかむことは出来なかった。と、過去形で言い切っていいのだろうかという疑問すら浮かばない。

真に国家の利益を求めるのは、手を組んで共存共栄した方が、戦費の無駄使いもせず、人も死なず悲劇も起こらず、皆がHappyになれるのに、自国だけの利益を追求すれば争いしかないのは、自明の理である。そんな判り切った論理に目をつむる国のトップでは一体何を目指し、何を求めているのか、皆目判らない。


すべての事は決まっていない

もう一度問え。
誰が何の為に、30数兆個の細胞によって構成される複雑な生き物を作り、何をしようとしたのか、全くその意図が判らない。人智で生命・宇宙を解明しようとしても 数%のことしか、判っていない現在、人は一体何のためにこの地上に居るのか。生命の設計図であるDNAにすべての情報が書かれている訳ではなく、僅かの突然変異が生じる偶然性の余地を残した設計図にしたことに、神の思わくを見る。

それは「すべての事は決まってない、お前達はその自由を生かせるか」である。神は人に、生殺与奪の権を与えたのである。人智は生かすに至らなかった。


人間とは、唯一無二の個性を創造できる生物


私は想う。人は仏の姿になぞらえてつくられた如来であり菩薩であり観音なのだと。初めに「仏」ありきで、それを地上に具現化したものが「生命」である。だから一木一草、鳥獣、虫魚、人に至るまで、すべての存在は生命なのである。その生命は生と死を繰り返す輪廻の法によって、表れたものである。

そこに在るのは、種である。個は種の構成要素にしかすぎない。しかし、ホモサピエンスの人間だけは種を超えて、個を持った。種としては一つでありながら、個・パーソナルな誰にも似ていない唯一無二の個性を創造できる生物、それが人間である。

人として生まれて来たのは、この個をつくるためだ。ユングはそれを「自己実現」といいそれを成し遂げるのは、個性化の無意識が備わっているからであると説いた。六つの六型にはないが、人が精神構造の一つとして自我理想を掲げ、自己の理想を完成させようとして生きていく存在とするアプリオリは認められる。


人間は夢を叶える存在



ラカン的に言うならば、対象aを持っているならば片付くテーマではあるが、人は自我理想を持ち、それに向かって努力し、生きて行く存在とする定義は受け容れてもいい。それがなければ、人として生まれて来た意味が、構築できなくなる。一般的には、夢を持ち、その夢を叶える存在が、人間であるといえばいいだろう。

唯一無二の人間独り独りが、掛け替えのない存在であると釈迦は既に「天上天下唯我独尊」と言った。一人一人がその想いで生きたなら、人類は掛け替えのないこの地球を美しい星に出来たであろう。もう一度その夢をみて、夢を叶えたいものである。



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大澤秀行
専門家

大澤秀行(精神分析家)

合同会社LAFAERO1(ラファエロワン)

精神分析家として34年の臨床実績があり、現在もメールや電話も合わせると、一日平均10名の精神分析によるセラピーを行っている。

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