居酒屋のお母さんのお葬儀を家族葬で出来た4個の秘訣
最近は、家族の人数が少なく、親戚との縁も薄いことからごく近しい人たち数人で葬儀を行う家族葬が増えています。通常の葬儀では、お通夜を済ませたあと、告別式を執り行いお見送りをする、といった流れになりますが、通夜をしないという事もあります、しかし通夜と告別式を一緒にという意味ではありません。
通常の葬儀と比べて儀礼的な部分を省略するので、故人や故人の家族と縁のあるお客様をできる限りお迎えして、きちんとおもてなしをするというスタイルからは外れてしまいます。
普段あまりお付き合いのない遠い親類や故人の古い友人などは参列のお声がけをせずに、葬儀後にご報告だけすればいいと思いがちです。しかし、後々やっかいなトラブルに発展する可能性があります。
家族葬でよくあるトラブル
家族葬は気心の知れた近親者のみで行うことで、参列者への気づかいから解放されて、しみじみと故人を偲ぶことのできる葬儀です。家族や親しい親類も少なく、故人が高齢で友人知人も少なくなったというケースが増えてきている中、自然と家族葬を希望される方が多くなってきました。
しかし、縁が薄いと思っていた人たちの中には、遺族の方々が知りえない故人への想いをお持ちの方もいらっしゃいます。故人が生前、年賀状のやり取りしていた方々に後の喪中のご報告などを出された後、そういった故人に想いのある方々が、わざわざ自宅までお線香を上げに来られることがあります。
一人二人であれば、弔問のお気持ちをありがたく受け止めることもできますが、五月雨式に何人もお見えになると、葬儀後にホッとする間もなくお客様対応に追われて大変です。何の連絡もなく来られたり、何時間もお相手をしなければならなかったり負担も多く、家族内でのトラブルにもなりかねません。
また、あまり付き合いがないというので葬儀に呼ばなかった親類が、義理を欠いたとクレームをつけてくるケースもあります。さらに、よくよく調べたら故人の親戚一族に菩提寺があり、代々葬儀はそこでと決まっていた場合もあります。
納骨だけ菩提寺のお墓にと考えていたら、お寺で葬儀をしなければいけなかったことがわかったりすることもあります。こじれると親類からお寺までを相手にトラブルを抱える事態になります。
事前に対策を講じなければ、こぢんまりと済ませたかった家族葬も、葬儀の後に起ったトラブルを解決するために、葬儀にかかったお金、時間、労力の何倍もかけることになりかねません。
トラブルの予防策
家族葬を、トラブルを抱えることなく行うためには、故人の人間関係を把握し、親戚筋には葬儀の前に話し合っておくことが大切です。故人の遺志で「家族以外に知らせる必要はない」と言われていても、人によって「家族」の線引きが難しい場合があります。
できれば、参列する人を事前に決めておき、お声がけしない方々には、故人の遺志であることを伝えた上で、納得しいていただける方法を考えておきましょう。予想以上に参列希望者が多い場合は、葬儀は家族葬で行い、日を改めてお別れの会を開くことも解決策のひとつです。
菩提寺がある場合は、家族葬にできるかどうかを確認する必要があるでしょう。仏式なのか、キリスト教式なのか他の宗教なのか、仏式ならば宗派はどこなのか、普段は宗教と無縁の生活をしていても、故人がどのような宗教と縁があったかは、把握しておいた方がいいでしょう。「よくわからないから無宗教にしておけば問題ない」というものではありません。
トラブル防止には周りの方々への配慮が大事
そもそもトラブルのもとになるのは、人間関係に由来するものがほとんどです。葬儀を行うとなると、それまで疎遠だった人にも、連絡をとらなければならなくなります。いきなり初めて会う親戚が現れたりすることもあるかもしれません。
たとえ、故人が生前に家族とよく話し合って家族葬に決めたとしても、儀礼的なことに厳しい親族のキーパーソンの意見を無視することはできません。家族葬を断念せざるを得ないケースも考える必要があるかもしれません。臨終後、できるだけ速やかに訃報を伝えて、礼儀を欠かないように気を配りましょう。
故人と家族の意向がどこまで受け入れられ、家族葬を無事に終えることができるのか否かは、周りの人たちに配慮した下準備がどれだけできるかにかかっています。
もしかしたら、それは初めに思い描いていた葬儀の姿とは若干形が変わってしまうかも知れません。香典を持ってくる人がいるかもしれません、家族だけで行うからと会葬をお断りしたのに大勢の方が訪れることもあるかもしれません。
その際は、相応の香典返しや接待のお料理の用意もある程度必要になります。いろいろと想定して、できうる限りの用意をする方向で調整しましょう。
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