その行動、故人に失礼かも!? 参列者が気をつけたい葬儀マナー

お葬式に参列したあと、会葬礼状や供養品に添えられている小さな袋の『お清め塩』。家に入る前に、意識して使っていますか。使う方もいれば、そのまま捨ててしまう方もいて、迷いやすいところです。結論から申し上げると、清め塩を使うかどうかに、全員共通の正解はありません。宗旨や地域の習わし、ご家庭の考え方で決めて差し支えないものです。
私は大阪市旭区・千林で二十年ほど葬儀の現場に立ってきました。千林、森小路、関目高殿のお客様からも「塩は使うべきか」と、毎年のように尋ねられます。この記事では、清め塩の由来、宗派による考え方の違い、使い方と注意点を、できるだけ分かりやすく整理します。
- 清め塩の由来は神道、仏教本来の教えではない
- 浄土真宗をはじめ、清め塩を用いない宗派もある
- 使う・使わないは宗旨や地域の習慣で判断してよい
- 会館には予備があり、必要なときはスタッフに相談できる
結論:清め塩は「死の穢れを清める」神道由来の習わし
清め塩は、死を「穢れ」ととらえ、その穢れを塩の力で清めるという考えから生まれました。この発想のおおもとは仏教ではなく、神道の信仰にあります。相撲で取組の前に土俴へ塩をまく所作や、地鎮祭で盛り塩をする作法も、同じ流れにあるものです。
昔から日本では、死は身近な人へ「伝染する」ように恐れられ、塩にその穢れを祓う力があると信じられてきました。葬儀場や火葬場には多くの故人様が集まるため、その場の気を家に持ち込まないように、玄関先で身を清めてから入る。そうした習慣が各地に根づいていきました。この「死=穢れ」という感覚は、喪に服す期間の考え方とも深く結びついています。喪中の意味については、喪中とは何かでも整理しています。
清め塩を渡さない葬儀社が増えた理由
近頃は「葬儀社が塩を渡さなくなった」という声をよく聞きます。これには、はっきりした背景があります。仏教のなかでも信者数の多い浄土真宗が清め塩に異を唱え、その考えに賛同する宗派が広がったためです。
浄土真宗では、亡くなった方は誰もが等しく浄土へ往生すると考えます。生前に親しくしていた方が、亡くなった途端に「穢れたもの」になるという見方は、この教えと噛み合いません。仏教本来の立場では、死を穢れとはとらえない、という理解です。
一方で、神道や地域の慣習を大切にするご家庭では、今も清め塩を用います。どちらが正しい・間違いということではなく、拠って立つ信仰や地域性の違いです。宗派ごとの考え方の違いは、戒名や位牌の授け方にも表れます。あわせて知っておきたい方は、戒名と位牌の意味も参考になります。清め塩そのものをさらに詳しく知りたい方は、葬儀の清め塩は必要?浄土真宗では不要?で宗派別の扱いと使い方をまとめています。
お葬式の変化とともに移りゆく清め塩
日本のお葬式の文化や習慣は、時代とともに変わり続けています。かつて会葬礼状は、葬儀・告別式を終えたあとに郵送するものでした。それが、礼状に塩を添えて参列者へ当日お渡しする形へ移り、さらに家族葬や直葬が広がるなかで、会葬礼状そのものを用意しない葬儀も増えています。会葬礼状の役割や家族葬での扱いについては、会葬礼状とはで詳しく解説しています。
由来をたどると、塩で清める習わしは神道、位牌をまつる作法は儒教、戒名を授ける文化は仏教と、それぞれ源流が異なります。清め塩が必要か不要かは、こうした背景を踏まえたうえで、ご自身の宗旨やお住まいの地域の考え方で決めていただいて構いません。
ひとつ注意したいのが、清め塩は「非食品」だという点です。常にサラサラの状態を保ち、衣服にかけても汚れないよう乾燥剤が加えられている場合があります。袋の裏にも明記されていますので、調味料と取り違えて口に入れないようにしてください。小さなお子さんがいるご家庭では、お菓子や調味料と間違えやすいため、届いたら早めに保管場所を決めておくと安心です。
清め塩を使うときの実務的な整理
迷ったときは、次の順序で考えると判断しやすくなります。
- ご家庭や故人様の宗旨を確認する
- 浄土真宗など用いない宗派であれば無理に使わない
- 地域や親族の習慣に合わせて用いるかを決める
- 使う場合は玄関先で胸・背中・足元に軽くふる
使う場合の作法に、厳密な決まりはありません。玄関に入る前に、胸元、背中、足元の順で軽くひとつまみずつふりかけ、手で払い落とすのが一般的です。ご自宅に戻られた方が、玄関先でお互いにかけ合う地域もあります。旭区や城東区のご家庭でも、同じ大阪市内で家ごと・地域ごとに作法が少しずつ異なるのが実情です。迷ったときは、ご親族のなかで年長の方や、菩提寺に確認しておくと安心できます。
塩が手元にない、足りないという場合もご安心ください。葬儀会館には予備のお清め塩を用意しています。帰り際に必要であれば、遠慮なくスタッフへお声がけいただければお渡しできます。反対に「宗旨の考えから使わないと決めている」という方へ、無理にお渡しすることもありません。ご家族のお考えを、そのまま尊重します。
清め塩を含め、葬儀の形式や作法は、ご家族の価値観に沿って選べる時代になりました。どのような形がご自分たちに合うのか迷われる段階では、家族葬を選ぶ前にもあわせてご覧ください。
まとめ
- 清め塩の由来は神道、仏教本来の教えではない
- 浄土真宗など、清め塩を用いない宗派もある
- 使う・使わないは宗旨や地域の習慣で決めてよい
- 清め塩は非食品、口に入れない
- 塩が必要なときは会館スタッフへ相談
清め塩は「必ず使うもの」でも「使ってはいけないもの」でもありません。大切なのは、故人様を悼むお気持ちと、ご家族が納得して送り出せることです。大阪セレモニーでは、宗旨や地域の習わしに合わせたご葬儀のご相談を承っています。清め塩の扱いや作法でご不安があれば、どうぞお気軽にお尋ねください。
株式会社大阪セレモニー


