起業を助ける定年起業者のための助成金
定年後、資格を活かして行政書士として独立開業するのもよいでしょう。行政書士は、時代のニーズに合った仕事で、昨今、遺言や相続関係を中心に引き合いが増えています。この記事では、行政書士の業務を紹介しながら、開業後成功するためのポイントについて解説します。
定年後、行政書士資格を活用するのも一案だ
定年後、独立開業する際、資格は心強い武器です。特に「○○士」は一般的に取得するのは難関と言われていますが、取得即独立開業につながる資格です。今回取り上げる行政書士は、学歴や職歴の制限がなく、誰でも受験でき、業務範囲も広いことから、定年後に起業したい人に人気の資格です。
さて、行政書士はどのような資格かを見ていきましょう。行政書士とは行政書士法に基づく国家資格者のことです。他の人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する許認可などの申請書類の作成や提出手続きの代理のほか、遺言書や事実証明および契約書の作成、行政不服申し立て手続き代理などを手がけます。
つまり、行政書士は官公署に提出する書類などを正確かつ迅速に作ることによって、市民が生活を円滑に送れるようにサポートしているわけです。かなり公共性の高い仕事なので、責任も大きいと言えるでしょう。
行政書士になるためには行政書士試験をクリアしなければなりません。試験は難関となっており、近年の合格率は8~10%、1年あたり約500人が合格しています。合格後は、日本行政書士会連合会が備える行政書士名簿へ登録すれば、行政書士として独立開業することができます。
試験は難関なので、一度でクリアできず、数回トライすることもあるでしょう。それだけに、定年後、スムーズに独立開業につなげるためには、定年前から受験勉強を始め、合格するとベターです。
行政書士の顧客獲得ルートを考える
行政書士として独立開業するのは、飲食店や不動産業などと異なり気楽に行えます。理由は、特別な投資なく始めることができるからです。
飲食店などを開業する際は、店舗を借りるために多額の資金を投じる必要があるほか、原価計算など、さまざまな準備が必要です。
しかし、行政書士は自宅を事務所として独立開業することが可能です。つまり、事務所経費という固定費が一切かかりません。また、事務にかかる経費が少ないのも行政書士の魅力です。プリンターや名刺など、最低限の準備で済むからです。
しかしながら、行政書士を始めるのは簡単でも、継続するのが難しい仕事だと言われています。
その理由は「顧客獲得」にあるでしょう。どのようなビジネスもそうですが、顧客獲得を戦略的に行わないと廃業は目に見えています。行政書士の顧客獲得ルートはさまざまですが、独立開業を軌道に乗せている行政書士は紹介をメインとして受注件数を積み重ねています。
紹介はとてもメリットの多い顧客獲得ルートです。というのも、信頼できる人の紹介なら、質の低い顧客が来る可能性は低く、相応の金額で受注できるからです。また、紹介する人も、自分の信用が傷つく可能性があるため、問題のある顧客を紹介することをためらう傾向があるからです。
しかし、紹介は待っているだけでは簡単に得ることはできません。まずは自分から動くことが大切です。例えば、開業前から行政書士として独立することを周囲に伝え、紹介をお願いしておくことも必要でしょう。
行政書士は時代のニーズに合った仕事
紹介は顧客獲得のためのルールのひとつです。IT化が進展している近年は、ウェブによる広報も重要になってきます。
ホームページの作成技術などを、独立開業前から身に付けおくとスムーズでしょう。ホームページを開設したら、その後は情報を後進するなど運営をしっかりと行うことも大切です。また、マーケティング戦略も考えておきましょう。メルマガやランディングページなど、さまざまなマーケティングツールを使って顧客を開拓し獲得していきましょう。
行政書士は時代のニーズに即した仕事です。少子高齢化が進展し、高齢者が増えるなか、行政書士の主業務である遺言や相続関係の需要が急増しているからです。これらの業務は行政書士に依頼せずとも自分で行うことが可能ではありますが、かなり手間がかかります。そのため、行政書士が請け負うことが多いのです。
その報酬はハッキリ言ってピンキリで、数万円というケースもあれば、数十万円、大型の案件であれば百万円台というものもあります。
つまり、数十万円の案件を月に数件受けることができれば、相応の収入を得ることができます。顧客獲得ルートを開拓し、しっかりと確保しておけば、実現はそれほど難しくはないかもしれません。
しかしながら、競争相手が多いことも事実です。顧客の要望を的確にヒアリングする能力、要望から適切な提案を行う能力など、独立開業前に身に付けるべき能力は多数あります。また、独立開業前には地域の行政書士市場がどうなっているのか、きちんとリサーチをしたうえで開業するかどうか慎重に判断することをおすすめします。