RC造住宅の特徴とメリット・デメリット
コンクリートを型枠に流し込んで固めるRC造は、デザインにおいて自由度がかなり高いという利点があります。
RC造は構造上、リフォーム・リノベーションと非常に相性が良く、間取りの大空間化、収納スペースの増強などが比較的容易にできます。
RC造では、地下室を設けることが可能です。室温が一定で遮音性が高いことから、食品保存や趣味の空間など、用途はさまざまです。
RC造では、陸屋根の屋上を設けることが可能です。バーベキュースペースにしたり、屋上緑化を施工することも可能です。
RC造は自由なデザイン・間取りが可能
RC造は、流動性のあるコンクリートを型枠に流し込んで固めるため、かなり自由度の高い形状が設計できるという利点があります。実際、(上から見て)楕円や円のデザイナー住宅もあれば、曲線を多用した屋根の住宅もあります。
自由なデザインの点で、RC造の強みがいかんなく発揮されるのは、狭小・変形土地に建てる場合です。
狭小地の場合、床面積を確保するため3~4階建てのニーズが出てきますが、2階を超える住宅はRC造に向いています(3階建て木造も可能ですが、大地震の耐久性と遮音性に不安があり、防火地域の制約もあります)。強度があるので、1階をビルトインガレージにすることもできます。3階建てにして、かつ地下室をもうけることも可能です。3角敷地、台形敷地、旗竿地といった変形敷地でも、フレキシブルな形状が可能なRC造なら工夫の余地があります。
また、低層RC造の大半は壁式構造となっています。壁式構造とは、柱・梁を設ける代わりに、配筋した壁のみで建物の荷重を支える構造で、柱がないので大空間を確保することができます。今は、間仕切りのあまりないLDK一体型の間取りが流行しているので、RC造はまさにうってつけと言えるでしょう。
RC造であれば、賃貸住宅あるいは店舗との併用住宅も可能です。賃貸による副収入を長期的・安定的に得て、ローンの返済に充当したり、老後のことを考えた資産形成の一環として賃貸併用住宅を検討される方が増えています。単に賃貸住宅を単独で建てる場合と比べ、住宅ローンで購入することが可能で、住宅借入金特別控除も適用されます。さらに、相続税の基礎控除額が引き下げられるメリットもあります。
RC造のリフォーム
RC造は、リフォームやリノベーションと非常に相性が良いです。
壁式構造で障害物となる柱がないこと、躯体と住設(住宅の間取りや内装)を分けて設計するスケルトン・インフィルの概念にもマッチしやすいためです。特に高経年マンションの場合、居住者も高齢者が多いことから、退去・建て替えでなく、住み続けることを前提とした「再生」への取り組みが活発化しています。
また、新築でなく「中古マンションを買って、それをリフォームして住む」方も増えています。このトレンドは、RC造は間取りの大空間化、収納スペースの増強などがしやすいこと、木造のような木部腐朽の美観的問題がないことが一役買っていると思います。
RC造の地下室活用
RC造では、地下室という選択肢もあります。暗い、寒い、物置にしか使えないといった、過去のマイナスイメージではなく、今は、採光(ドライエリア)、換気、断熱の技術が向上し、地下室は使い勝手のよい空間へと生まれ変わっています。
RC造の地下室には、以下のメリットと用途があります。
●一定の室温
夏は冷涼で冬は温暖なため、冷暖房があまりいらず、冷暗所保存食品の備蓄、ワインセラー、書庫として活用できます。
●遮音性
土がほぼ全ての音を遮断して、隣地へ漏れる心配が少ないのが特徴です。楽器の演奏でもホームシアターでも、好きな時間に楽しむことができます。
●落ち着き
外の騒音や視線の心配がないことから落ち着いた雰囲気を得られ、寝室として活用される方も多いです。
地下室の構築は、費用と工期が思いのほか増加する素因となりますので、施工前にしっかりと打ち合わせをして、納得してから取り入れるようにしましょう。
RC造の屋上活用
RC造は、施工の容易性や防水工法が確立していることなどから、屋上は陸屋根(勾配のない水平屋根)が一般的です。
陸屋根とすることで、屋上として活用できるのがRC造の良さの1つです。プライバシーウォールを立て、屋上を「庭」とすることで、バーベキュースペースやポータブルプールを設けて、家族で気兼ねなくオフタイムを過ごすことが可能となります。
そして屋上緑化。岡山市もそうですが、都市部ではヒートアイランドが問題になっています。
これは道路の舗装化による蓄熱や自動車・建物からの排熱によって、気温が本来より上昇する現象です。環境省は、屋上の緑化がヒートアイランド(と地球温暖化)に対して効果があるとし、積極的に普及を推進しています。
RC造の住宅なら屋上緑化の施工がしやすく、省エネの観点でもおすすめできます。