【買い占め注意】長期化する断水生活を乗り越えるための防災グッズTOP8を元消防士が徹底解説

矢方滉将

矢方滉将

テーマ:防災


「水は3日分あれば大丈夫でしょ?」
そう思っている方、正直かなり危険です。


過去の大地震では、断水が数週間〜数ヶ月続いたケースが実際にあります。
「3日分」では、5日目にはもう底をつく計算なんです。

今回は、元消防士の視点から「本当に命を守る断水対策」をTOP8ランキングで解説していきますね。

大地震などの災害発生時、私たちの生活を根底から揺るがすのが「水道の停止(断水)」です。
被災経験や消防士としての現場経験を持つ立場から見ると、実は断水は停電に比べて復旧が非常に長期化しやすいという特徴があります。

本コラムでは、断水生活がなぜ長引くのかという理由を解き明かし、命と健康、そして日常生活の尊厳を守るために「本当に必要な防災グッズ」をランキング形式で徹底解説していきます。

周囲の雰囲気に流されて慌てて買い占めるのではなく、今から冷静に必要なものを揃えるためのロードマップとしてご活用ください。


自己紹介


皆さん、こんにちは。HIRO防災BASEです。
私は大分県別府市の消防本部で約10年間勤務していました。 消防隊、はしご隊、救助隊などを経験し、平成28年熊本地震での災害活動や、大分県中津市の山崩れ、広島県の豪雨災害での捜索活動など、多くの大規模災害現場で活動してきました。
現在は防災アドバイザーとしても活動しています。
その経験をもとに、現在は「シンプルに考える防災」をテーマに、YouTubeやコラムで防災情報を発信しています。
では、解説していきますね!

なぜ「断水」は停電よりも長期化するのか?


災害時、電気の復旧は比較的早いことが多いのに対し、水道の復旧には途方もない時間がかかってしまうんです。

7月に起きた熊本地震では、約7万2000戸という大規模な断水が発生しました。
一部の地域では水道から水が全く出なくなったり、出ても濁った泥水しか使えないといった深刻な事態に陥りました。

断水が長期化する最大の原因は、「地下に埋設された配管の破損」にあります。
仮に浄水場(水をきれいにする施設)自体が早期に復旧したとしても、そこから各家庭や会社へ水を送るための配管が途中で破裂・損傷していれば、水は届きません。

しかも、この地下配管の破損箇所を特定・修復する作業は、1箇所ずつ手作業で掘り起こし、確認・修復していくという極めて地道で厄介なステップが必要になります。

そのため、災害発生から数日、場合によっては数週間から数ヶ月にわたって断水が続く事態は、決して珍しくないんです。

【第8位】給水袋 と ポリタンク


「もらうための容器」がないと支援は受け取れない

災害時、各地の避難所や公園などに「給水車」が駆けつけ、地下水や井戸水の供給が行われます(熊本地震でも1人あたり「5L」といった基準で水が配られました)。
しかし、どれだけ給水車が来てくれても、「水を入れて持ち帰る容器」を自分たちで持っていなければ、1滴の水も受け取ることができません

準備のポイント

・給水袋(5Lサイズなど):100円ショップ(ダイソー等)でも手軽に入手可能です。袋タイプは未使用時に場所を取らず、水を入れると自立する極めて丈夫な設計になっています。

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・蛇口付きポリタンク:蛇口付きの簡易タンクも便利です。置いた状態で少しずつ水を流せるため、無駄遣いを防げます。

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※注意:給水された水の用途と「マンション住まいの罠」

給水車や井戸から供給される水の多くは、飲料用として完全に安全が保証されているわけではなく、基本的には「生活用水」としての使用が推奨されます。
もちろん飲料としてOKと言ってくれていることが多いですが、万が一お腹を壊してしまったら、大災害時は病院も簡単には受診ができません。
飲料水として使う場合は、後述する携帯浄水器などを通さないと、体調を崩す原因(腹痛など)になる可能性があるため注意してください。

また、エレベーターが停止したマンションの上層階(10階以上など)に住んでいる場合、下まで給水に行き、重い水(5L=5kg以上)を持って階段を上り下りするのは、かなり過酷な肉体労働になります。

特に上層階に住む方は、給水車に頼る前に、自前の備蓄を極限まで増やしておくことが「絶対マスト」です。

【第7位】多機能防災ラジオ


「水はあるのに情報が届かず受け取れない」を防ぐ

「断水対策になぜラジオ?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、被災地では驚くべき現実が起きているんです。

被災地で給水車が稼働しているにもかかわらず、「情報が取れないために、給水車がどこに、いつ来ているのか分からず、水を受け取りに行けなかった」という人が多数発生しました。

スマホの電波が途絶えたり、LINEやSNSが繋がらなくなったりした極限状態において、確実な災害情報、給水支援情報、物資支援の場所を知るためには、ラジオが命綱になります。

消防士推奨のラジオ機能

・AMラジオ & ワイドFM対応:音質は劣るものの、障害物に強く電波干渉を起こしにくいAM放送(またはワイドFM)に対応したラジオが、災害現場では圧倒的に強いです。
・多様な充電・給電方法:電池式と内蔵バッテリーの両方に対応し、手回し充電や、いざという時のソーラー充電(補助的)ができるものが安心です。
・モバイルバッテリー機能(Type-C等):ラジオ本体からスマホへ給電できるコードが付属している多機能タイプを選べば、スマートフォンの維持にも役立ちますよ。
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【第6位】飲料水(最低1人21L)


「国が推奨する3日分・9L」では足りない

政府の防災ガイドライン等では「1人1日3L × 3日分 = 9L」の備蓄が推奨されています。しかし、これは最低限の基準にすぎません。

実際の巨大地震では、発生から5日以上経っても断水が続き、復旧の目処すら立たない状況が普通に発生します。特に夏場は発汗量も多く、3Lでは熱中症リスクも高まり、到底足りなくなってしまいます。

そのため、現実的には「1人1日3L × 1週間分 = 最低21L」を目安に備蓄をしてください。
もちろんそれ以上備蓄できるならできた方がいいですが、スペース問題がありますよね…

飲料水備蓄の黄金ルール:「2L」ではなく「500mlペットボトル」を選ぶ

水を用意する際、大容量の2Lペットボトルを選びがちですが、防災のプロは「500mlペットボトルの24本入りケース」を強く推奨します。

・理由1(衛生面):2Lボトルに直接口をつけて飲むと、飲み切るまでに時間がかかり、ボトル内で雑菌が急激に繁殖してしまいます。500mlであれば、その日のうちに衛生的に消費しきれます。

・理由2(扱いやすさ):複数人で分ける際や、避難場所へ移動する(または外出する)際、500mlの小分けボトルのほうが軽量で圧倒的に持ち運びがしやすいです。

保存水にこだわらなくても良い

「5年・7年保存水」のような特殊な備蓄水は、高価で買い揃えるハードルが高くなります。
実は普通の市販ミネラルウォーターでも未開封なら約2年は持ちます。賞味期限が切れたとしても、未開封であればすぐに悪くなるわけではありません。

高価な保存水の導入を迷って何も備蓄しないのが、最悪の選択肢です。普通の水を多めに買い、普段から消費して買い足す「ローリングストック」を実践しましょう。

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【第5位】生活用水(最低20L)


1日に数百リットル使う水を、いかに節約するか

人間が普段の生活(トイレ、調理、洗濯、洗顔、歯磨き、手洗い等)で使う水は、実は1日あたり数百リットルに上ります。
断水したからといって、これをすべてペットボトルや給水車で賄うのは不可能なんです。

自宅にエコキュート(電気温水器)などの貯湯タンクがある場合はそこから生活用水を抜けますが、アパートやマンション、共同住宅などの場合は自力での確保が必須です。

対策


・自宅に20L程度のポリタンクを用意し、中に水道水を満たして生活用水としてストックしておきます。
・給水車に頼り切るのではなく、「生活用水を極力使わない(節水する)工夫」を並行して行うことが何よりも重要です。
・このストック水は、ちょっとした手洗い、顔拭き、歯磨き後のうがいなどに少しずつ使います。

【第4位】ボディケアグッズ

お風呂に入れないストレスと熱中症を防ぐ

数日〜数週間に及ぶ断水生活で、最も精神的なストレスとなるのが「お風呂に入れないこと」です。
災害が起きると自衛隊や海上保安庁による臨時入浴支援(お風呂トラック等)が提供されることもありますが、被災者全員が毎日入れるわけではありません。

特に夏場やジメジメした季節に、体を清潔に保てないと不快感から睡眠不足になり、「体がベタついて不快な状態だと、体温調節がうまくいかず熱中症にかかりやすくなる」というリスクがあります。

水を使わず体をケアできるグッズは、必須です。

100円ショップ等で手に入るおすすめボディケア用品


1. 圧縮バスタオル(ラージサイズ)/コンパクトタオル
100円ショップ等で販売されている、丸いコースターのような形に超圧縮されたシートです。コップ1杯程度(約300ml)の水をかけるだけで、みるみる水分を吸って100cm×70cmなどの本格的なバスタオルサイズに復元します。これで全身の汗や汚れをしっかりと拭き取ることができますよ。

2. シャンプーシート & 水のいらないスプレーシャンプー
水を使わずに頭皮のベタつきやニオイを解消できるグッズです。スプレー式(無印良品など)で頭皮に吹きかけ、ゴシゴシと揉み込んでタオルで拭き取るタイプや、ミントの香りでスーッとする100均のシートタイプを併用すると、驚くほど頭が軽くなり、衛生・精神面の両方に絶大な効果があります。

3. 使い捨て洗顔タオル
顔を拭くためだけの厚手の使い捨てシート(セリア等)も、生活用水の節約に大いに役立ちます。

【第3位】口腔ケアグッズ


「口をゆすぐだけ」では、災害関連死を防げない

災害時、多くの人が「歯磨きは命に関わらないから」「少し口が臭くなるくらい我慢すればいい」と後回しにしがちです。
しかし、これは命に関わる重大な誤解なんです。

過去の大地震における災害関連死の原因を調べると、「呼吸器系疾患(特に誤嚥性(ごえんせい)肺炎)」が非常に高い割合を占めています。

断水によって歯磨きをしなくなると、お口の中で雑菌が爆発的に繁殖します。
その雑菌が唾液と一緒に肺に入り込んで誤嚥性肺炎を引き起こしたり、血管を通じて全身を巡り、深刻な持病の悪化や病気を誘発したりしてしまうんです。

備えるべきアイテム

・指サック型・ドライタイプの歯磨きシート:防災リュックに必ず入れておきたい、指にハメて歯や歯茎を直接拭き取るシートです。

・なぜ「ドライタイプ」がおすすめか?
ウェットタイプのシートは、大袋にまとめて入っているものが多く、一度開封すると不衛生になりがちです。
個包装の「ドライタイプ」であれば、使う瞬間に唾液で湿らせて使用できるため非常に衛生的で、価格も安価でコスパに優れています。

・歯間ブラシ:歯磨きシートだけでは、歯の隙間まで細かくケアできないので、歯間ブラシは併せて持ってお口と便利です。

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【デュオピックス 40本×8パック】(歯間ブラシ)

【第2位】紙食器類 + 食品用ラップ

洗うための水を1滴も使わない食事術

普段通りにお皿を使って食事をすると、食後にそれを洗うための貴重な水が必要になります。
断水生活において「食器を洗う」という行為は完全にNGです。

プロの節水食器術


・使い捨ての紙コップ・紙皿・紙ボウル:非常に軽量で、防災リュックの隙間にも簡単に入るため、家族分を多めに用意しておきましょう。


・食品用ラップを被せるのが最強の裏ワザ:紙皿やボウルの上に、あらかじめ「食品用ラップ」をぴったりと敷き詰めます。その上に食べ物を盛り付けて食事をし、食べ終わったらラップだけを剥がしてゴミ箱に捨てるようにします。

これによって、皿自体は一切汚れず、新品同様のまま何度も使い回すことができます。水を1滴も使わずに衛生的な食事を続けるための知恵です。

【1位に行く前に】命を繋ぐ「携帯浄水器」の選び方


飲料水や生活用水を十分に備蓄していても、断水が超長期化した場合、備蓄が底を突く「最悪の事態」が起こり得ます。

そうした極限状態において、プールやお風呂の残り湯、雨水、川の水など、「そのままでは絶対に飲めない汚れた水」を、飲める水に変える魔法のツールが「携帯浄水器」なんです。

ライフスタイルや予算に合わせて、以下の3つのタイプから選ぶのがおすすめです。

1. 簡易型(ペットボトル装着タイプ)


・特徴:数千円で購入できる、ストローやボトルに直接装着する非常にコンパクトなタイプ(例:「ミズキュープラス」など)
・メリット:圧倒的に軽くて持ち運びやすく、コストパフォーマンスが高い
・デメリット:フィルターの孔が比較的大きいため、ウイルスや極微細な化学物質を100%除去するのは難しい場合があり、本当に極限状態の「最後の手段」として使うのが無難
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2. 電動式(スピード&多機能タイプ)


・特徴:内蔵されたモーターにより、スイッチ一つで驚異的な速度でろ過するタイプ(例:「グリーショー」など)
・メリット:手動でシュコシュコと圧力をかける必要がなく、1分間で約500mlというハイスピードで浄水可能。さらに、ソーラー充電対応、手動浄水機能への切り替え可能、停電時に役立つライト機能、スマホを充電できるモバイルバッテリー機能を兼ね備えた万能マシンです
・デメリット:1万円〜1万5000円程度と、簡易型に比べて価格が高くなります
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3. 浄水性能特化型(最高峰・ROフィルター搭載)


・特徴:複数の高性能フィルター(ハイブリッドフィルターや逆浸透膜(RO)フィルター)を搭載したキャリーバッグのような据え置き・ポータブルタイプ(例:「イテヒル」など)
・メリット:ろ過能力が極めて高く、最も安全で純水に近い水を作り出せるため、圧倒的な安心感を買うことができます。見た目の重厚さに反して、実際には非常に軽量で持ち運びもしやすいよう設計されています
・デメリット:高級な機材となるため、予算に余裕がある家庭や、避難所単位での共同備蓄向けです
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【第1位】非常用トイレ(最低1週間分・1人50回分)

断水対策で最も失敗し、最も悲惨な問題

断水生活において、最も過酷で、人間の健康と尊厳に直結する最大の課題。
それが「トイレが使えなくなること」です。

「水が出ないなら、バケツで風呂の残り湯を流せばいいのでは?」と考える方が多くいますが、これは絶対にやってはいけません
地震の揺れによって、配水管が破損していたり、途中で詰まっていたりする場合、無理に水を流すと下の階の部屋でウンチ混じりの汚水が逆流して噴き出すという、大惨事を引き起こしてしまいます。

また、洋式トイレは1回流すだけで約5Lもの水が消費されます。毎日何度も使うトイレを水洗で流そうとすれば、生活用水の備蓄など一瞬で空になってしまうんです。

備蓄の計算方法

人間が1日に行くトイレの回数は、平均して5回〜7回です。
1週間分の備蓄を考える場合、1人あたり最低50回分の非常用トイレシート・凝固剤が必要です。
家族が4人いれば、合計で200回分が必要になります。

失敗しない非常用トイレの選び方と追加対策

・固まる凝固剤を選ぶこと:多くの非常用トイレが販売されていますが、中には「粗悪品」があり、水分が十分に固まらないものもあります(イオンのプライベートブランドや、大手防災メーカー、ダイソーの簡易品などはテストでもしっかり固まりました)。実績のある信頼できる製品を選びましょう。

・お尻拭き用の「清浄綿(せいじょうめん)」をセットで!:災害時、お尻が拭けないと不快なだけでなく、特にお子様や女性はお尻の皮膚が荒れてしまうトラブルが多発します。そこで、水分量が非常に多くて清潔な「清浄綿」をセットで備蓄しておくのがプロの裏ワザです。ウォシュレット感覚でお尻を非常に優しく、きれいに拭き取ることができますよ。
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まとめ:買い占めを防ぐために、今すぐできること

いざ巨大地震が発生し、テレビで「大規模な断水が発生!」とニュースが流れてからドラッグストアやホームセンターに走っても、そこにあるのは空っぽの棚だけです。
そして慌てて棚の商品を買い占める行為は、本当に必要としている人へ支援を届かなくさせてしまいます。

私が心からお伝えしたいのは、「災害が起きる前の、今この瞬間の備えこそが、あなたと家族の命、そして周囲の社会を救う」ということです。

非常用トイレや浄水器、多機能ラジオなど、災害専用の特殊なグッズは今すぐネット通販等で揃えてしまいましょう。
そして飲料水やボディケアグッズなどの日常に溶け込むアイテムは、少し多めに買って使い回す「ローリングストック」を取り入れてください。

あなたの「今の備え」が、いざという時の避難生活の質を劇的に変え、穏やかな日常の復旧への架け橋となります。ぜひ今日から、1つずつ準備を進めてみてくださいね。

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株式会社ヤヲキ

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