「うなずき」と「相槌」
よく「調子出していこう!」って言いますよね。
「よし!調子が出てきたぞ!」なんて。
この「調子」
表現技術のひとつ、「イントネーション」で使われる言葉です。
イントネーションとは「抑揚」のこと。
「抑揚」とは、文章全体についている「高低」のことです。
つまり、「訛っている」のは、「抑揚がオカシイ」ということです。
よく「イントネーション」と「アクセント」はどう違いますか?
という質問を受けるのですが、
「アクセント」は、単語ひとつひとつについている「高低」
「イントネーション」は、文章というセンテンスについている「高低」ということになります。
「抑揚」には「平調」「昇調」「降調」「昇降(降昇)調」などがあります。
この中で、私が最も大事に思うのは「昇調」です。
普通、質問や疑問に使われる、所謂「昇り調子」です。
「そうですか➹」など質問する時、自然に語尾があがりますよね。
これを「そうですか➷」と下げると質問ではなく、自問あるいは思考している
というニュアンスになります。
「抑揚」で意味が変わる・・・抑揚って大事なんです。
もうひとつ、「昇り調子」には「次の語句を導く」という役割があります。
文章を読むとき、内容をきちんと伝えるために
どの高さに言葉を納めるのか・・どの高さで受け取って続けるのか・・
このテクニックによって伝わり方は全く変わります。
ブチブチと「切れたように聞こえる」読みをする人は
大概この技術が劣っています。
コミュニケーションを取る・・ということは「キャッチボール」と言われますよね。
つまり、一方通行でなく、声をかけ返事を貰う。
気持ちを伝え、気持ちが返ってくる。
それが、コミュニケーションです。
このためには、こちらの気持ちをオープンにしておかなければなりません。
シャッターが降りたところには、気持ちも言葉も入ってこられません。
「降調」で、語尾を足元に落としてしまうと、
気持ちそのものが相手に届かないだけでなく、
相手の気持ちもシャットダウンして、拒絶してしまうことになります。
特に、挨拶は「交わして」こそ、意味があります。
語尾は相手の胸にすっと差し込むように昇らせましょう。
もちろん、スマイルと共に。
全体に明るい感じになりますよ。
ちなみに、調子が上がらず、淡々と単調になるのが「一本調子」です。
「あの人は一本調子だ」というのは、抑揚がなく、つまらないということです。
「一本調子」にならないように、
さあ、調子出していきましょう!