遺品整理の費用相場【2025年最新版】安く抑えるコツと信頼できる業者選びの重要ポイント
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
親御様が亡くなられた後、ご葬儀が無事に終わって一息ついた頃に、多くのご家庭で持ち上がるのが「先祖代々のお墓は、これから誰が継ぐのか?」という問題です。
「長男だから、お前が管理するのが当たり前だろう」
「遠くに住んでいて、お墓参りなんて行けない」
「管理費用は、誰がどれだけ負担するの?」
兄弟姉妹間で意見が食い違い、感情的な対立に発展してしまうケースは、決して珍しくありません。
そこで今回は、この「お墓の継承問題」をテーマに、
- 法律上、お墓を継ぐ人はどう決まるのか?
- 兄弟間でよくあるトラブルの具体的な実例
- 円満に解決するための3つのステップ
- 誰も継げない場合の「墓じまい」という選択肢
などを、分かりやすく解説していきます。
【結論】承継者は一人でも、管理・費用は兄弟姉M妹で話し合いを。「墓じまい」もご先祖様のための前向きな選択肢
お墓や仏壇といった「祭祀財産」を継承する人は、法律上「祭祀承継者(さいししょうけいしゃ)」として一人だけが定められます。
しかし、だからといって、その一人だけに管理や費用の全責任を押し付けるのは、現代の家族関係においてトラブルの元凶となるでしょう。
最も大切なのは、「長男だから」といった古い慣習に縛られず、兄弟姉-妹全員で現状を共有し、管理や費用をどう分担していくかを具体的に話し合って決めること。
そして、もし誰も現実的に管理できないのであれば、お墓を放置して無縁仏にしてしまう前に、「墓じまい」をして永代供養などに切り替えることも、ご先祖様と未来の世代に対する、責任ある前向きな選択肢と言えます。
1. 法律では“一人”だけ。お墓を継ぐ「祭祀承継者」の決め方
まず、法律上のルールを理解しておきましょう。
お墓や仏壇は、預貯金などの一般的な遺産とは異なり、遺産分割の対象にはなりません。
特定の「祭祀承継者」一人が、丸ごと受け継ぐことになります。
祭祀承継者の決め方の優先順位:
- 被相続人(亡くなった方)による指定:遺言などで「長男に継がせる」といった指定があれば、その人が承継者となります。
- 慣習による決定:故人の指定がない場合は、その地域の慣習に従って決められます。「長男が継ぐ」というのは、この慣習にあたります。
- 家庭裁判所による決定:慣習でも決まらない場合は、家庭裁判所の調停・審判で承継者が定められます。
法律では「長男が継ぐこと」が義務付けられているわけではない、という点が重要なポイントです。
2. 「誰が継ぐ?」「費用は?」兄弟間でよくあるトラブル3つの実例
実際に、どのようなトラブルが起きているのでしょうか。
実例①:「長男なんだから、お前が継ぐのが当たり前だろ!」
長男は都会に住み、実家のお墓は遠方の田舎にある状況。
次男や姉妹は「お墓を守るのは長男の役目」と主張し、管理や費用負担に一切協力しようとしない。
実例②:「お墓の管理費用、なんで私だけが払うの?」
実家で親と同居していた長女が、親亡き後にお墓を継承。
しかし他の兄弟は「お墓はお前が継いだから関係ない」と、お寺に支払う年間管理料やお布施、墓石の修繕費などを全く負担してくれない。
実例③:「娘しかいない…嫁いだらお墓はどうなるの?」
子供が姉妹しかおらず、二人とも結婚して姓が変わっているケース。
「夫の実家のお墓もあるのに、二つも管理できない」「うちより姉さんの方が近いから」と、お互いに継承を押し付け合ってしまう。
3. トラブルを円満に解決するための3つのステップ
感情的な対立を避け、現実的な解決策を見つけるためのステップをご紹介します。
STEP1:まずは全員で話し合う
「長男だから」「家を継ぐ者が」といった固定観念はいったん脇に置き、兄弟姉妹全員で集まり、それぞれの状況(居住地、経済状況、お墓に対する考え方)を正直に話し合う場を設けることが第一歩です。
STEP2:費用負担を具体的に決める
祭祀承継者は一人でも、お墓の維持にかかる費用は、兄弟姉妹で分担することが可能です。
年間管理料、法要のお布施、将来の修繕費などを誰がどう負担するのかを具体的に決め、簡単なものでも良いので書面に残しておくと、後のトラブルを防げます。
STEP3:「墓じまい」も選択肢に入れる
話し合いの結果、誰も現実的に管理できない、将来的に無縁仏になってしまう可能性が高い、という結論に至った場合は、「墓じまい」をタブー視せず、前向きな選択肢として検討しましょう。
4. 誰も継げない…その時考えるべき「墓じまい」という選択
「墓じまい」とは、お墓からご遺骨を取り出し、墓石を撤去・処分して、墓地の敷地を管理者に返還することを言います。
取り出したご遺骨の新たな供養先:
- 永代供養墓:お寺や霊園が、承継者に代わって永続的にご遺骨を管理・供養してくれます。他の方々と一緒に埋葬される「合祀墓」などが一般的です。
- 納骨堂:屋内の施設にご遺骨を安置する方法です。お墓の掃除なども不要で、近年非常に人気があります。
- 樹木葬:墓石の代わりに、樹木や草花をシンボルとするお墓です。
- 手元供養:ご遺骨の一部を小さな骨壷やアクセサリーに入れて、自宅で供養する方法です。
お墓を継ぐ人がいないまま放置し、荒れ果てた無縁仏にしてしまうことこそ、ご先祖様にとって最も悲しいことです。
墓じまいは、未来の世代に負担をかけることなく、ご先祖様をきちんと供養し続けるための、現代的で責任ある解決策なのです。
【まとめ】お墓は「気持ち」と「現実」の問題。親が元気なうちに話し合いを
お墓の継承問題は、ご先祖様を敬う「気持ち」の問題であると同時に、管理と費用という「現実」の問題でもあります。
この両面から、ご家族全員で考えることが大切です。
では、本日のポイントをまとめます。
- お墓を継ぐ「祭祀承継者」は法律上1人だが、それが「長男」であるとは限らない。
- トラブル防止の鍵は、兄弟姉-妹間でのオープンな「話し合い」と、具体的な「費用分担」の取り決め。
- 誰も継承できない場合は、無縁仏にしないためにも「墓じまい」と「永代供養」が有効な選択肢となる。
- 最大の予防策は、親御様が元気なうちに、お墓をどうしたいか、家族で話し合っておくこと。
- 感情的にならず、全員が納得できる着地点を見つけることが、円満な家族関係を維持する秘訣。
私たち葬儀社は、お墓の専門家である石材店や、墓じまいの手続きに詳しい行政書士とも連携し、皆様のお墓に関するお悩みをトータルでサポートいたします。
株式会社大阪セレモニー



