訃報連絡に家族葬の案内。参列すべきかどうかの判断基準
家族葬は、故人と関係の深い近親者のみで、費用も手間もかけずに行いたいという、故人や遺族の意向が反映された葬儀の形です。
一般の葬儀では、参列者の範囲を限らないため、故人との係わりが深い人から浅い人までたくさんの人が訪れて、遺族は参列者の挨拶に追われる上、香典、供花、弔電もそれなりの数を受け取ることになります。
最近では、一般葬のように家族の臨終から間もないうちに慌ただしく葬儀を執り行うのではゆっくり故人を偲ぶことができないと考える方が増え、家族葬を選択するケースも多くなっています。
今回は、家族葬に参列するときのマナーと家族葬を行う遺族側の対応について改めてまとめてみたいと思います。
香典をどうするか
家族葬は遺族側が香典を辞退することが多く、ほとんどの場合、訃報連絡にもその旨記載されています。
なぜなら、香典を受け取るとその返礼をしなければならないからです。
参列者にしてみれば、お葬式にはお金がかかるので、いくばくかの援助をしたいという思いから香典を包むのですが、
慣例上、その厚意に対してお返しをすることになります。
何かを贈られたら必ずお返しをする、
というのは日本の昔からの美しい習慣ですが、
葬儀に限っては、家族を亡くして心身ともにダメージを受けている遺族にとって負担となってしまいます。
したがって、
家族葬に参列することになった場合、香典を遠慮される方が多いのです。
遺族の側でも、香典の辞退をあらかじめ訃報連絡のときに伝えておくようにしましょう。
なお、家族葬だから香典は要らないということではないので、遺族側で香典を受け付けているようであれば、辞退をする必要はありません。
参列者が迷わないように、香典を受ける受けないの意思をはっきりさせておきましょう。
供花をどうするか
家族葬においては、香典同様、供花も辞退されるケースが多いようです。
その理由も、香典と同じように、返礼等の気づかいが要らないようにとのことです。
ただ、参列が叶わない代わりにどうしてもという場合は、遺族に連絡して返礼不要の旨を伝えて送るようにしましょう。
家族葬の参列は、基本的には遺族側が参列を求めた方になります。
ほぼ、故人の家族や親族ですが、故人との関わりの深い友人や知人にも参列をお願いする場合があります。
20人以内で行うことが多く、故人と縁ある方々の中に参列をしたくても声がかからないという方々も出てきます。
家族葬では、参列していただく方々の範囲を決めるため、それ以外の方々には葬儀後に訃報連絡をするケースが多いようです。
事前では、訃報連絡を受け取った多くの方が参列を希望されることもあるので、訃報連絡が事後となったことを詫びる内容で通知をします。
訃報連絡を受け取って、それが家族葬である場合、基本的に遺族から参列の要請があったときは参列し、それ以外は参列を遠慮します。
事後の連絡であっても弔意を示したい場合は、電話や手紙などで遺族に連絡をしましょう。
遺族の側は、要請した方々以外に参列に来た方、事後に自宅に訪問を希望される方に対しては、その弔意をありがたく受けて、失礼のないように対応をしましょう。
弔電をどうするか
香典や供花と異なり、弔電は返礼が必要なものではないため、特に辞退の意を伝えられることはありません。訃報連絡に会場の案内がないときは遺族に弔電を送りたい旨を伝えて葬儀の場所と日時を尋ねましょう。
弔電を送る上で大切なのは、通夜や告別式当日の式の時間までに必ず届くように手配することです。送り先は、葬儀の行われる自宅や葬儀式場で、あて名は喪主になります。葬儀式場で行われる場合は「〇〇式場気付 〇〇(喪主名)様」とします。
弔電は、NTTや郵便局で申し込むことができます。葬儀の前日までに手続きを済ませておきましょう。文面は、各申し込み先で定型文が用意されていますが、仏式の葬儀でない場合は注意が必要です。「ご冥福をお祈りします」の「冥福」は、仏教の考え方に基づく用語なので、仏式以外で行われる葬儀には使わずにほかの言葉で言い換えなければいけません。どの宗教で葬儀が行われるかも、できる限り確認しておきましょう。
ただし、弔電は送っても送らなくても失礼にあたらないものなので、遺族側や送る側で煩わしさがあるのであれば、無理に送る必要はありません。弔電を受け取った遺族は、後日お礼状を送りますが、親しい間柄のときは電話でひとことお礼を述べるだけでも構わないでしょう。
参列者の人数を20人程度に抑える家族葬においては、参列できなかった親族や親しい友人知人が後日、自宅に弔問に訪れることを想定しておかなければいけません。
「お線香だけでも上げさせて」と申し出る方々に対しては、ありがたく弔意を受けるようにしましょう。香典や供物を持参されるケースもあるかと思いますので、返礼品の用意なども必要です。弔問される方は、遺族に負担のかからないよう長居をしないように心がけましょう。
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