全身で表現するベリーダンスを通じて、女性が一歩踏み出す機会を届けたい（3/3）

自分の体で表現し、本来の自分を取り戻す場としてベリーダンスを

　マナールさんは週に6コマのクラスを開くほか、単発のレッスンにも対応。コロナ禍で縮小を余儀なくされていた発表の機会も増やしたいと言います。

　「日常と違う自分になれるのもベリーダンスの魅力。教室では皆さんTシャツにレギンスですが、きらびやかな衣装を付けてメイクをして踊ると『またやりたい！』となります。今後は積極的にショーを企画し、意欲を引き出していきたいですね」

　ベリーダンスは自己表現にもつながり、「女性が一歩踏み出すきっかけになれば」との思いがあります。妻、母となり「○○さんの奥さん」「○○ちゃんのママ」と呼ばれ、本来の自分がなくなっていくような悲しみや焦りを感じることがあったとか。

　「ダンスを始めて、名前で呼びあう仲間ができ、全身を使って踊っていると、自分を取り戻せた気がしてとてもうれしかったんです。だから私も、生徒さんをお名前で呼びます。会社の肩書でもなく家庭での立場でもなく、ここでは一人の女性でいてほしい。本来の自分を、表に出せる場所であってほしいと願っています」

　大きな舞台を作り上げて多くの人に興味を持ってもらい、ベリーダンスのすそ野を広げていきたいと熱意を見せるマナールさん。
　「女性の人生には、結婚、出産、介護などいろいろな場面があり、仕事と家庭の両立で忙しく過ごす方も多いでしょう。自分らしくいられる時間を持ちたいという方は、一度体験してみてください」と、沖縄の太陽を思わせる笑顔で呼び掛けます。

（取材年月：2023年12月）

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