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木造住宅業界を席巻する「透湿シート+通気工法」ホントにこれが良いの??

2018年9月15日 公開 / 2021年1月4日更新

テーマ:木造住宅

コラムカテゴリ:住宅・建物

こんにちは!

木造からRC造まで、規格住宅から注文住宅までお任せ下さい!
株式会社サンオリエントの磯崎です。

今日は久しぶりに技術的な投稿をしたいと思います。
日経ホームビルダーという雑誌に
『透湿防水シートの死角 築7年で建て替えの憂き目に、じか打ちに潜むリスク』
という、ほっとけない感じのタイトルの記事がありました。

で、読んでみますと現在建てられている木造住宅の多くが抱えているであろう問題点を指摘していました。
まずは見てみましょう!

(有料記事なのでサイトへのリンクを貼っても見ることが出来ないので印刷したページを貼ります)
*貼り付けた記事が22ページあるので読むのに5分以上かかりますのでお時間ある時に読んで下さい!


記事P1

記事P2柱・梁金物

記事P3平面図

記事P4柱被害無し

記事P5柱被害無し

記事P6柱被害あり

記事P10柱足元被害あり

記事P8各所被害あり

記事P9柱頭部被害あり

記事P10柱足元被害あり

記事P11窓台被害あり

記事P12柱腐朽

記事P13梁被害あり





どうでしたか?

この時事が指摘している問題点は大きく分けて

1.透湿防水シート

2.グラスウール

3.軒ゼロ工法

4.隅柱へのサイディング取付工法

であったと思います!?

ただ、僕的にはもう一つ「通気工法」にも疑問を呈するべきなのではないかと思っています。

一般的にメーカーが推奨している通気工法を今回も採用しているのですが、

通気工法の特性と言われている面がすべて事実なら今回の様な問題には至らないハズです。

壁体内通気工法とは?

一概に「通気 空気を通す」と言っても乾燥した空気もあれば湿った空気もあるわけです、

特に日本のような気候では湿った空気が環流してくる可能性も大いにあるわけで通気が解決策になるとは思えないのです。



ちなみに当社では基本的に透湿防水シートは採用していません。

木造の場合柱の外側に遮熱材のリフレクティックスを貼っています。

そしてその外側にサイディングを貼るのですが、もちろんその間に胴縁を施工するので空気層が出来るわけですが、

遮熱工法ではその空気層は「静止空気層」としますので、「通気」はさせません。

さらに、断熱で壁内にグラスウールなど用いませんので壁内結露も起こりません。



つまり遮熱工法で施工すれば今回の様な問題は起こりえないのではないかと思ったのです。



軒ゼロはお客様の要望で採用することもありますが、これは今回の問題の要因の一つであっても決定的な要因ではないと思います。

最後に隅柱へのサイディングの止め付けですが、これは隅柱の納め方の問題と、

サイディングの現場施工の精度の問題なので設計及び施工管理段階で注意していくべきところだと思いました。



あまり一般的ではない遮熱工法を採用していると、外壁材メーカーや検査機関などから色々な疑問をぶつけられますが

ほとんどの場合今回のような反論で説明がつきます。

逆に一般的に「良い」と思われている方法で何も考えず押し通し、今回のような問題が起きた時どうするのでしょうか?

当社は業界の一般常識といえども自分達で考えその結果たどり着いた「良い」モノをお客様に提供しています。

そんな事やっていると、さすがにやりにくい事もありますが、そんなのはへっちゃらです(^_^;)



今回の施工業者は、部分的な補修ではなく「建て替え」を選択したとの事。

問題が起きた時の対峙の仕方として、同じ経営者として敬意を表します。



またこういった業界記事から参考になる事例をご紹介していきたいと思います!



それでは長文最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m



磯崎@サンオリエント

この記事を書いたプロ

磯﨑慎一

コンクリート住宅の事ならおまかせ!RC住宅のプロ

磯﨑慎一(株式会社サンオリエント)

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