珈琲ブレイク:なぜ物価が上がると金利も上がる?
DXやAIを社内で進める上で、「内製化」という言葉を耳にする機会が増えてきました 。
外部にすべて任せるのではなく、自社の業務に合った仕組みを、自分たちでも少しずつ作っていこうという考え方です 。
とはいえ、中小企業の現場では、こんな声もよく聞きます 。
「内製化が大事なのは分かるけれど、専門のIT担当者がいない」
「ちょっとした改善でも、外に頼むと時間も費用もかかる」
「現場の細かな困りごとは、外部にはなかなか伝わりにくい」
こうした悩みを持つ会社にとって、最近とても心強い存在になってきたのが、生成AIを活用した開発環境です 。
その代表的な組み合わせの一つが、世界中で広く使われている無料のコード編集ソフト「Microsoft Visual Studio Code(VS Code)」と、AIアシスタントの「Copilot(コパイロット)」です 。
少し前まで、プログラミングというと「詳しい人が一人で全部やるもの」というイメージが強かったかもしれません 。
けれど今は、その景色が少しずつ変わってきています 。
もちろん、最終的に判断するのは人です 。
- 何を作るのか 。
- どこまで自動化するのか 。
- 本当に現場で使えるのか 。
そうした大切な部分は、やはり人が見なければなりません 。
ただ、その途中の作業は、AIがかなり助けてくれるようになりました 。
私は最近、Copilotのことを「コードを書いてくれる道具」というより、「開発の相談相手」に近い存在だと感じています 。
◆ AIは「コードを書く道具」ではなく「開発の相談相手」
たとえば、社内向けの小さなアプリや自動化の仕組みを作るときでも、以下のような条件があります 。
- 「この処理は毎朝自動で動かしたい」
- 「必要なときには手動でも実行したい」
- 「エラーが出たら、原因が分かるようにしたい」
- 「今ある流れは、なるべく壊したくない」
こうしたことをVS Code上で整理しながらCopilotに伝えると、
- 「それなら、この部分をこう直すとよさそうです」
- 「影響を少なくするなら、入口側の修正がよさそうです」
- 「確認するなら、まずここを見ましょう」
といった形で、かなり実務的な提案を返してくれます 。
ここで大切なのは、AIに全部お任せしないことです 。
「いい感じに作って」と頼むだけでは、もっともらしい答えは返ってきても、業務の現場には合わないことがあります 。
逆に、目的や条件を具体的に伝えるほど、AIはとても頼れる補助役になります 。
このあたりは、人に仕事をお願いするときと少し似ています 。
何をしてほしいのか、どこに気をつけてほしいのかがはっきりしていると、相手も動きやすいですよね 。
AIも同じで、曖昧な依頼より、具体的な依頼の方がうまく働いてくれます 。
◆ 大切なのは「小さく直して、すぐ確かめる」こと
AIを使った開発で意識しているのは、「小さく直して、すぐ確かめる」ことです 。
一度に大きく変えてしまうと、もし不具合が出たときに、どこが原因なのか分かりにくくなります 。
AIは作業スピードを上げてくれますが、だからこそ進め方はむしろ丁寧な方がうまくいきます 。
最初の一手としては、
- ログを追加する
- エラー時の動きを分かりやすくする
- 処理の入口を整理する
- 自動実行の条件を見見直す
このくらいの小さな修正から始めるのがちょうどよいと感じます 。
そのたびに動作を確認して、「これで大丈夫」と確かめながら先へ進む 。
この進め方なら、AIのスピードを活かしながら、業務に必要な品質も保ちやすくなります 。
このやり方は、中小企業の内製化とも相性がよいと思っています 。
なぜなら、いきなり大きなシステムを作るよりも、まずは現場のちょっとした困りごとを一つ解決する方が、ずっと現実的だからです 。
たとえば、
- 毎日繰り返している作業を自動化する
- 社内向けの簡単な入力補助ツールを作る
- 情報収集や一覧化を少し楽にする
- 定型的な文章づくりや集計を効率化する
こうした改善は、一つひとつは小さくても、積み重なるとかなり大きな効果になります 。
しかも、現場で使う人の顔が見えている分、「ここをもう少し直したい」が次の改善につながりやすいのです 。
◆ すごい技術者よりも「自社の仕事をよく知る人」が主役
ここで改めて感じるのは、内製化に必要なのは、必ずしも“すごい技術者”だけではないということです 。
むしろ大切なのは、自社の仕事をよく分かっている人がいて、その人がAIをうまく使いながら改善を回していける ことだと思います 。
AIが得意なのは、たたき台を作ることです 。
コードの下書き、考え方の整理、確認ポイントの洗い出し、説明文の候補づくり 。
こうした部分では、とても力を発揮してくれます 。
一方で、人が担うべきなのは、
- 何を作るべきかを決めること
- それが現場に合っているかを判断すること
- 運用して困らないかを考えること
- そして最後に責任を持つこと
この役割分担が見えてくると、「うちには専門家がいないから無理だ」と思っていたことでも、少しずつ進められるようになります 。
全部を自社で抱える必要はありません 。
大きな仕組みや高度な専門領域は外部の力を借りながら、日々の細かな改善は社内で回していく 。
そんなバランスのよい内製化が、これからますます大切になるのではないでしょうか 。
◆ まとめ:最初の一歩へ導く
VS CodeやCopilotのよいところは、その最初の一歩を軽くしてくれることです 。
- 「ちょっと試してみる」
- 「まずはたたき台を作ってみる」
- 「どこを直せばよいか相談してみる」
そうした小さなスタートが切りやすくなります 。
これからの中小企業のDXでは、「AIを導入したかどうか」よりも、「AIを使って社内で改善を回せるようになったか」 の方が大切だと感じています 。
立派な仕組みを最初から目指すより、まずは一つ、現場で喜ばれる小さな改善 を作る 。
その積み重ねが、結果として強い内製力につながっていくはずです 。
Copilotのようなプログラムエージェントは、人の代わりになる存在というより、少人数で前に進むための心強い相棒です 。
業務をよく知る人が、AIに相談しながら少しずつ形にしていく 。
そんな進め方が、中小企業の内製化を後押しする時代になってきたのだと思います 。
もし「うちの会社ではまだ難しいかな」と感じているなら、まずは身近なところからで十分です 。
毎日少し手間がかかっている作業を一つ見つけて、「これ、もう少し楽にならないかな?」 と、VS CodeやCopilotに相談してみる 。
その小さな一歩が、社内に新しい仕事の進め方を根づかせるきっかけになるかもしれません 。


