【高齢者の保険見直し】やってはいけない!安易な解約・かけ直しで損する4つの罠
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
「親が亡くなり、実家が空き家になったが、大きなお仏壇をどうすればいいか分からない…」
「家の解体を考えているが、仏壇だけは処分できない、と業者に言われてしまった…」
「お仏壇は、普通の家具のように、粗大ごみとして捨ててしまっても良いのだろうか?」
お仏壇の処分、いわゆる「仏壇じまい」に関して、このようなご相談をいただくことが年々増えています。
大切なご先祖様が祀られてきた場所だけに、その扱い方に悩むのは、当然のことでしょう。
今回は、この極めて重要で、多くの方が悩む「仏壇じまい」をテーマに、実体験も交えながら、
- なぜ、仏壇は“ただの箱”として処分できないのか
- 絶対に欠かせない儀式「魂抜き(閉眼供養)」とは
- 仏壇処分の、具体的な3つのステップと依頼先
- 気になる費用相場と、注意点
などを、徹底的に分かりやすく解説していきましょう。
【結論】仏壇処分は「魂抜き」が必須。放置は危険、まず専門家へ相談を
まず、絶対に覚えておかなければならない大原則。
それは、お仏壇は、ご先祖様の魂が宿る大切な「礼拝の対象」であり、家具のようにそのまま粗大ごみとして出すことはできない、ということです。
お仏壇を処分(仏壇じまい)する際には、必ず事前に、僧侶にお経をあげていただき、その魂を抜いて「ただの木の箱」にお戻しするための儀式、「魂抜き(たましいぬき)」または「閉眼供養(へいがんくよう)」を執り行う必要があります。
この儀式を行わなければ、解体業者や処分業者から、引き取りを断られることがほとんどです。
誰も住まなくなったご実家の仏壇を、どうすれば良いか分からずに、そのまま放置してしまうケースも見られますが、これは絶対にやめてください。
家屋が傷むと同時にお仏壇も傷み、いざ処分する際に、大変な手間と、高額な費用がかかることになりかねません。
管理が難しくなったと感じたら、できるだけ早く、お付き合いのあるお寺(菩提寺)や、仏壇店、あるいは私たちのような葬儀社に相談することが、何よりも大切なのです。
1. なぜ必要? 仏壇じまいの絶対的ステップ「魂抜き(閉眼供養)」
なぜ、お仏壇の処分に、このような特別な儀式が必要なのでしょうか。
■ 「魂入れ」と「魂抜き」はワンセット
お仏壇は、購入した時点では、まだただの「物」です。
しかし、ご本尊(仏像や掛け軸)やお位牌を安置し、僧侶に「魂入れ(開眼供養)」という儀式を行っていただくことで、初めて、ご先祖様の魂が宿る、神聖な礼拝の対象となります。
「魂抜き(閉眼供養)」とは、その逆の儀式です。
これまで長年にわたり、家族をお守りいただいたことへの感謝を込めて、僧侶に読経していただくことで、お仏壇に宿った魂を抜き、再び「ただの物(木の箱)」の状態にお戻しするのですね。
この儀式を執り行うことで、初めて、お仏壇を動かしたり、処分したりすることが、宗教的にも、倫理的にも可能になります。
よって魂抜きは、ご先祖様への最後の感謝と敬意を示す、非常に重要な儀式なのです。
2. 【実録】管理不行き届きの空き家で、お仏壇を救出した話
先日、以前ご葬儀をさせていただいたお客様から、一本のお電話をいただきました。
「近々、親戚の家を解体するのですが、その中にある仏壇の処分をお願いできませんか?」
解体業者からも「仏壇だけは、事前に引き取ってほしい」と言われたとのこと。早速、そのお宅へ、お仏壇の状況を確認しに伺いました。
■ 現場の壮絶な状況
そこは、3年間誰も住んでいなかったという、二階建ての長屋でした。電気は止まり、玄関にはチラシが山積みになっています。
懐中電灯を頼りに奥へ進むと、鼻を突く強烈な異臭が…。
足元を見ると、そこには、おびただしい数の猫の糞。
どうやら、空き家が、完全に猫の住処と化してしまっていたのです。
■ 救出作業と、会館での「お仏壇のお葬式」
お仏壇は部屋の奥にありましたが、その手前の天井は抜け落ち、下は糞の山。とてもではありませんが、僧侶をお呼びして、この場所で魂抜きのお経をあげていただけるような状態ではありませんでした。
お客様とご相談の上、まずはお仏壇を外に運び出し、当社の会館へお連れしてから、改めて供養の儀式を行うことになりました。
長靴とゴム手袋を装着し、床に段ボールを敷いて足場を確保しながら、若手スタッフと二人で、慎重にお仏壇を運び出しました。
外の光の下で確認すると、お仏壇の内部は扉のおかげで比較的綺麗でしたが、引き出しや裏側は害虫の死骸や糞で汚れ、底には乾燥した猫の糞がこびりついていました。
心の中でご先祖様に詫びながら丁寧に汚れを落とし、会館へと運びました。
そして後日。
会館の清浄な一室に安置されたお仏壇の前で、僧侶とご親族様にお集まりいただき、厳かに魂抜きの法要が執り行われました。
これでお仏壇も、そして、ずっと気にかけておられたご依頼主も、ようやく一安心です。
3. 仏壇処分の流れと、気になる費用相場
今回のケースは特別でしたが、一般的な仏壇処分の流れと、依頼先、そして費用の目安は、以下の通りです。
■ 仏壇処分の3ステップ
STEP1:依頼先を決める(菩提寺、仏壇店、葬儀社、専門業者など)
STEP2:「魂抜き(閉眼供養)」を執り行う
STEP3:お仏壇本体の処分(お焚き上げ、または専門業者による処分)
■ どこに頼む?依頼先別の特徴と費用相場
- 菩提寺(お付き合いのあるお寺):最も丁寧で、安心できる方法です。魂抜きのお布施(3万円~10万円程度が目安)と、お寺によっては、その後の処分(お焚き上げ)までお願いできる場合があります。
- 仏壇店:お仏壇を購入したお店であれば、引き取りサービスを行っている場合があります。費用は、魂抜きと処分を合わせて、2万円~8万円程度が相場でしょう。
- 遺品整理業者・仏壇処分専門業者:遺品整理の一環として、魂抜きの手配から処分まで、ワンストップで依頼できます。他の家財道具と一緒に整理できるのがメリットです。
- 葬儀社:私たちのような葬儀社も、ご葬儀後のアフターサポートとして、仏壇じまいのご相談を承っております。僧侶の手配から、信頼できる処分業者の紹介まで、責任をもって対応いたします。
■ 魂抜き後の処分方法
魂抜きを済ませた後のお仏壇は、宗教的には「ただの木の箱」です。
そのため、自治体のルールに従って、粗大ごみとして処分することも可能です。
しかし、ご先祖様が祀られていたものをゴミとして出すことに、心理的な抵抗を感じる方は少なくありません。
その場合は、前述の専門業者に依頼し、お焚き上げ供養をしてもらうか、分解して適切に処分してもらうのが、より丁寧な方法と言えるでしょう。
【まとめ】仏壇じまいは、ご先祖様への最後の感謝。放置せず、敬意をもって
お仏壇は、ご家族の歴史と想いが詰まった、かけがえのない大切な場所です。
様々な事情で手放さなければならない時も、決して粗末に扱うことなく、感謝の気持ちを込めて、きちんと供養してあげることが、何よりも大切なのではないでしょうか。
では、本日のポイントをまとめます。
- お仏壇を処分(仏壇じまい)する前には、必ず僧侶による「魂抜き(閉眼供養)」の儀式が必要。
- 空き家などで管理が難しくなったら、絶対に放置せず、まず菩提寺や仏壇店、葬儀社といった専門家に相談する。
- 依頼先は、菩提寺、仏壇店、専門業者など様々。魂抜きの手配から処分まで、ワンストップで依頼するとスムーズ。
- 費用相場は、魂抜きのお布施と処分費用を合わせて、数万円~10万円程度が目安。
- 魂抜き後の仏壇は、粗大ごみとして出すことも可能だが、心理的な抵抗がある場合は、専門業者にお焚き上げなどを依頼するのが望ましい。
今回の実例のように、ご葬儀が終わった後にも、納骨、遺品整理、相続手続き、そしてお仏壇の処分など、ご遺族には、まだまだ多くの「困りごと」が続きます。
私たちは、ご葬儀だけでなく、その後に続くあらゆるご不安やお悩みに、一つひとつ丁寧に寄り添い、解決のお手伝いをさせていただくことも、葬儀社としての大切な使命だと考えております。
株式会社大阪セレモニー



