経営の覚悟 「不敗の右腕」と共に刻む、一人ひとりが主役となる【価値創造の航海術】~現場の不思議や疑問を利益に変え、店長が自走組織を創り上げる12ヶ月の全記録~

「相談したいことを相談できる信頼関係があると思います。」 厳しい指摘から始まった連載ですが、実はこのプロジェクト、ただ店長を叱り飛ばすものではありません。 本当の「強さ」は、安心できる信頼関係の中からしか生まれないのです。 第4回は、店長とコーチである私が、いかにして「本音で向き合うパートナー」になれたのか、その過程をお話しします。
「お疲れ様です。本日は長々と身の上話、本当に申し訳ございませんでした! でも、お話し聞いてもらって少し自分の中で気持ちの整理がつきました。ありがとうございました!!」ある日、定例ミーティングの後に、店長からLINEが届きました。 私のコーチングでは、数値の管理や行動のチェックだけではなく、責任者の方の悩みや抱えている葛藤を自然と言える雰囲気を大切にしています。 それは、彼らが抱えている「感情のブレーキ」が、店舗経営における「行動のブレーキ」になっていることが多いからです。私はあえて、このLINEの真意を直接尋ねてみました。 「このメッセージをくれた、君と私の関係はどういう関係だと思う?」店長は少し考えてから、こう答えました。 「相談したいことを相談できる信頼関係があると思います。」大当たりです。 多くのリーダーは、孤独です。上の立場からは数値を求められ、下からは不満をぶつけられる。 そんな中で、自分の本音を吐き出せる場所がないと、心が折れてしまいます。 私は彼にこう伝えました。「私たちは、通じ合っている。今日のミーティングで、話し合ったことが君のストレス解消につながった。君が私を信頼しているから、ついつい本音が出てしまったんだ。私は、それを受け取って、さらに高みを目指す対策などについて一緒に考えて取り組んでいく。それが私の仕事だ。」こういった強固な信頼関係があってこそ、目標達成に向けてプロジェクトを一緒に推進できます。 ただ単に作業の指示を出すのではなく、心と心を繋ぐ。 私は今日ミーティングをした別の責任者にも、こんな信頼関係をベースにプロジェクトに取り組んでいきたいと伝えました。
【信頼と指導のバランス】信頼関係を築くことは「馴れ合い」ではありません。 前回のように、やるべきことをやっていない時は厳しく叱責する。しかし、その根底には「この人を成長させたい」という愛がある。 そのバランスが取れた時、店長は初めて「言いにくいこと」をコーチである私に相談し、自分一人では見つけられなかった「限界突破の糸口」を見つけることができるのです。信頼は、一日にしてならず。 しかし、この本音の対話が、確実に店舗を変える大きなうねりを作っていきます。
【コーチの視点】リーダーが「弱み」を見せられる場を持つことは、恥ではありません。むしろ、最強の組織を作るための戦略です。 信頼し合えるパートナーがいることで、リーダーは安心して「挑戦」というリスクを取ることができるのです。 あなたの周りに、本音で話せる人はいますか?
第5回は、「面倒くさい」を越えた先にチームワークがあるです。



