誰のための「終活」か
皆様、こんにちは。
今回も、葬儀について私が考えていることを書いていきたいと思います。
葬儀は最後の機会(チャンス)
前回のコラムで、「葬式は出さなくて良い」と言っている役者さんをテレビで見た、という話を書きました。
そのテレビを見ながら私が思ったのは、「この人は、自分を支えてくれている周りの人に対して、あまり感謝の気持ちを持っていないのかな。」という事でした。人は自分一人で生きているわけではなく、周りの色々な方に生かされている(活かされている)訳です。ましてや、役者という職業は人気商売。ファンの支えあってこその仕事だと思うのです。ファンの方々に最後のお別れの機会を設けるのも、こういった仕事に就かれている方にとっては必要なことではないでしょうか。
感謝を伝える場として
確かに、この世を旅立った後のことは、自分には分かりません。そういう意味で「葬儀なんてあっても無くても一緒」と、自分本位に捉えることは出来るでしょう。では、後に残った方、自分が感謝の言葉を掛けたい人に対して、何も出来ないかというと、そんなことはありません。葬儀を行えば、葬儀を執り行ってくれた家族が、生前関わってくれた方に対して、自分の代わりに感謝の意を伝えてもらうことが出来ます。それと同時に、残した家族のことを、改めてよろしくお願いしますというメッセージも伝えられます。
葬儀というものは、単に死を契機とした儀式儀礼の場にとどまりません。生前の感謝を伝える場として、家族への愛を伝える場として、大切な機会だと思います。残る家族に負担をかけたくないということであれば、生前予約を受け付けている葬儀社もあります。短絡的に「いらない」と考えるのではなく、自分にとって、家族にとって、葬儀というものが果たす意味をよく考えていただければと思います。