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A5(高級和牛)はもはや希少ではない?!(前編)

工藤博文

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テーマ:牛の部位について

A5ランクのビーフと言えば『高級品』と感じていたのは今は昔。

「焼き肉屋の倒産が急増!」と言うニュースを見ていて、その流れでA5が市場に溢れているらしいとの情報をキャッチ。
「らしい」と言ってるが、テメーは毎日触ってんのに知らねぇのかよ!と言われてもしょうがない。

振り返ってみると、確かに確かにこのビーフ業界に足を踏み入れた20数年前はA5ランクって希少だったわ…。

おおっ、これがA5かよ…。こんな高けぇ肉、いくらで売るんだよ…。

なんて、思っていたのが懐かしい。
何で今まで気付かなかったのかと言えば、毎日ビーフと過ごしてるから。

例えて言うなら、自分の子供やペットなんかといつも同じ生活空間の中にいると、毎日のほんのちょっとずつの成長に気付かないと同じ。
振り返ってみてやっと「そう言えば、大きくなったな~」と感じる。

ただ、慣れた場所から一度離れて、改めてその場所を見ると気付くことがある。

例えば、他人の子を久しぶりに見ると「えっ!見ない間に随分とお兄ちゃん(お姉ちゃん)になったな~」と感じる感覚。

ずっと同じ業界にいるから他から情報が入ってくるまで、気付かなかった…。

ちょっと脱線。話を戻そう。

今やA5ランクはどれくらいの割合かと言うと、約半分。

肥育技術が劇的に向上したおかげで、A5が珍しくもなんともなくなってきた。

「すごい霜降り!今にもとろけそうないい肉!」

とは、確かに以前に比べれば感じられない。
毎日、牛枝肉を脱骨をしているけど、A5は珍しくない。

それは、20数年という年月をかけて少しずつ少しずつA5をサバく(脱骨する)割合が増えてきたからだ。

改めてグラフを見てわかる通り、1995年は100頭いれば9頭しかA5がいない。
そら、希少性が高いわな。

それと比べ今はどうか。
100頭いて45頭はA5。驚異的な数字である。

30人いるクラスにBTSやSnow Man、TWICE、橋本環奈、広瀬すずなどの人間A5ランクが13人程度、教室にいるという計算だ。

そう考えれば、もはやクラスが芸能事務所。

そんな中で、毎日を過ごせばそりゃ、目も肥えるし慣れる。
今の今まで、朝から晩までビーフに触れていても、気付かなかったのは無理もないと、言い訳してみる。

ただし、全て中身まで『良い』のかと言えば、それはまた別の話。
腹黒いかもしれないし、イジワル、ケチ、遅刻魔かもしれない。

ビーフも同じでA5と言うのはあくまで見た目の評価。
決して『美味しさ』の評価の指標じゃない。

えっ、そうなの?と思ったかもしれないけど、これが真実。

(続く…)



岡山マラソンまであと10日

ホントに42キロも走れんのかよ…。。

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工藤博文
専門家

工藤博文(食肉加工業)

ビーフプレイス株式会社

HACCP認証取得の工場で徹底した安全管理のもと、オーダーに合わせて食肉をカット。各地の有名スーパーマーケットを始め、大手コンビニチェーンの惣菜の牛肉加工も担う。従業員のワークライフバランスも推進。

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