改葬とはお墓の引っ越し。手順と流れについて
核家族化が進み、田舎にあるお墓の管理が困難という人が増えています。遠方のため時間的にも経済的にも負担が大きくなり、お墓参りの頻度が減っています。高齢になり移動が苦になるなど、お参りするのも不便になってきます。
こうした理由からお墓の改葬が増えています。お墓が近くなれば、お墓参りも気軽にできるようになり、管理も良好な状態で保てます。
少子化で子どもが減る中、お墓を守る子どもたちに迷惑をかけたくないという人が増えていることも、お墓の引越しが増えていることの背景にあります。
お墓を引っ越しするメリット
昔は自宅の近くにお墓があり、ことあるごとにお墓参りをすることも珍しくはありませんでした。
しかし現代では、都市部に住んでいれば田舎にあるお墓の管理は困難です。遠方であるために交通費がかさみ、頻繁にお参りできないために掃除や草取りなどがこまめにはできません。
また、高齢化が進んだため、親を供養する子の世代も年齢が上がっています。山の中にあって、お参りするには坂を登ったり下ったりしなければならない、また、車を降り数百メートルも歩かなければならない場所にあると大きな負担になってきます。
こうした事情からお墓を引越しさせる「改葬」が注目を集めています。自宅からアクセスの良い場所にお墓を移転させることで、お墓参りの負担を減らすことができるのです。
行きやすくなればお参りもしやすい
お墓が自宅から行きやすくなれば、お墓参りへのハードルは下がります。お墓参りをすることは亡くなった人に思いを馳せる機会となります。
しかし基本的にお参りはいつ行っても構いません。故人を偲び先祖を敬う気持ちを示すものなので、機会のあるごとにできる限りお参りするのがよいでしょう。
結婚や出産、進学や就職など家族の節目となる出来事があったときにも、故人へ報告するつもりでお参りします。
こまめにお参りすることでお墓が良好な状態で管理され、故人の供養にもつながります。
改葬が増える社会的背景には何が?
遠方にあるお墓の管理にかかる時間と金銭的な負担を減らすというのが改葬の理由ですが、ここ数年増加の一途をたどっている背景には、さらに下の世代のことを考える人が増えていることがあります。
ブームが定着した感のある「終活」ですが、これはひとえに残された人に迷惑をかけたくないという思いから始まったものです。
子供が遠くへ嫁いでいって実家のお墓を守ることができない、都市部で暮らしている息子夫婦にお墓参りで苦労を掛けたくない…。自分たちの子供に迷惑をかけたくないという親心から改葬希望者が増加しています。
少子化も少なからず影響しています。子供が独身であり兄弟がいなければ将来的にお墓を継承する人がいなくなってしまいます。そのため先祖代々のお墓を撤去して永代供養墓に改葬するという選択をする人もいます。