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IT企業の経理を担当していると、一度はソフトウェアの経理処理で迷ったことがあるのではないでしょうか。
今回はIT企業で悩みがちな、ソフトウェアにおける会計上と税務上の経理処理の違いなどについて、ご紹介したいと思います。
会計上のソフトウェアとは?
公認会計士協会の実務指針(注1)によると、ソフトウェアとは、コンピューターに一定の仕事を行わせる為のプログラムであり、システム仕様書やフローチャート等の関連文書のことを指すように定義されています。
会計上のソフトウェア製作費を分類すると、「自社利用のソフトウェア」と「販売目的のソフトウェア」に分かれ、後者は更に「市場販売目的」と「受注製作」のソフトウェアに区別することができます。
その昔、IT企業におけるソフトウェア取引では、売り上げの先行計上や水増し計上が多発し、問題になった時代がありました。
当時は、ソフトウェア制作費の経理処理に明確な基準はなく、税法に倣って計上していたようです。しかし現在は、そのようなIT企業の問題が発端となり、会計基準によって明確に定められています。
注1:公認会計士協会の「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」より
税務上のソフトウェアとは?
税務上のソフトウェアの処理は、減価償却資産(無形固定資産)として扱われています。
ソフトウェアは取得日から償却費として計上するのではなく、事業の用に供した時から償却費として計上できるようになります。
また耐用年数については、「複写して販売する為の原本」と「開発研究用のソフトウェア」については3年、「その他のソフトウェア」については5年と定められています。
ちなみに自社利用のソフトウェアの場合は、自社利用や外部購入に関係なく耐用年数は5年となっています。
いずれの場合も残存価額が「0」まで減価償却することとされています。
人件費などもソフトウェアで計上可能
平成12年に行われた税制改正により、ソフトウェアは減価償却資産(無形固定資産)として扱われるようになりました。
その取得価額にはソフトウェアを取得した費用、人件費、材料費、取引運賃などの付随費用等を含め、原則資産として計上し、その他の減価償却資産と同じように償却する仕組みです。
自社利用のソフトウェアでは、将来の収益の獲得または費用削減が確実であることが認められる際は、経理上、資産として計上します。