リーダーシップ論 我々はどこへ向かうのか?/足跡をたどる
みなさんの職場では次のような課題はないでしょうか?
□決まったルールが守られない
はじめは、皆が守っているルールもいつの間にか忘れられていく
□情報の共有ができない
「私知らない、聴いてない。うちの部署には知らされていない」ということが多い
□給料が上がらない
評価制度が不透明で、頑張っても給料があがらない気がする
□一部の社員の残業代が不明瞭
同じ時間残業しているのに、Aさんだけ申請している
日曜日に休日出勤して、いったい何をやっているんだろう?と思う社員がいる
□退職者が多く、引継ぎのモチベーションがダウン
引き継いだ仕事が戻ってくるので、教えるモチベーションがあがらない
□社内に活気がない
挨拶の声がない、暗い、みんなひそひそ小声で話す
このような社内の課題を放置しておくと、例えばメンタル不調者の発見が遅れて、突然休んで周囲があわてたり、頑張っても意味がない雰囲気で、白けた空気の中仕事をするのがしんどかったりしませんか?
やがて、会社が元気をなくし、生産性がダウンして、売上が低迷、給料が上がらない・・・負のスパイラルに陥っては意味がありません。
では、どうしたらよいのでしょうか?
働く社員のみなさんが、満足できる職場環境を目指すことです。 ES経営という言葉があります。
【ESとは?】
(Emploee Satisfaction)エンプロイ・サティスファクション
社員の業務内容や職場環境、人間関係などに対する満足度のことを意味します。
(「CS/顧客満足」に対比される概念)
離職者に退職の理由を聞いてみると「自分のキャリアや将来性」つまり、キャリアパス(自分のキャリアを積む道)が見えない、という理由を挙げる人が増えています。“組織内での成長が見えない”ことが動機の1つとなっています。
社員の満足度を高めて長期の定着を促すためには、社内でのキャリアの道筋を明確にするような”キャリアパスの構築”が求められているのではないでしょうか?
フレデリック・ハーズバーグ(心理学者)は、「人には2つの欲求があり、それは衛生要因、動機づけ要因である」と言っています。
衛生要因は、不満足要因を排除することができても、満足感を引き出すことにはならないという考えです。会社では、福利厚生・処遇・給与などが衛生要因となります。
例えば、給与は労働に対する対価として“当然、毎月支給されるもの”であり、満足感を引き出すことにならないということです。
あるいは、毎年4月に自動的に2千円昇給する会社があったとします。初めて昇給したときはうれしい気持ちでした。翌年も、定期昇給で同額がアップしました。毎年そのことが続くと、定期昇給が当たり前になり、大きな満足を感じなくなるかもしれません。あるいは、不満足要因を排除しているだけで、仕事をする上でモチベーションの向上にはつながらないのではないでしょうか。
そこで重要となるのが動機づけです。
例えば、重要なプロジェクトを任されたことがうれしくて、期待に応えようと考えた社員がいました。本を読んで研究したりセミナーに行き勉強を重ねて、知識を仕事に活かしてプロジェクトは成功しました。ある日社長がポツリと「うまくいってよかった」と褒めてくれたとします。嬉しくて、また頑張ろうと意欲が湧く人も多いのではないでしょうか?
動機づけとは、「仕事を任せられる→知識・経験が活かせる→上司、同僚に認められる→達成感」となって、本人のモチベーションは向上します。
自分の能力を発揮して、周囲から承認されることで達成感を強く感じることができます。
動機づけのスイッチを入れる“しくみづくり”として、評価制度や教育研修制度を活用してみてはどうでしょうか?
単なる給与の配分を考える機能としてではなく、社員のモチベーション・アップ、満足度が高まるしくみとして、キャリアの道筋が明確になった評価制度や教育研修制度がお勧めです。
会社で自分自身がどのように仕事を習熟して能力を発揮することが求められているのか?キャリアパスの見える化を目指すことが益々重要なのではないでしょうか?