遺骨を自宅で保管し続けるリスクと、合法的な対応策とは?
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
ご自宅に新しく仏壇を迎えた、あるいはお引越しなどで仏壇を移動させた後。
その仏壇を故人様やご先祖様を祀るための、真に意味のある「祈りの場」とするために、大切な儀式があることをご存知でしょうか。
それが「開眼供養(かいげんくよう)」または「入魂式(にゅうこんしき)」「お性根入れ(おしょうねいれ)」などと呼ばれるものです。
(浄土真宗では「御移徙(ごいし)」「入仏慶讃法要(にゅうぶつけいさんほうよう)」などと言い、意味合いが少し異なりますが、ここでは一般的な開眼供養としてお話しします)
仏壇は、単なる「箱」や「家具」ではありません。
開眼供養を行うことで、初めてご本尊様や故人の魂が宿り、日々の供養の対象となると考えられています。
そこで今回は、この「仏壇の開眼供養」について、
- そもそも開眼供養とは何か?その意味と目的
- 必ず行わなければならないのか?
- 行う場合の適切なタイミング
- 準備するものと当日の流れ
- 僧侶へのお布施の目安
- 開眼供養を行わない場合の考え方
【結論】開眼供養は仏壇に魂を入れる大切な儀式。菩提寺があれば相談を、なければ心の持ちようも。
仏壇の開眼供養は、新しく購入したり、修理・移動したりした仏壇やご本尊、お位牌に、僧侶の読経によって魂を迎え入れ、単なる「物」から「信仰の対象」「礼拝の対象」へと変えるための、非常に大切な儀式です。
この儀式を経て初めて、仏壇が本来の役割を果たすと考えられています。
「必ず行わなければならないか」という点については、法律上の義務はありません。
しかし、菩提寺(お付き合いのあるお寺)があり、その教えを大切にされるのであれば、開眼供養を行うのが基本的な考え方となります。
特に、新たにご本尊やお位牌を迎える場合は、行うことが強く推奨されます。
開眼供養を行うタイミングとしては、四十九日法要、一周忌、お盆、お彼岸といった法要と合わせて行うか、あるいはお仏壇を購入して設置した後、なるべく早い時期に行うのが一般的です。
僧侶にお願いし、自宅またはお寺で読経していただきますが、その際にはお布施などの準備が必要です。
もし、特定の菩提寺がない、あるいは様々な事情で開眼供養を行わないという選択をする場合でも、仏壇を故人やご先祖様を偲び、感謝する場として大切に思う気持ちがあれば、それが一番の供養になるという考え方もあります。
ただし、将来的にその仏壇にお寺様が関わる可能性がある場合は、事前に相談しておくことが望ましいでしょう。
それでは、開眼供養の意味、必要性、タイミング、準備などについて、その根拠となる考え方や具体的な内容を、さらに詳しく掘り下げていきましょう。
1. 開眼供養とは? その意味と目的
「開眼(かいげん)」とは、文字通り「眼を開く」という意味です。
仏像の最後に眼を描き入れることで魂が宿るとされる儀式に由来し、仏壇やご本尊、お位牌に対しても、この言葉が用いられます。
魂入れの儀式:新しく購入した仏壇や、中に安置するご本尊(仏像や掛け軸)、故人のお位牌は、開眼供養を行うまでは、まだ魂の入っていない単なる「物」と考えられます。開眼供養の読経によって、それらに仏様や故人の魂が宿り、初めて礼拝の対象となるとされています。
祈りの場を清める:新しい仏壇を清め、聖なる空間として整える意味合いもあります。
仏様との縁を結ぶ:ご本尊をお迎えし、仏様とのご縁を結び、これからの信仰生活の始まりを告げる儀式でもあります。
2. 開眼供養は必ず行わなければならない?
前述の通り、法律で義務付けられているわけではありません。
しかし、仏教の多くの宗派では、仏壇やご本尊、お位牌を新しく迎えた際には、開眼供養を行うことが推奨されています。
菩提寺がある場合:代々お付き合いのある菩提寺がある場合は、そのお寺の住職に開眼供養をお願いするのが一般的です。菩提寺の考え方によっては、開眼供養を行わないと、その後の法要などを受け付けてもらえない可能性も考えられます。まずは住職に相談しましょう。
特定の宗派に属していても菩提寺がない場合:同じ宗派のお寺に依頼するか、葬儀社などに相談して僧侶を紹介してもらうことも可能です。
無宗教、あるいは宗教にこだわらない場合:開眼供養という宗教儀礼を行わないという選択も、もちろんあります。その場合は、仏壇を故人やご先祖様を偲ぶための「祈りのスペース」として、ご自身の気持ちで大切にされると良いでしょう。
浄土真宗の場合:浄土真宗では、仏壇やご本尊に魂を入れるという「開眼」の考え方はありません。阿弥陀如来をお迎えし、仏法に触れる場として仏壇を設けるという意味合いから、「御移徙(ごいし)」や「入仏慶讃法要(にゅうぶつけいさんほうよう)」といった慶びの法要を営むのが一般的です。
3. 開眼供養を行う適切なタイミング
開眼供養を行うタイミングに厳密な決まりはありませんが、一般的には以下のような時期に行われることが多いです。
四十九日法要と合わせて:忌明けの重要な法要と同時に、白木位牌から本位牌へ魂を移し、仏壇も開眼供養するというケースは非常に多いです。親族も集まりやすいため、合理的です。
一周忌、三回忌などの年忌法要と合わせて:四十九日に間に合わなかった場合や、お墓への納骨と合わせて行う場合など。
お盆やお彼岸:ご先祖様をお迎えするこれらの時期に、仏壇を整え開眼供養を行うのも良いタイミングです。
仏壇を購入・設置した後、なるべく早い吉日:特に決まった法要の予定がなくても、仏壇を迎えたらできるだけ早く魂入れをして、日々の供養を始めたいと考える場合。
家の新築・リフォーム時:新しい家に仏壇を設置する、あるいはリフォームで仏壇を移動・新調するタイミング。
どのタイミングが良いかは、ご家庭の事情や僧侶の都合などを考慮して決めましょう。
4. 開眼供養の準備:何を用意すればいい?
開眼供養をお願いする場合、事前に以下の準備をします。
僧侶への依頼と日程調整:まず、お付き合いのあるお寺の僧侶に連絡を取り、開眼供養をお願いしたい旨を伝え、日程を調整します。
仏壇・仏具の準備と設置:仏壇本体はもちろん、ご本尊、お位牌、そして三具足(香炉、花立、燭台)やおりんといった基本的な仏具を揃え、仏壇内に適切に配置しておきます。(飾り方は宗派によって異なりますので、事前に確認しましょう)
お供え物:
①お花(仏花):一対用意します。
②ロウソク、お線香
③お米(仏飯)、お水またはお茶
④お菓子、果物など(赤飯やお餅を供える地域・宗派もあります)
お布施の準備:僧侶へのお礼としてお布施を用意します。
参列者への連絡:家族や親族にも参列してもらう場合は、日程を連絡します。
会食の手配:法要後に会食を行う場合は、その手配もします。
5. 開眼供養当日の流れ(一般的な例)
- 僧侶の到着・準備
- 開眼供養の法要開始(読経)
- 参列者による焼香
- 僧侶による法話
- 法要終了・僧侶退席
- 会食
儀式の時間は、通常30分~1時間程度です。
6. 僧侶へのお布施の目安
開眼供養のお布施の金額は、地域やお寺、宗派によって異なりますが、一般的な目安としては以下の通りです。
開眼供養のみの場合:1万円~5万円程度
四十九日法要などと同時に行う場合:その法要のお布施に、開眼供養のお礼として少し上乗せする(または同額程度を別封筒で)ことが多いです。総額で3万円~10万円程度になることも。
御車代:僧侶にお越しいただく場合、お布施とは別に5千円~1万円程度の御車代を用意します。
御膳料:法要後の会食に僧侶が同席されない場合、お布施とは別に5千円~1万円程度の御膳料を用意します。
金額に迷う場合は、直接お寺に「皆様、おいくらくらいお包みされていますでしょうか」と尋ねるか、葬儀社に相談するのが良いでしょう。
お布施は、白い無地の封筒に入れ、表書きは「御布施」または「開眼供養御礼」などとします。
7. 開眼供養を行わない場合の考え方
様々な事情で開眼供養を行わない、あるいは行えないという選択をする場合もあるでしょう。
その場合でも、
- 仏壇を故人やご先祖様を偲ぶ大切な場所として敬う気持ち。
- 日々、感謝の気持ちを込めて手を合わせる。
- お花やお水、好きだったものなどを供える。
といった、心のこもった供養を続けることが何よりも大切です。
ただし、将来的にその仏壇にお寺様が関わる可能性(例えば、法事をお願いする、お寺の墓地に納骨するなど)があるのであれば、一度お寺に相談しておく方が、後々のトラブルを避けられるかもしれません。
8. 古い仏壇を処分する場合の「閉眼供養」
逆に、古い仏壇を買い替えたり、処分したりする場合には、「閉眼供養(へいがんくよう)」または「魂抜き(たましいぬき)」「お性根抜き(おしょうねぬき)」といった、仏壇に宿った魂を抜くための儀式を行うのが一般的です。
これも僧侶にお願いし、お布施が必要になります。
閉眼供養をせずに仏壇を処分することは、宗教的にはあまり望ましいことではありません。
仏壇は、日々の生活の中で故人やご先祖様との繋がりを感じさせてくれる、かけがえのない場所です。
開眼供養を行うかどうかも含め、ご家族でよく話し合い、皆様にとって心安らぐ祈りの空間を作ってくださいね。
仏壇の選び方から開眼供養、その後の供養の仕方まで、私たち株式会社大阪セレモニーでは、お客様の疑問やご不安に寄り添い、丁寧なアドバイスとサポートをさせていただきます。
どんな些細なことでも、どうぞお気軽にご相談ください。
株式会社大阪セレモニー




