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磯﨑慎一プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

一体どこまで?【建築費高騰】の行方~答えは○○にあり!?~

磯﨑慎一

磯﨑慎一

テーマ:ライフスタイル

From:磯﨑こんにちは!
やっと朝夕は少し涼しくなって過ごしやすくなってきましたね!?
僕は寝汗をすごくかくので夜涼しくなってくれるのはとても嬉しい事です(^o^)

さて、昨年から急速に進んできたインフレによって建築費の方も随分と高騰してきました・・・。
建材メーカー各社も相次ぐ値上げのアナウンスをしていて、我が社にもメーカーや販売代理店から値上げの通知のFAXがじゃんじゃん流れてきます。
それはもう嫌になるほど・・・(T_T)

過去30年価格の優等生だった内装材メーカーに至っては昨年一度、今年に入ってもう一度、さらに秋口にもう一度値上げをする事になっています。
もう一体どんな根拠なんだよ!?と言いたいところですが、問題はそれに留まらず、資材や労働力の付録によって物が足りないと言う事態も解消されていない分野も多くあります。

同業他社さんもそうですが、当社も企画商品の価格の再設定を余儀なくされ、今年に入って弱冠の値上げを行いました。
さてこのインフレ一体どこまで続くのでしょうか?
その前にこのインフレが起こってきた原因を考えてみましょう。

1.3年目に突入したコロナ禍

まずはコロナ禍で人とモノの流通のストップが発端になった事は間違いないでしょう。
これにより、生産ラインと流通ラインが麻痺し物不足になりそこから価格の上昇の機運が出来ました。
日本ではまだマスコミが「コロナコロナ」と騒いでいますが、欧米ではもはや過去の事になっている様です。
なので、コロナに起因する状況によって今後のインフレが進んでいくという面はさほど心配ないようです。

2.ロシアvsウクライナ紛争

次に戦争による各種資源の不足によって価格が高騰。
2月に始まったこの戦争によって原油・天然ガス・小麦等の商品に大きな影響が出てきました。
当初数ヶ月で何らかの決着が付くのかと思っていたものの、まだまだ事態は落ち着く様相を見せず。
しかし、今回の件で日本も含め欧米諸国はロシアに対しての経済制裁を決めているので、原油天然ガス等の価格に影響が残るのは覚悟した方が良さそうです。

3.東西新冷戦

上記の2点ははっきり現象として見える問題点ですが、実はここからが本題です。 
『東西新冷戦』に伴うデカップリング
これがどういう事かと言うと、いわゆるグローバル化の終焉です。
過去30年間は人やモノやサービスを全世界的に展開していく事によって、価格を抑えながら経済成長してきました。
ざっくり言うと途上国と呼ばれる労働力の安い国で安くモノを造り、それを先進国に持って行って高く売るというというやり方です。
日本の大企業もご多分に漏れず、多くの生産拠点を海外(主に中国)に移し様々な物を作ってきました。
しかし、今回のコロナ禍でその体制がいかに危ういかという事が露呈してしまいました。

若い方は知らないかと思いますが30数年前まで 
『東西冷戦』
というのがありました。
アメリカ合衆国を筆頭とする西側諸国(資本主義国家)とソビエト連邦を筆頭とする東側諸国(共産主義・社会主義国家)が固いににらみ合い、時には一触即発の危機を迎えた事もありました。
つまりその敵対している地域とはほとんど貿易をしていなかったのです。
しかし、冷戦が終わりソビエト連邦は崩壊しロシア連邦となり世界の経済活動に参加する様になり、また中国も安価な労働力を武器に世界の工場として多くの製品の製造に関わってきました。
その結果、先進国の企業は大量の安い部品を手にする事が出来自社の商品の価格の安定につなげてきました。
それがこの30年間起こってきたグローバル化による経済活動の流れでした。

しかしそれも終わりを告げようとしている様です。
2018年頃から、アメリカはこれまでの様な中国との関係性に終止符を打ち、自国内に製造業を回帰させる姿勢を取り始めました。
さらに軍事的にも中国に対し強硬に出始めます。
ここ最近の台湾を巡ってのやりとりはそれを最も顕著に表していると言えるでしょう。
一方、欧州ではNATOとロシアが対立を深め、その結果今年に入ってからのロシアによるウクライナ侵攻を引き起こしました。
完全に東西新冷戦が深刻化、デカップリングが進行していっています。

この先、エネルギーの問題はしばらく解決しそうにありませんし、日本をはじめ先進諸国も製造拠点を自国内に戻す動きが活発化する動きが出る事でしょう。
つまりこれまでの30年とは建築資材をはじめ、各種商品の生産体制が大きく変わるため
今までの様なコストで物が手に入ると言う事は望めないのではないかと思っています。
これまで30数年デフレになれてきた我々日本人なので、
「また値段が元に戻るんじゃないか?」
と思っている方も多かったと思うのですが、上記の様な理由からもうそれは望めないのではと思っています。

さらに今後追い打ちをかけそうなのは為替の問題です。
これを書いている9月7日時点で、なんと1$=144円を突破しました・・・。
すごい事が起こってます。
輸出企業にとっては濡れ手に粟でしょうが、我々建設業にとっては仕入れコストの高騰につながるだけでまさに最悪の状態です。

そういった事を総合的に考えて得た結果。
タイトルの建築費の高騰いつまで?の答えは
『当分終わらない』
です。



もし家の新築や、収益物件の新築等をお考えの方がいらっしゃいましたら、少しでも早めに着手する事をお薦めします。
まだここから建築費20%UPとかは容易に想像できますので・・・。

厳しいお話になってしまいましたが、最後までおつきあい下さいましてありがとうございましたm(_ _)m

磯崎@サンオリエント

PS 昨日もあるメーカーさんから、「10月1日に価格を40%程上げますので、発注ある場合は今月中にお願いします!」と言われました。
  これからまだまだあると思います。

PPS 今日のブログの内容はあくまで個人の主観なので参考程度にお読み下さい。。。

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磯﨑慎一
専門家

磯﨑慎一(一級建築士)

株式会社サンオリエント

予算・間取り・敷地など住宅建築の際にネックとなるさまざまな条件を親身になって検討。木造や鉄骨、RC(鉄筋コンクリート)まで全ての工法から最適なプランをご提案し、夢の実現をサポートいたします。

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