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ソフトウェアの会計は特有の処理方法が存在する為、IT企業やソフトウェアの開発を行っている会社の会計担当者から、多くのご相談が寄せられます。
そこで今回は、ご相談の多い市場販売目的の会計・経理処理について、ソフトウェアとコンテンツの概念を交えてご説明させていただきます。
ソフトウェアとコンテンツの概念
以前のコラム「ソフトウェアの経理処理について」でお伝えしたように、公認会計士協会の実務指針(注1)によると、「ソフトウェアとはコンピューターに一定の仕事を行わせる為のプログラム、及びシステム仕様書やフローチャート等の関連文書のこと」と定義されています。
「コンテンツ」は、プログラムの処理対象となる情報を指します。例えば、データベースソフトウェア、映像ソフトウェア、音楽ソフトウェアなどが処理対象とするデータのことです。
会計上では、ソフトウェアとコンテンツを別個の取り扱いをしますが、分けられない場合も考えられる為、その際には税理士など専門家の力を借りることをお薦めします。
注1:公認会計士協会の「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」より
市場販売目的のソフトウェア販売
「市場販売目的のソフトウェア」の会計処理は、「初めて製品化された製品マスター」の完成時点までの制作費用は研究開発として考えられる為、研究開発費として処理します。その後に発生したものについては、無形固定資産として資産計上します。
尚、研究開発の終了時点を判断するタイミングですが、次の2つの要件を満たす必要があります(注2)。
①製品マスターについて販売の意思が明らかにされること
②最初に製品化された製品マスターが完成すること
注2:公認会計士協会の「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」より
市場販売目的のソフトウェアの収益確認
ソフトウェア取引の収益確認は、なかなか判断の難しいものがありますが、次のように定義されています。
企業(ベンダー)側では、その仕様(スペック)が確定していることが一般的であり、納品が終わった時点で実質的に成果物の提供が完了していると考えられる為、納品日を収益確認の日と位置付けされます。
尚、その成果物を直接エンドユーザーに販売するのではなく、代理店などを通して販売する場合も考えられます。その際には、代理店がエンドユーザーに納品した時点で、成果物の提供が完了したことになります。