インプラントのトラブル
皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
津谷歯科医院 院長の津谷 良です。
ある高齢者の方にセカンドオピニオンとして相談を受けました。
その方は年齢75歳の女性です。
部分入れ歯の調子が悪く、上手く食事が取れないため、
かかりつけの歯科医院でインプラントを勧められたそうです。
高齢者のインプラントには個人的に気になる点があります。
あくまで一般的な話ですが、日本人の平均寿命は男性79歳女性86歳と言われています。
そして健康寿命が
(心身とも健康上の問題なく、日常生活が制限されることなく、自立した生活ができる期間)
男性70.4歳、女性73.6歳と言われています。(2010年厚生労働省発表)
したがって10年近く、また10年以上ご自分での身の回りのことが不自由になってくる期間がありそうです。
特に口に中のケアは手や目が不自由になると行き届かなくなりがちです。
インプラントの部分は特にデリケートな場所で、しっかりとしたケアが欠かせません。
また高齢ゆえの多くの病気を抱えることも多いため、
簡単に入れ歯の様にインプラントを取り外しが出来ないのも問題です。
これから増え続ける認知症にいつ誰が罹るとも限りません。
介護施設での口腔ケアがいつも万全とはいかないでしょう。
以上のことを考えると安易にインプラントを勧められません。
それよりもしっかりと噛んで、痛くなく、使い易い入れ歯を提供できる歯科医院が増えることが望まれます。