「眠れない」のは、その一杯が原因かも。薬に頼る前に見直したい「カフェイン」の正体
毎日の診察の中で、私は患者さんに普段の食事内容を詳しくお聞きしています。
すると9割以上が、まるで示し合わせたかのようにほぼ同じ内容を話されるのです。
「朝は食べないか、パンとコーヒーだけ」
「昼はうどんかサンドイッチで軽く、手短に済ませる」
そう答えた後、皆さんが必ず強調されるのが
「でも、夜はしっかり食べているから大丈夫です」
という一言です。
夕食さえ充実させていれば、一日の栄養バランスの帳尻は合う。
そう信じておられる方が多いようです。
実を言えば、かつての私もそう思っていました。
いえ、「そう思いたかった」と言うほうが正しいかもしれません。
多忙な勤務中、朝昼に栄養を意識した食事を用意するなんて、正直なところ「絶対無理」と諦めていたからです。
ですが、体が必要とする栄養は、夜にまとめて摂ればいいというものではありませんよね。
脳も体も活発に動き、エネルギーを最も消費する日中こそ、本来は十分な栄養が必要なはずです。
最近、藤原淳さんの著書『パリジェンヌはダイエットがお嫌い』を読みました。
私も勤務医時代、パリジェンヌのようなランチをしていたら、副腎疲労で長期間、体調不良に悩まされるなんてことはなかったはずと、複雑な気持ちになりました。
当時は昼食をまともに摂る時間すら確保できず、「食べられる時に、食べられるものを食べておく」という極限状態。
時には手近にあるお菓子を爆食して空腹を満たすこともめずらしくありませんでした。
たまに時間が取れた時には、定食スタイルでしっかり食べたいと思うのですが、周囲からは「サンドイッチくらいで軽く済ませたい」と言われてしまい、ちょっとした葛藤を抱えていました。
一方で、本の中に登場するパリジェンヌたちのランチタイムは、実に見事です。
彼女たちはランチになるとビストロまで歩き、コース料理を楽しみ、最後にはデザートまでしっかりと堪能します。
一見すると贅沢すぎるようにも見えますが、実はこれが非常に理にかなっているのです。
著者は、それまで習慣になっていた15時頃にふとお腹が空いてお菓子をつまんでしまう……ということが、自然となくなったというのです。
こうしたパリジェンヌたちの日常には、私たちが提唱する「血糖コントロール」や「分子栄養学」の真髄が、驚くほど自然な形で溶け込んでいます。
しかもそれは専門的な知識ではなく、幼い頃から両親に教わる「家庭の知恵」として受け継がれているもののようでした。
「メインが出てくるまでパンを食べてはだめよ」
「空腹で炭水化物から食べると、眠気や頭痛が出て仕事に支障が出るわよ」
「健康のために、食後は必ず歩きなさい」
そんな教えを、彼女たちは日常の中で当たり前に実践しています。
日々の食事の在り方を見直すだけで、体は驚くほど自然に整っていきます。
この本は、著者のさまざまな失敗談とともに、その知恵を楽しく学べる一冊です。
さてみなさんは、今日、ランチに何を召し上がりましたか?


