葬儀における喪主の挨拶、家族葬では不要というメリットも!
自分の葬儀は「家族に迷惑をかけないようにお金のかからない」「こぢんまりとしたものにしたい」というご希望をお持ちの方が多くなっています。家族の側も、参列者に気をつかわずに故人を偲ぶ会にしたいと思われています。このようなことから「家族葬」の需要が増えているのです。
家族葬とは
「家族葬」というのは、家族や親族を中心とした少人数の葬儀です。参列者が親しい身内だけで行う規模である以外は、一般の葬儀とさほど変わったことをするわけではありません。
故人と親しかった人だけが集まっているので、故人の趣味のコレクションを飾ったり、有志の演奏会を行ったりと、故人と家族の希望を叶えることができます。当社の家族葬ホールでは、20名ほどが集えるスペースで、ご参列の方々によって料理や飲み物を持ち込むこともできます。
無宗教であれば自由な形式でお送りすることもできますし、仏式でお寺さんに来てもらいお経を上げてもらうことも、神主様をお呼びして神式でのお葬儀も可能です。故人の遺志で香典を受け取らないことも、参列者の志として受け取ることもどちらでも場合によって決められます。少人数だからこそ故人と家族の一番いい形の葬儀を行えるともいえます。
家族葬が行われる背景
今どきは、お盆やお正月さえ、昔のように親類縁者が集まって宴会などということが少なくなりました。ご近所の方々とも滅多に顔を会わせる機会がなく、どんな人たちが周りに住んでいるかさえ知らないという人も多いようです。
このように血縁、地縁が希薄になって、さらに少子化でお墓の存続も危ういご時世となっています。
葬儀もまた地縁・血縁の希薄さや少子化の影響を受けています。
家族や親戚以外の参列する人があまりいないために参列者の数が減って葬儀の規模が縮小傾向にあります。葬儀を行う側である子供の数が少なくなり、負担が重くなっていることから、要らぬ手間や金銭的な負担をかけたくないということで、生前に家族葬を希望される方が多いようです。
さらに、高齢化の影響で、故人の関係者の中に義理で声かけしなければいけないような人もおらず、知人友人の数も少なくなっているため、自然に参列者の数が限られてきます。
お見送りする側も、親しい身内だけで故人の思い出など語り合って送りたいという希望から、参列者の人数を抑える傾向にあります。
価値観が多様化している現代においては、従来の葬儀の形式にこだわる人が少なくなって、故人の遺志や家族の事情などさまざまな理由で、葬儀もまた自由に選択されています。
家族葬が増えている理由は高齢化社会が一因
家族葬のメリット、デメリット
親しい身内だけの葬儀は、参列者に気をつかうこともなく、心身の負担が軽く済むメリットがあります。
ところが、故人の人付き合いにもよりますが、葬儀のお知らせをするべき人の人選を誤ると、後々、人づてに訃報を知った知人の方々から「なぜ知らせてくれなかったのか」などと連絡が来たり、お線香をあげさせて欲しいと訪ねて来られたりする場合があります。
また「家族だけでこぢんまりと済ませたい」と思っても、故人が家族の知らない人間関係の中で長年過ごされた場合、家族の思いだけで割り切ることはできません。
家族葬を行うことになった後で、訃報を伝え聞いた友人知人が参列を申し出た場合、お断りすることもできませんので、結局、相応のおもてなしをしなければならず、香典をいただいたらお返しも考えなければなりません。
金銭面でも、少人数だからといって小額で済まないこともあります。どこからどこまでがセット料金かを確かめないと、一般の葬儀と変わらない金額になる場合も考えられます。
デメリットを払拭する方法
家族葬を少人数、小額で思い通りの葬儀にするためには、
(1)本人は生前に、葬儀に参列者してもらいたい人の名簿をつくっておく
(2)家族は、葬儀に呼ばない人には会葬を辞退する旨を事前に伝える
(3)葬儀社に「家族葬」の内容を確認する
以上のことに気をつけて、故人や家族にとって納得できる葬儀にすることが大切です。
そして、地縁・血縁が希薄な社会になったといっても、人によっては儀礼的なことを大切に思われている方もいらっしゃるので、故人の人間関係にも気を配ることが必要です。
こうしたことは、普段からの家族間のコミュニケーションにかかっています。遠くに住む高齢の家族や親族とは、どうしても疎遠になりがちですが、いざというときに、故人の葬儀の希望や参列してほしい人たちのことが何もわからないというのは問題です。
家族としてはなかなか言い出し難いことではありますが、葬儀について事前にいろいろ細かく決めておくことが大切です。
家族の年齢にもよりますが、かえってお互いに安心して生活できるのではないでしょうか。その際、家族葬も選択肢に入れていただければと存じます。
次の家族葬のコラムはこちら→家族葬を行う流れと手順