漆喰にはアレルギーの原因を取り除く効果がある
漆喰とは、昔から使われてきた壁材で、一時はすたれるものの、その良さが見直されて、採用が増えています。
漆喰には、防カビ、有害物質浄化、調湿性、長耐久性など様々なメリットがあります。
当社が採用する「幻の漆喰」は、光熱触媒作用により、漆喰の浄化機能がさらに強化されています。
漆喰とは?
漆喰は伝統的な壁材料で、石灰を主原料とし、これにスサとよばれる繊維と海藻を煮て作った糊料を、水に混ぜて練ったものです。
漆喰の歴史は古く、3万年前の遺跡に使われていたそうです。古代エジプト、メソポタミア、ローマといった古代文明期にも活用されました。
日本では高松塚古墳(奈良時代)の内壁に使われたのを皮切りに、さまざまな建築物で利用されました。戦国時代に多数建築された城郭のまぶしいほどの白亜は、白い漆喰で施工されているからです。
現代的な建築材料が増えてくるのに伴い、漆喰は一時使用されることが減りましたが、シックハウス症候群が問題になってきたことから、その良さが見直されはじめ、工務店やDIYで採用されるところが増えています。
漆喰の特徴と住宅に取り入れるメリット
日本で漆喰が、一般住宅の建築に採用されたのは、意外に遅く明治時代に入ってからです。一昔前までは、左官が自分で材料を調合して漆喰を作るのが基本でしたが、今は調合済みの袋詰め漆喰も販売されています。
モルタルと同様、コテで塗りますが、平滑な塗りばかりでなく、ローラーでテクスチャーをつけて変化にとんだ壁を作ることも可能です。
塗った直後から、空気に触れることで固まりはじめますが、硬化には多少の時間がかかります(季節や通風によって異なります)。
漆喰には、以下のとおりメリットがあります。
●防カビ・防菌
気密性が高く、密室空間となりがちな現代の住宅は、カビが繁殖しやすい環境にあります。室内でカビが増殖すると、ダニやシロアリも引き寄せるだけでなく、放出した胞子は人体の呼吸器官に作用して、シックハウス症候群を引き起こすおそれがあります。
漆喰は強アルカリ性という性質をもっており、ここにはカビも含め菌類は生存しにくいと言われています。ちなみに、醸造所などで漆喰の建築物が多いのは、有害菌を寄せ付けないためです。
●有害物質浄化
合成樹脂クロスなどに使われる接着剤から揮発されるホルムアルデヒドといった有害物質を、漆喰は吸着・分解します。近年、漆喰の一番の特性として注目されるのが、この能力です。
●調湿性
木材のもつ、湿気の吸収・放散によって室内の湿度を一定に保つ調湿機能は、よく知られています。漆喰にもこの機能が備わっています。
漆喰壁には、無数のミクロの孔が空いており、この構造が余分な湿気を吸い、周囲が乾燥すると外に出します。調湿機能の利点は、結露を抑制することです。布団をしまう押入れの壁に、よく漆喰が取り入れられていたのは、このためです。
●長耐久性
壁に塗られた漆喰は、空気中の二酸化炭素と反応して石化していきます。期間を経るほど、石化=堅牢化は進んでゆき、耐久性が増します。
100年経っても劣化しないのは、この耐久性があるからです。また、二酸化炭素と反応(=吸着)するということは、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を減らすということで、現代的な課題の解決にも貢献することが期待されます。
●不燃
漆喰はほぼ無機物なので、不燃性をもっています。昔の土蔵が漆喰張りなのは、火災から大事な保管物を守るためでした。万一の火災でも延焼を食い止める力が、漆喰にはあります。
このほかにも漆喰には、断熱・遮熱性、廃棄・リサイクルのしやすさ、防音性といったメリットを有しており、とても魅力的な建材であることが理解されると思います。
「幻の漆喰」とは?
当社は、カイケンコーポレーションが開発した「幻の漆喰」を採用しています。これは、有明海の赤貝殻を焼いてできた焼成カルシウム、海藻の銀杏草糊、麻のスサ、無菌水を練り合わせた漆喰です。
幻の漆喰には、光でも熱でも反応する光熱触媒作用により、ホルムアルデヒドのような有害な化学物質や、鳥インフルエンザウイルスのような病原体の吸着・分解を期待することができます。漆喰が自然の空気清浄機の役割を果たすわけです。この効果は半永久的で、いつまでも心地よい室内環境を保ちます。
このほか、幻の漆喰には、消臭(タバコやペットの臭い)、ホコリの吸着、鼻炎などのアレルギー反応抑制など多くの効果を期待することができます。
幻の漆喰は、合成接着剤・硬化剤などは用いない、自然素材のみの原料から作られています。ただし、それによって壁の剥落などのトラブルを招くことはまずありません。まれに、細かいひび割れ(ヘアークラック)ができることはありますが、補修が可能です。
幻の漆喰でできた壁のメンテナンスは簡単です。通常の汚れは自然分解されるため、掃除の手間はかかりませんが、泥土が付いた場合は、濡らした雑巾で軽く叩くように拭いてください。調味料(ケチャップや醤油)は、分解作用で薄まるまで待ってから、上記の要領で拭き取ります。