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国語の力

増本真一

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子供たちに求められる国語力とは、何でしょうか?

国語のテストで設問に該当する箇所を抜き出すことができればよいのでしょうか?

それは違います。

正しく意味をとらえることのできる読解力であったり、相手に伝えることのできる表現力ではないでしょうか。

日本人なのだから、特に勉強しなくても国語はできるでしょと思いがちです。
本を読めば読解力は身につくでしょという意見もあると思います。

確かに日本に居住し、日常生活で日本語を使って考え、話すことをしているので不自由することはないと思います。
でも、その話し相手は、自分のことをわかってくれるお友だちや親、身近な人ではないですか?
本当は、目の前にいない相手でも、初対面に人でも言いたいことがきちんと伝えられなくては意味がないのです。

絵本や本をいつも読んでいて、読解力を身に付けている子もいます。
ですが、みんながみんなそうなるわけではありません。
読書による読解力は、本を本当に楽しんで読んでいるうちに身につくもので、あくまでも副産物なのです。

日常の会話で、正しい言葉を使っているでしょうか?
目の前に相手がいなくても、言いたいことを正しく伝えられているでしょうか?

これはとても難しいことです。大人でさえできない人もあります。

では、いつ、何を始めればいいのでしょうか?

以前コラムに書きましたが、まずは親子の会話を大切にすることです。
何気なく会話するのではなく、子ども達に「いつ」「だれが」「何を」「どこで」「どうした」、いわゆる「5W1H」を意識して話させることです。

どんなに頑張っても、会話には相手が必要ですし、正しく直してくれる相手となるとお友だちでは相手ができません。
親が相手なら、少々間違っても恥ずかしくないはずです。

例えば、「はし」だけ聞くと、
箸と思う人もいれば、橋を思い浮かべる人もいるでしょう。
はたまた端と思った人もあるかもしれませんね。

言葉は省略すればするほど、聞き手の思い込みで受け止めてしまいます。
一文の要約は、主語と述語です。
肝心なところを省略して話すことに慣れてしまうと、文章でも同じことをしてしまいます。

次に言葉を正しく理解し、使えるようにすることです。

本がとても好きなお子さんがいるのですが、あまり感想を言いません。
でもある日、お母さんに漫画で描かれた「小公女」を買ってもらい、泣きながら読んでいたそうです。

低学年のお子さんは、まだまだ語彙が少ないです。
字は読めるので、文字ばかりの長いお話を読むことはできます。
けれど、語彙がないので、イメージするには限界があったのです。
それを漫画が助けてくれたので、もう少し深い部分まで入って読むことができたのでしょう。

読解には、イメージが必要です。イメージするには、言葉を正しく理解しないとできません。
語彙が乏しければ、イメージできるものが少ないので、イメージも乏しくなります。

言葉をや文章を深く理解し、相手の心に伝わる豊かな表現力を身に着けるために、初めの一歩を始めましょう。

主語と述語を省略せずに使い、言葉の意味を辞書を引いて正しく理解し、多くの言葉を使えるようにしていく。
これこそが、子供たちが何より最初に必要とする勉強なのです。

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増本真一
専門家

増本真一(塾講師)

算数パズル教室 てらこや

入試や社会で求められる、「思考力」「言語表現力」「問題解決力」を独自の学習プログラムで育成しています

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