家は周囲への影響と住む人の品格を表すもの
先日建築家の堀部安嗣(ほりべやすし)さんの記事を読み、非常に共感できる内容に感動しましたので、内容を紹介します。(以下記事内容から一部抜粋)
「今、一般的につくられている住宅の技術や素材を考えてみる。
それらのほとんどが、ここわずか数十年で考えられ開発されたものである。
技術の多くはコストダウン、省人化のために開発された。
素材は石油化学系、セメント系。
木質系であっても無垢ではなく集成材かベニヤ系といった、いわゆる新建材である。
それらは言い換えれば風雪に耐えていない技術や材料だ。
人のためというより商売のためにつくられた場合が多い。
ゆえにその技術や製品が数十年後、数百年後に生き残っている可能性は低い。数百年以上風雪に耐えてきた技術や素材に敬意を払わず、それらを次世代に継承できない仕組みをつくってしまうことに、大きな問題を感じる。
そしてその問題が、深刻な職人不足にも繋がっている。
無垢の木、土、瓦、石。それらを扱う技術。
揺るぎない価値あるものを、今なぜ庶民の住宅に使うことできない世の中になってしまったのだろう。
結果、先人たちが築き守ってきた原風景は、今だけを生きる利己的な人々によって失われ、人々のかけがえのない記憶はここで分断される。・・・ 」以下略
普段何気なく使っている材料、施工方法など効率重視で考えることが多く、過去の大事な伝統など失いがちです。
地球や社会環境の深刻な問題に直面している今、私たちはこれらの現状を見つめ、深く反省しなければなりません。
また歴史や伝統に対する敬意、地域風土との調和の意識、住まう人への安心感や建築の性能の確保、自然への畏敬の念を抱けるかが問われます。今一度振り返る時なのだと思っています。