早期退職制度を利用して50代で起業するメリット
会社設立時にどこの金融機関から資金を借りたらいいのか、頭を悩ませる人は多いと思います。
前回のコラム「資金調達の為の銀行との付き合い方」でご紹介したように、銀行で借りるのも方法ですが、会社を設立したばかりの会社は実績がない為、銀行からの借入れは難しいとも言われているのです。
そこで、起業家が比較的資金を借りやすい金融機関としては、日本政策金融公庫からの融資が考えられます。
今回のコラムでは、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」についてご紹介したいと思います。
日本政策金融公庫の新創業融資とは?
まず日本政策金融公庫とは、政府が100%株式を出資している政府系金融機関の一つです。
国の政策の基、中小企業や個人事業者に対する資金の貸付や創業支援などを行っています。
「新創業融資」は政府の出資金や保証債などが使われている為、これから起業する人・会社を設立して間もない人・事業を始めたばかりの会社でも、比較的資金を借りやすいのが特徴です。つまり実績のない起業家にとっては、心強い味方となる制度と言えます。
新創業融資のメリットとデメリット
新創業融資制度の主なメリットとデメリットを挙げてみたいと思います。
<メリット>
・担保が不要
・保証人が不要
・申請1カ月半くらいで融資が下りる(銀行などは早くても2カ月半はかかると言われています)
・信用保証協会の保証も不要
<デメリット>
・運転資金としては1500万円が上限となる為、大きなビジネス展開を図る人には向いていない
・銀行に比べて金利が高めである
・新規開業資金で運転資金として借りた場合、返済期間が5年から7年と短めである
融資の確立を上げる方法
新創業融資で借入れをする場合、まずは以下に記載の融資条件①から③を全て満たす必要があります。
① 「創業の要件」として、新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない人。
② 「雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件」として、次のいずれかに該当する人。
(1)雇用の創出を伴う事業を始める方
(2)技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方
(3)現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
(ア)現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
(イ)現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
(4)大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
(5)産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方
(6)地域創業促進支援事業による支援を受けて事業を始める方
(7)公庫が参加する地域の創業支援ネットワークから支援を受けて事業を始める方
(8)民間金融機関(注4)と公庫による協調融資を受けて事業を始める方
(9)既に事業を始めている場合は、事業開始時に(1)~(8)のいずれかに該当した方
③ 「自己資金の要件」で、事業開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる人
※詳しくは日本政策金融公庫のHPでご確認ください。
(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html)
融資実行の確立を上げる為には、条件を満たすことと同時に、事業計画書をしっかり作ることや創業支援に強い税理士など専門家の力を借りることが成功への近道となります。
申請方法と融資までの流れを確認
次に創業資金を実際に借りるまでの流れを確認してみたいと思います。
①最寄りの日本政策金融公庫の相談窓口へ相談に行きます。
申込条件や必要書類について、しっかり確認しましょう。
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②必要書類を準備する
窓口で確認した申込書、事業計画書、資金繰り表などの必要書類を準備します。
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③融資の申込みをする
開業より2~3か月前には申込みするようにしましょう。
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④面談
融資担当者と面談を行ないます。資金を借りられるかの可否が、この面談で決まると言っても過言ではありません。事業計画書の信ぴょう性が問われ場である為、しっかり説明できる対策を練ることが大切です。
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⑤現地調査
既に店舗などを開業している場合には、現地調査が入ることもあります。
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⑥結果報告
面談終了後、約1週間位で、結果報告が来ます。
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⑦融資実行
以上、大まかな流れをご紹介しましたが、詳しい内容については日本政策金融公庫のHP、または窓口で確認して下さい。
弊所では、顧問させていただいているお客様には、紹介状を書かせていただいています。