精神分析は精神科学に基づき心の病を癒し人間の謎を解き明かす第一章-4

大澤秀行

大澤秀行

テーマ:人間とは何か



第一章 生命の始まり 『4_人類は享楽を目指して生きよ』


享楽の場 

言葉を持ったため、人間は三つに分裂してしまったのである。言語と想像と現実に。言語を象徴界といい、想像は想像界に、現実は現実界に分化し、それぞれが関わり重なり合う構造を、ラカンはトポロジー(位相)と言った。因みにそれは下の様な図になる。

三つの世界が重なり合った場所にa、即ち享楽がそこに位置する。言葉と想像と現実が一つになった時、人は享楽のさ中に居るという図である。
換言すれば、人は享楽を目指して生きている。享楽することが生きる意味と言っている。

人生は享楽に向かってプログラムされ、シナリオは書かれる、とラカンは結論付けた。マテーム(図式)で描けば、
となる。

このマテームにより、人間が生まれて来た訳も、生きていく意味も解った。そして人間存在が明確になった。


愛か生命か、金か

人は戦争して殺し合うためにこの地球に存在しているのではなく、人類の楽園を形成するために存在しているのである。それは宗教の説く「極楽」であり「天国」のことである。

この真理を知らない人々は、自我欲を満たすことを優先して、戦争を起こし、富を独り占めしようとする。私利私欲の末路は、人類の破滅である。自分独りだけの幸福を求め続けた人類史の結果は、戦争の歴史でもある。一日も早く、このラカンのマテームを人類総ての人々が知る必要がある。

人間がこの知に辿り着かない限り、平和はあり得ない。そしてこの地球上に楽園をつくることは出来ない。無知であり続けるなら、即ちラカンの真理を無視し続ける限り、地上は人と瓦礫の山の墓場と化すであろう。



現在、人類は一向に墓場に向かって歩んでいる。既にイスラエルのガガ地区やウクライナ、ロシアでは、25万人の戦死が出ている。
地上の墓場化は進んでいる。止める気配もなく、人は死滅に向かっている。

人は悲しい存在だ。平和や仲良く助け合って生きることより、富を選んでしまう。結果殺し合いになってしまう。生命よりも愛よりも、人間は金を選んでしまう。
人間にとって生命とは何なのか。全くそれを理解していないとしか言いようがない為体である。

目覚めよと呼びかけたい。宗教は人類の悲惨な結末に至らないようにつくられた筈なのに、富の前には何と無力なのであろう。むしろ戦争の因を宗教は担ってしまってる。


人類は享楽を目指して生きよ


宗教に多くを求めることは出来ない。結局何を唱えても、何を訴えても、どんな行動をとろうとも、宗教は爆弾の前では無力である。銃弾一発、ミサイル一本にも立ち向かうことは出来ない。すぐに沈黙させられてしまう。
その証拠が未だに核が廃絶されてないことである。核軍縮では何の意味もない。地球30数回滅亡させても余り有る核保有数は削減では全く意味がない。数を減らせば済む、そんな御為倒しが通用すると思っている国際政治のあり方に、疑問どころか呆れてしまう。そんな茶番が通用してしまう国連にも、開いた口が塞がらない。

人類は一体何者なのか。唯々、自国の自己の利益だけを追求し、万民の幸福や平和の一文字もなく、揚げられたスローガンは「自国ファースト」である。
共存共栄は夢のまた夢に終わってしまうのか。




1-3『無意識』⇦  ⇨ 1‐5『平和と愛を求める自我』

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大澤秀行
専門家

大澤秀行(精神分析家)

合同会社LAFAERO1(ラファエロワン)

精神分析家として34年の臨床実績があり、現在もメールや電話も合わせると、一日平均10名の精神分析によるセラピーを行っている。

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