家族葬の四十九日法要について。香典は必要?
家族葬の「家族」とはどこまでの範囲の人たちのことをいうのでしょう。基本的には、故人の親、配偶者、子、孫、兄弟姉妹になります。故人が高齢者の場合は、孫の配偶者、おい、めいまで広がることになるでしょう。
故人の家族環境は、兄弟姉妹の数、配偶者の有無、子の有無などでかなり変わってきます。女性の生涯出産数が平均で2人を切っている現代においては、今後、親族の数はさらに減っていく傾向にあります。「家族」の定義も変わっていくことでしょう。
今回は、環境によって多様で、定義のあいまいな「家族の範囲」を考えながら、家族葬をとり行う際に見合った参列者の範囲の決め方と、案内の有無でトラブルにならないようにする対処方法をご紹介します。
一般的な葬儀の参列者
一般的な葬儀では、親族をはじめ、生前故人と親交あった方々からご近所の方々まで、つきあいの深い浅い関係なく訃報連絡を行い、連絡を受けた人から訃報を伝え聞いた人まで参列する場合もあります。
故人が現役で仕事や社会活動をしていた場合は、会社や所属団体関連の参列者も見込まれます。サークルや趣味の会を主宰していたり、参加していたりする場合もまた、参列する人数が多くなります。
親族は、おじ、おば、いとこ、おい、めい、及びその家族も考えられます。さらに、姻戚関係の配偶者の家族、子の配偶者の家族なども親戚として参列者の数に入ってきます。
一般の葬儀では、故人と関わりがあったからというより、儀礼的な意味合いで参列する人が多くなります。人数の把握が難しいながら、失礼のないように会食や粗供養品を多めに用意することになります。
遺族は参列者の応対に追われてゆっくり悲しむ暇もなくなります。葬儀の忙しさで家族を失った悲しみが紛れるので、それはそれで意味のあることだとする向きもありますが、
流れ作業のように葬儀が進行していくことに疑問を抱かれるような風潮になってきました。
家族葬の参列者の範囲に明確な決まりは無いが
家族葬は、一般葬のようなやや儀礼的で参列者が多く相応にお金のかかる葬儀ではなく、故人とのお別れを親しい者だけでしんみり行いたいという希望を叶えるための葬儀です。参列者は、ごく親しい身内だけ通常20人程度で行います。
一般的になったとはいえ、新しい葬儀の形なので「家族葬」への理解が不足しているところもあります。訃報連絡をするときは、家族葬にした理由を遺族の気持ちとともにお伝えした上で、参列いただかない方々にはきちんと「ごく身内だけの家族葬にて、ご会葬は辞退申し上げます」などとお断りの文言を入れましょう。
ただ、訃報連絡を受ければ、何かしらのことをしたいと願う方も多いかと思います。連絡しておいて参列を拒否するのも人によっては角が立ちますので、葬儀が済んだあとで事後報告をすることも多くなりました。その際には、「葬儀は近親者のみで済ませたこと」「臨終後すぐに知らせなかったことへのお詫びの言葉」を書面にて伝えて、理解を求めるようにしましょう。
参列者を明確に決めておかないとトラブルのもとに
友人知人には「家族葬」の旨を伝えれば、参列は遠慮すべきだとすんなり受け入れてくれるものですが、こと親族となるとそうもいきません。故人とはあまり親交がなかった方でも、冠婚葬祭の礼儀は欠かさないという方もいらっしゃるかと思います。家族葬に参列者できる親族はこの範囲、という決まりはありませんので、遺族の側で線引きをする必要があります。
参列者を決めたら、参列いただかない方々の対応をしっかりしておかないと後々トラブルに発展してしまいます。前もって電話などで家族葬にした旨を伝えて、会葬の辞退を申し出た方がいいでしょう。
故人の友人知人には事後報告でも理解を得られると思いますが、親族の方々には事前の対応が大切です。書面を送って終わりにせず、必ず口頭で伝えることが肝心です。
ただし、どうしてもと参列に訪れる人に対しては、追い返すことはできません。弔意をありがたく受け取り礼を尽くしましょう。香典や供花も、いったん固辞はするものの、これもまた「どうしても」という方がいらっしゃる場合があるので、いくつか返礼品の用意をし、事後改めてお返しをしましょう。
トラブルを避けるために、できれば、生前に参列者のリストアップをしておきましょう。故人の遺志が最も大切にされるべきです。
どのような人たちに送ってもらいたいか、家族は、日頃からさりげなく聞き出しておくといいでしょう。親戚付き合いが少なくなった子世代にとって、親族にはどんな人がいるのか、訃報は誰に連絡すればいいのか、意外に知らなかったりしますので、そういう意味でも、ある程度の年齢になった親からあらかじめ参列者の名前と連絡先は確認しておくことが必要です。
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