本の出版を記念して~僕が建築を志したワケ その6~
とある居酒屋でのお話し~~実話です~~
A 「お前、仕事建築だったよな?家とかも建てるの?」
B 「まあね! っていうか建てる建てるww」
A 「今さ~、家建てようかマンションを買おうか迷ってるんだよな~」
B 「へ~、なんで迷ってんの??」
A 「いや、実際一軒家って冬寒いって言うし。実際、実家はメチャ寒いし・・・。
それに比べてマンションは断熱が良いって言うじゃん!?」
B 「う~ん、まあそうとも言い切れないけど、そういう側面はあるわな・・・。
それで、迷ってるのはそこだけ?」
A 「いや、街中の便利の良いところって土地が高いだろ?
そこに一軒家建てるって厳しい物があると思って・・・。
まあマンションなら結構建ってるしなぁ~と思って。」
B 「それは言えるかもね!実際便利の良い土地はなかなか手に入らないからね~!
でも、管理費だの駐車場の経費だの要るから長期的に考えてたら、
マンションもなかなか高い買い物になるよ!!」
A 「そこなんだよな~!でもまあマンションの方が防犯だったりも良さそうだし、
窓閉めてたら静かそうだし、
あと地震とかあったときもなんか強そうな気がする。」
B 「気がするって、感覚で生きてるね~?まあでもそれは全部当たってる。」
A 「でも自分の庭があって、とか言うのも必要な気がするんだよな~!」
B 「それも言える!!」
A 「だろ?それで悩んでるわけ」
B 「なるほどね~、じゃあマンションみたいな性能ある家を建てれば良いんじゃ無い?」
A 「どう言うこと??」
B 「さっきお前が言ってたマンションの良いところって、ほとんど一軒家でも再現出来る。
なぜなら、断熱だったり音の問題だったり、地震に強かったりするのは、
コンクリートで作れば解決出来る事だから。」
A 「マジかよ?でもメチャ高いんじゃないの??」
B 「そうでもないよ!確かに普通の木造住宅に比べれば高いけど。
でも大手のハウスメーカー、たとえば○水ハウスとか大○ハウスとか
ミ○ワホームとかで建てるのと同じくらいの費用で建てられるよ!」
A 「うそ??!!」
B 「ほんと!!」
A 「で、それどこに頼んで建ててもらうの??」
B 「・・・・・、俺だよ、うちの会社。」
A 「え?お前そんな仕事もやってんの??」
B 「・・・・・、そうです・・・・」
A 「じゃあそのハウスメーカーは同じくらいの金額と言う事は、
コンクリート並みの良い家を作ってるの??」
B 「残念ながら、そうでも無いけどね!?
大手のメーカーは大量生産が目的だから、工場で規格化した物を作り
それを現場で組み立てるのが主流。
100年○宅っていうコンクリート住宅を謳って売っている会社があるけど、
ここも工場でパネル化したコンクリートを現場で組み立てるのでホントの意味の
コンクリート製とはちょっと言いがたい。
うちは100%現場打ちのコンクリートで作っていくから、
すごい手間がかかるけど本当の意味での鉄筋コンクリート造の建物を
作れるんだよ!」
A 「マジで??おまえスゲーな??
そんな夢の様な家を建ててたらメチャ売れるんじゃね~??」
B 「それがそうでもないんだよ。
まあうちなんてそんな有名でもないし・・・、
それにやっぱりコンクリートだとコストは高くつくしね!」
A 「でもハウスメーカーと同じ位なんだろ??」
B 「それはそう、むしろ安いかも知れん、でもそこは会社のブランドの差だな・・・」
A 「そういうモンかね・・・??」
B 「ところでおまえ、三匹の子ブタって話知ってる??」
A 「そりゃ、誰でも知ってんだろww!わらの家と木の家とレンガの家の話だろ??」
B 「そう、それでまあ現実に置き換えると、わらの家ってのはないけど、
木の家が木造住宅で、レンガの家がコンクリート住宅と仮定して、
オオカミが地震や台風や火事の様な災害だとしたら結果どうなると思う??」
A 「うまい事言うね~~!でも結果残るのはコンクリートの家だけか??
まあ確かに火事にもなりそうにないし、地震にも強いわな?
じゃああれか?木造の家とかは全然ダメか??」
B 「いや、そういう意味じゃない。木には木の良いところがあるし。
俺は木造も好きだしね!
ただコンクリート住宅があまりに少なくて、良い面いっぱいあるんだけどな~」
A 「いや、俺も全然知らんかったし!!
でもなんで他の会社もコンクリートの住宅を建てないわけ?
B 「むちゃくちゃ手間がかかるから儲からないんだよ、ズバリ!
それと、木造しかやってない会社にはコンクリート住宅を建てる
ノウハウがないから出来ないんだよ。
どっちかって言うとビルを建てるのに近いから、難しいんだよ実際。」
A 「ますます興味がわいてきた、俺もコンクリート住宅建てようかな??
ちょっと家族で相談するから資料ちょうだいよ!
コンクリートこんなに良いよみたいな!」
B 「OK、じゃあまたうちの会社のパンフレットとか商品説明書とか持っていくわ!」
~~そして数日後~~
A 「なあ、あの後俺も勉強してみようと思って本とか探したんだけど無いんだな?
コンクリート住宅の本って。
なんか専門的な本はいくらかあったけど、あれが理解出来るとは思えん・・・」
B 「そうか?なんかあるだろ??」
―――しばらくネットで検索―――
B 「無いな・・・」
A 「無いだろ??木造の家作りの本はいっぱいあるけど。」
B 「確かに・・・
ホントにないわ・・・
これ、コンクリートで家建てたい人はどうやって情報収集するんだろ??
誰か書かないのかな??
俺、
本、書いてみようかな??」
と言うわけで本書きました!
ちなみに、ネット上でもコンクリート住宅に関する情報はいくらか得られますが、どちらかというと批判的な情報が多く(結露がひどい、冷たい、病気になるetc・・・)とても公正とは言えない感じです。
国土交通省の発表によると、平成29年度の持ち家の着工新設棟数は全体で284,283棟、そのうち鉄筋コンクリート造は2,996棟とわずか1%でした。
需要が少ないから情報が少ないのか、情報が少ないから需要が喚起されないのか??
多分、両方あるのでしょうね??
しかし、業界を牽引しているメインプレイヤーの大手ハウスメーカーやハウスビルダーが採用している工法は、ほとんどが木造と鉄骨造。
具体的数値で言うと木造が243,260棟(85.5%)、鉄骨造が36,984棟(13%)で併せると98.5%にのぼります。
マンションに対しての需要が多く、鉄筋コンクリート造に対するニーズがあるならば、戸建住宅においてももう少し実績があっても良さそうな物ですが、大手にとっては不都合な真実が多いので、触られたくない部分かも知れません。
なにせ、98.5% VS 1% ですから。
ここまで来るとわかって頂けたかと思いますが、居酒屋で会話していたBは僕自身、そしてAはただ今自宅の新築を検討中の僕の友人です。
これだけ情報があふれているこの世の中で、すっぽり抜け落ちている部分が自分達の「仕事」のど真ん中にある事にある意味驚愕し、そして奮起しました!
ここ地元岡山は自然災害も本当に少なく、正直皆さん防災意識もあまりもたれていませんが、東南海エリアでは地震の可能性が囁かれ災害に対する準備が待ったなしの様な報道がされていますが、相変わらずの建築事情です。
こういった時に、市場での認知度が低いけれど性能の高いRC住宅(鉄筋コンクリート住宅)の正しい情報を多くの方に知ってもらうべく、今回本を出版しました。
友人A君も言っていましたが、
「コンクリート住宅が良いか悪いかの前に、全く知らなかった。」
これが、一般的に皆さんが思われる事だと思います。
まずは存在自体を知ってもらい、自分に合うのかどうかを考えてもらいたい。
何かを「良い」とする時、それ以外の物を「悪い」と対比させる事が多い最近の風潮ですが、今回はそういう本ではありません。
先ほども言いましたが、僕は木造も好きですし、RC造も好きです。
それぞれにメリットデメリットがあり、そこに住まわれる方によって、どちらが良いか変わってくると思っています。
なので、木造を検討している方にも参考になる様な内容も含んでいますので、これから家造りをされる方の最初の教科書にして頂ければと思って出来るだけ分かりやすく書いたつもりです。
僕の幼少期のエピソードなども含んでいますので、気楽に読める一冊になっていると思います。
是非一度手にとって、御笑読頂ければと思います、よろしくお願いします!
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代表取締役 磯﨑慎一