執筆本「壁を超える経営 企業の成長を止めない「現場発」の突破戦略~現場と組織を動かす「最強の右腕コンサル」が提供するリアルなノウハウ」を出版しました!
目次
なぜ今「組織力強化」が求められるのか
近年、経営環境の変化はますます加速しています。少子高齢化や人材の流動化、価値観の多様化、さらにはAIやDXの進展といった外部要因は、企業経営に大きな影響を与えています。こうした変化の中で持続的な成長を実現するためには、単なる売上や利益の最大化ではなく、「人と組織の力を最大限に発揮させる経営」が不可欠です。
かつては「人材はコスト」と見なされることもありました。しかし、今日では人材を資産として捉え、その成長と活躍を企業価値の源泉と位置付ける「人的資本経営」が国際的にも注目されています。日本企業においても、2023年度から有価証券報告書での人的資本情報開示が義務化されるなど、その重要性は急速に高まっています。
一方で、制度導入や数値開示だけでは真の変革は生まれません。経営者が人材戦略を経営戦略の中核に据え、社員一人ひとりが自律的に力を発揮できる「組織風土」をつくることが不可欠です。まさに今、企業が直面している課題は「組織力の強化」に集約されているのです。
組織力強化の本質とアプローチ
「組織活性化」とは、単なるモチベーション向上施策やイベント的な取り組みを意味するものではありません。社員が組織の方向性を理解し、自らの役割に納得して行動できる状態をつくり出し、チームとして成果を最大化していくプロセスそのものを指します。
その実現のためには、以下の3つの視点が欠かせません。
理念とビジョンの共有
組織の存在意義や未来像が曖昧なままでは、社員は自らの仕事を「単なる業務」としか捉えられません。理念を共有し、全員が「何のために働くのか」を理解することで、組織への帰属意識と貢献意欲が高まります。
コミュニケーションと関係性の質向上
組織を活性化させる最大の鍵は、日常的なコミュニケーションです。部署間の壁や上下関係に縛られない「対話の文化」を醸成することで、相互理解が深まり、協働が自然に生まれます。
自律と挑戦を促す仕組みづくり
指示待ちや保守的な姿勢では変化に対応できません。社員が自ら課題を見つけ、挑戦できるような評価制度やキャリア支援を整えることが、持続的な成長につながります。
組織活性化コンサルティングでは、現状把握(ES調査や組織診断)を起点に、課題を明確化し、制度設計・研修・プロジェクト支援などを通じて「人と組織が変わる仕組み」を組み込んでいきます。
人的資本経営がもたらす新たな価値
人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その投資と成果を可視化することで、企業の持続的成長を実現する考え方です。これは単なる「人件費管理」とはまったく異なり、以下の3つの価値をもたらします。
企業価値の向上
投資家や取引先は、企業の財務数値だけでなく「どのように人材を育成・活用しているか」に注目しています。人的資本の開示は、企業の信頼性やブランド価値を高め、中長期的な投資を呼び込みます。
社員エンゲージメントの向上
人的資本経営では、社員を単なる労働力ではなくパートナーと位置づけます。キャリア形成やスキル開発を重視する姿勢は、社員の働きがいを高め、定着率や生産性の向上に直結します。
経営戦略との一体化
人材戦略を経営戦略と切り離すのではなく、「どの人材がどの事業成長に寄与するのか」を明確にします。これにより、戦略実行力が高まり、変化に強い組織を築けます。
当社では、人的資本経営を実効性ある形で定着させるために、現状調査からKPI設計、開示支援、教育・研修までを一貫してサポートしています。
実践のステップと成功の条件
組織力強化を実現するためには、次の6つのステップを踏むことが効果的です。
現状把握
ES調査や従業員インタビューを通じて、組織の課題を定量・定性両面から明らかにする。
経営理念・ビジョンの再確認
経営層と共に理念を再定義し、社員に浸透させるためのメッセージを整理。
人材戦略・制度設計
人材育成方針や評価制度を見直し、自律的成長を促す仕組みを設計。
組織力強化が企業にもたらす未来
研修・ワークショップ実施
リーダー層や全社員を対象に、理念浸透・コミュニケーション改善・スキル強化を行う。
プロジェクト支援・実践活動
部署横断プロジェクトや課題解決チームを立ち上げ、学びを実践につなげる。
効果測定・改善サイクル
定期的に成果を測定し、制度や施策を改善することで、持続的な組織力向上を図る。
成功の条件は「トップのコミットメント」と「現場の主体性」の両立です。経営層が理念と方向性を明確に打ち出しつつ、現場の声を取り入れた双方向型の取り組みとすることが、真の組織変革を生み出します。
組織力強化が企業にもたらす未来
組織が活性化し、人的資本経営が根付いた企業は、以下のような成果を実感できます。
離職率の低下と人材定着
働きがいを感じる社員が増え、優秀な人材が企業に残り続ける。
生産性とイノベーションの向上
部署を超えた協働と挑戦文化が根付き、新しい価値が生まれる。
ブランド力・企業価値の向上
社員の声を重視する企業姿勢は、採用市場や投資家からも高く評価される。
持続的な成長基盤の構築
外部環境の変化に左右されず、自律的に進化できる強靭な経営体質が備わる。
組織力の強化とは、単なる人事施策ではなく、経営の根幹に直結する戦略的テーマです。当社では、企業ごとの状況に合わせてカスタマイズした支援を行い、単発的な施策ではなく「仕組みとして定着する組織変革」を実現します。
未来を切り拓くのは、人であり、組織です。今こそ、自社の人的資本に投資し、持続的な成長を実現する組織力強化に取り組むべき時です。お気軽にご相談ください。経験豊富な専門スタッフが、貴社の変革を伴走支援いたします。
組織力強化事例
【事例】仕組みと運用で変わる組織の自律性
[相談内容]
建築設備工事をするクライアント社長から、社員の定着向上、計画的な成長促進、モチベーションアップを図り、会社の組織力を強化したいと相談を受けました。
元々、この会社では、人事評価制度と目標管理制度を導入して運用をしていました。その導入、運用支援は、私がお手伝いしていました。
ところが、それから10年近く経過して、人事評価をした後、その評価結果のフィードバックをしても、社員の刺激がなくなり、評価されても給料が上がるわけでもなく・・・というモチベーションが停滞する雰囲気になってきました。
そこで、等級制度と等級制度、それと連動した人事評価制度、目標管理制度に改定し、人事評価制度と給与体系を連動した制度構築に取り組むことにしました。
[私たちの取り組み]
等級制度は、社員の社内の立ち位置を明確にして、ステップアップ課題と目標を明確にすること、人事評価制度と目標管理制度は、等級に合わせて、公正、公平に評価を実施し、目標達成状況を正確につかむこと、給与体系は、等級制度をベースに、昇格すれば、給料がどれくらい昇給するのかを明確にして、社員のマインドとモチベーションアップを図ることでした。
前回、初めて人事評価制度と目標管理制度を導入する際は、社長、管理職、私で制度構築を進めましたが、今回も、同様のメンバーで進め、約1年をかけて構築しました。
[生み出した成果]
導入後は、社員の仕事や自己啓発に対する前向きな姿勢が生まれ、公正で公平な人事評価に納得感も高まって、定着率も高まり、目標達成に向けてモチベーションアップにもつながりました。
導入後の効果について、社長にヒアリングすると、こんな風におっしゃっていました。
「中小企業では、人事評価、昇格、昇給は、社長の匙加減というところが多い。社長の匙加減は、社員から見れば、ブラックボックスなので、見えないしわかりません。そのブラックボックスが原因で「なんであいつが昇格して、俺はでけへんねん・・・ 社長に気に入られてるから昇格したんやろ・・・」といった不満を持っている社員もいます。
そして、経営者の方も、なかなか成果が出せていなかったり、がんばってはいるんだけれども成長が遅い社員に対しては、どうしても「がんばってるけど、どんくさいから成長が遅いんやな・・・ でもがんばっいるから昇給させてやろうか・・・」といった温情的な評価か出てしまったり、社長も人間なんで、どうても、社員を人として見たときに、「合う」「合わない」が出てしまったりすることがあります。でも、等級制度と人事評価制度、目標管理制度と給与体系を連動させれば公正、公平な人事制度の運用が可能になりました。」
人が仕事をする際、必ず自己流になることがあります。そこを会社として、誰もが分かる仕組みを構築して、運用することで、組織全体をパワーアップさせることができるんです。
組織力強化には、さまざまな切り口からのアプローチがあります。
企業の組織力強化をご検討の際はお気軽にご相談ください。
しっかりと伴走支援させていただきます。
人的資本経営・組織力強化についてはこちらもご覧ください。
https://nmr-inc.jp/soshikiryoku/




