年長さんの生徒さん
市販教材に頼らない
《スケッチブック教材》
こんにちは。
今日は、ひらたピアノ教室独自の《スケッチブック教材》についてです。
2才半、3才などを対象にしたピアノ教材はたくさん市販されています。
しかし、一番個人差のある年齢の子に市販教材の便利さが、返って逆効果だったりします。
市販教材は、時に
【便利で不便】と思っています。
今日は、3才で入会したMちゃんを例に、《スケッチブック教材》をご紹介します。
例えば、3才で始めた2人が
「出来ないこと」「出来ること」が同じだと思いますか?
また、半年後に「出来るようになったこと」が同じだと思いますか?
市販教材は、進度が緩やかなものでも、音符が大きくてカラフルなものでも、その子に合わなかったら意味がありません。
一番は、
【ピアノ教室には楽しい事がある】
それだけで充分な年齢です。
体験の時に、必ずチェックする事があります。
反応したこと、色彩感覚、指先、会話のキャッチボールなどなど…。
数十項目です。
それをもとに、スケッチブック教材を私が作ります。
その子だけの、世界にたった1つの教材です。
毎回のレッスンの様子や状態(精神的なものも)、気付いたことなどをレッスン記録ノートに書き、それをもとに毎回、レッスンでやる事を作成して貼っていきます。
Mちゃんは最初、
・◯が描けない
・はみ出しまくって塗りつぶす
・紙をちぎれない
でも、1年経って…
こんなに落ち着いて、
没頭して、
丁寧に塗っています。
色は、「さっき弾いた曲のイメージで塗ってみてね」という指示に、
Mちゃんなりに精一杯の色彩表現です。
【へ音記号に苦手意識を持たせない】
ということも実践中。
Mちゃん、今週でスケッチブック教材は卒業しました。
今後は、軸になる市販教材を1冊と、補助的にスケッチブックを使います。
最初はスケッチブック教材を見ながらリズム打ちなんて、1小節も出来ませんでした。
それが今は、
クレヨン卒業→色鉛筆
はみ出さないように気をつけて塗っています。
・リズム打ちは両手で異なるリズム打ちが出来る
・すでにへ音譜表が読める
Mちゃんの得意な事を取り入れながら、
譜読み、演奏、リズム打ち、色塗り、◯を描く、なぞる、
が出来るようになりました。
ひらたピアノ教室では、音楽を楽しむための土台を作ります。
「表現」も「技術」もです。
Mちゃん、ここからは一気に上達すると思います。
最初は、ピアノに向かう時間より《造形》や《色彩音楽》に時間を使うレッスンに、お母さんが全てお任せくださったからこその成長です。
いつか、先にピアノを始めたお兄ちゃんと連弾出来ると良いですね。
音楽を楽しむ事は簡単に出来ても、楽しさを教える事は簡単ではありません。
必要な遠回りもあると思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ひらたピアノ教室
平田晶子