親子の縁を切りたい② 安全確保
親子の縁を切りたい① はじめに
ネットの匿名相談を見ていると、「親子の縁は切れますか?」という相談が少なくありません。
弁護士からの回答は、当然に「法律上、親子の縁を切ることはできません」となっています。質問に対する回答としては、これ以上でも以下でもありません(養親子関係の離縁の問題は別として)。ただ、質問者の背景には語りつくせない様々な事情があることが多いです。
虐待、DV、金銭トラブル、介護など複雑な問題が、親権、扶養、相続などの領域に絡み合っていきます。
そこに光を当てると、問題解決のための法的対応が見えてくることは少なくありません。
そして、子どもの側からも、親の側からも、それぞれ「縁を切りたい」という相談は増えているように感じます。
法律相談の現場で、こうした質問に出会ったとき、どう対応していくか、親の側、子どもの側、それぞれの立場から見ていきたいと思います。
親子関係はかけがえのないものですが、その反面、密度の濃い私的領域で、逃げ場のない空間で命すら脅かしかねない関係でもあります。
面会交流については別コラムで触れていきたいと思いますが、親子断絶防止の観点からの面会交流を考える前に、知っておきたい親子の関係性について、先に見ていきたいと思います。
※本コラムは法律コラムの性質上、弁護士の守秘義務を前提に、事例はすべて想定事例にしており、特定の個人や事件に関する記述はありません。