さりお2024年6月28日号チラシ解答
先日の山陽新聞主催「おかやま新聞コンクール」にて、今年もてらこやの「国語力伸びる講座」受講生全員入賞しました。これで「国語力伸びる講座」受講生が11年連続入賞したことになります。
皆さんの素晴らしい業績に、本当に感心してしまいます。
もしかしたら、このコラムをお読みになる方の中には、「きっとみんな上手な人達が受賞したのでしょう。」と思われる方もいらっしゃるのかもしれませんね。
けれど、受賞した全員、最初から作文が得意な子どもだったわけではありません。
むしろ書くことが苦手で、それを心配する保護者の方がお子さんに受講を勧めて下さることがきっかけとなる場合がほとんどです。
4月の講座スタート時点では、みんな200字の作文ですら1時間もかけてようやくかけるレベルです。敬体(ですます体)や常体(である体)が入り混じり、主語と述語のねじれがあり、言葉の使い方も間違っている状態です。それが、この講座を修了する頃には、みんな10分程度で200字作文を楽々と書くようになるのです。
このクラスでは、形式的に正しい作文を書くことだけを目指してはいません。むしろ、少々粗くても、一人一人が様々なことから問題を見つけ出し、そのことに対する自分の意見を持ち、筋道を立てて論理的に表現できるようになることを大切にしています。
それは、このようにして培った力が、教育改革でも謳われている「これから社会を創り出していく子ども達が、社会や世界に向き合い関わり合い、自分の人生を切り開いていく力を育てる」ことにつながると確信しているからです。
今回のコンクールの作文でも、彼らは3カ月近くかけて、何度も何度も中身を練り、論理的に伝えられるように構成し、文体を整え仕上げていきました。
彼らにとって、それはそれは根気のいる作業でした。きっと生まれて初めてこんなに自分と向き合い、考えを言葉にしたことでしょう。そして、その難しさを感じ、苦しみながらも言葉を紡ぎ、書き上げることができたのだと思います。でも、こういった経験を積み重ねることで、様々なことから問題を見つけ出し、そのことに対する自分の意見を持ち、筋道を立てて論理的に表現できるようになるのです。
何とか形にしてコンクールに応募し終わった時、彼らの表情ががらりと変わります。
作文の授業でも受け身だった彼らが主体性を持って取り組むようになります。きっと、一度このような作業に本気で取り組むことで、自分に自信がつき、もっと頑張ってみたいと欲もでてくるからなのでしょう。
こうやって少しずつ少しずつ彼らは力を付け、時間をかけて成長します。
そんな彼らの成長をお手伝いできることは本当に幸せなことです。