塗料の機能や特性
皆さんコーキングってご存じですか?呼ばれ方はコーキング以外にもシーリング、目地と呼ばれています。最近多いサイディングボードの家や他の外壁材に多くある外壁のボードのつなぎ目に埋まっているものです。
そのコーキング(シーリング)の補修方法には、「打ち替え」と「増し打ち」の2パターンあります。外壁塗装などを検討するときに初めて知った、という方も多いのではないでしょうか。実はこの「打ち替え」「増し打ち」は、多少金額が違ううえに、コーキングの場所や劣化状態によって使い分けが必要です。選択を誤ると、損をしてしまったり、せっかく補修したのに不具合が出たりする恐れがあります。そこで、コーキングの「打ち替え」と「増し打ち」について、違いの比較と正しい使い分け方を、外壁メンテナンスの専門家が解説します。写真や図も使ってわかりやすくお伝えしていきますので、補修や塗装は初めてという方も安心してお読み下さい。
コーキングの打ち替えと増し打ちの違い
サイディングボードなどの境目にある目地コーキング(シーリング)の補修方法は、「打ち替え」と「増し打ち」の2種類があります。
打ち替えは、傷んだ古い目地をカッターなどで切り取ってから、新しいコーキング材を充填する方法です。目地撤去の手間がある分、増し打ちよりも少し費用がかかりますが、傷んだ部分をしっかり取り除くことができます。
増し打ちは、古い目地の上にそのままコーキングを塗り重ねる方法です。古い目地の状態が悪いと上塗りした部分だけ剥がれてしまう恐れがありますが、作業の手間は少ないため費用はお安くできます。この2つはそれぞれに長所短所があるため、施工する場所やコーキングの状態次第で使い分けるのが正しいやり方です。
補修の正しい使い分け
「打ち替え」と「増し打ち」は、どちらの工法が絶対に良い・悪いというものではなく、コーキングの場所や状態によって使い分けを行います。
- 基本は「打ち替え」
- いくつかの例外パターンでは「増し打ち」
となります。具体的にどんな場合か、どうしてなのかをそれぞれ見ていきましょう。
基本的に全て打ち替え
外壁塗装工事などでコーキング補修をするときは、基本的には「打ち替え」がおすすめです。古いコーキング材を撤去して中身を新品にするため、耐久性も良くなるからです。外壁の目地の隙間をしっかり埋めて、防水性や柔軟性を確保できます。増し打ちでは、傷んで固くなったコーキングを修復できるわけではありません。表面だけ塗り重ねても、内側の古いコーキングはまたひび割れたり隙間ができたりする恐れがあります。また、古いコーキングと新しいコーキングがうまく馴染まず、剥がれてしまうこともあります。増し打ちよりも手間・費用はかかりますが、建材のメンテナンスには打ち替えがベストです。長持ちする良い補修のためには、基本的には目地コーキングは打ち替えにしてもらいましょう。
サッシ周りは増し打ち
例外的に「増し打ち」の方が適しているのが、窓やドアなどのサッシ周りのコーキングです。サッシ周りを打ち替えようとしてカッターを入れると、奥にある防水紙を誤って切ってしまい、雨漏りを引き起こす可能性が高いからです。補修しようとしてかえって雨漏りの原因を作っては元も子もないですよね。このため、サッシ周りは古い目地撤去をしない増し打ちを行います。
ALCの場合も増し打ち
ALC外壁の場合は、サッシ周りなどでない縦横の目地でも「増し打ち」を行うことが多くあります。なぜなら、ALCはサイディングよりも厚みがあって目地の溝も深く、増し打ちでも十分な量のコーキングを充填できるからです。大手ALCメーカーなどでも推奨されるのが、1回目の塗装時は増し打ち、2回目は打ち替え、というメンテナンスです。
まとめ
外壁のコーキング補修は主に2種類です
基本的には全て「打ち替え」をおすすめしますが、サッシ周りや入隅、ALCの目地などは「増し打ち」が適していることが多いです。状況によって正しく使い分けが必要です。
そのため、見積書では打ち替えと増し打ちそれぞれの単価や数量が分かるよう、明確に書き分けてもらうようにしてください。