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体育館床滑り止めワックスが適さない理由

高橋春彦

高橋春彦

テーマ:スポーツ施設部

施工事例と共にワックスが適さない理由を書かせていただきました



■施工場所 東京都内体育館床スポーツフロアー

具体的な現場の内容になります。

■ 施工内容 体育館床ウレタン仕上げ塗装(研磨塗装・各種コートライン引き・床金具点検)
■ 目的 体育館のフロアーコンディションを改修工事で、より良い状態に改善
■ 施工経緯いつものお客さまからのご依頼(都内工務店さま)

中学校体育館仕上げ塗装




本日は都内の中学校体育館仕上げウレタン塗装を行いました。
床研磨から始まった、工事も仕上げまで、間近です。
非常に暑い中、体育館は蒸し風呂状態でしたが、無事に最後まで塗装を終える事ができました。

この現場、ワックスメンテナンスを行っていたことで、フローリングの目地からワックスが侵入し反りを起こしていただけでなく、ワックスの塗り重ねによって厚くなった膜の部分的な剥離が原因となり斑(まだら)模様となっていました。

(斑(まだら)模様の原因は厚みが付いたワックスが、部分的に剥がれることで起こります。
実際、ワックスを掛ける際、フロアの汚れを落とさず塗り重ねが行われるので、透明さが失われ黒ずんいきます。
それが何回も行われるわけです。
厚みの着いた黒ずんだ膜が出来ていくことになります。
ワックスが体育器具の使用や運動競技によって剥がれると、本来の綺麗なフロアが部分的に見え、剥がれていない所は黒く汚いままなのです。
これでは、本来綺麗なハズのフロアがもったいないですね。しみじみ思います。)


『※ワックスを塗り重ねた所を剥いでいるようすです。色が違うのがわかりますよね。元のフロアはこんなに綺麗なんです』

また、滑りやすくなっていました。

ワックスは摩耗することによって滑りやすくなってしまいます。使用頻度が高い体育館ほど摩耗は早いです。
新築時の体育館にワックスを使用せず、ウレタン塗膜によって仕上ているのは、スポーツ競技者のことを考え、適切なグリップにしているからなのです。

こういったフロアの状態から、今回の研磨塗装工事になったのです。

工事の続きとしては、金曜日まで乾燥のための養生期間を設け、その後、スポーツフロア周りにゴムを入れて完了です。

完成後には、ワックスによるメンテナンスは行わず、清掃及び適切なメンテナンスによってフロアーコンディションを維持していくことになります。

つまり、今までのメンテナンスの在り方を見直さなければなりません。
今までのままだと、体育館床に滑り止めワックスを塗って一時的に滑り具合が改善するが、直ぐに滑りやすくなり、またワックス掛けを行うというメンテナンスを行うことになりますから。

ウレタン塗装によるメンテナンスを行うことをおすすめします。

『関連』スポーツ競技に適した、滑り具合の設計とは?なぜウレタ

施工完了後の維持管理について



『※何のメンテナンスも行ってこなかった体育館』

維持管理するうえで基本的なことは、清潔であること、床表面の光沢、グリップをスポーツ競技に適した状態で保持していくこと、破損個所を放置しないことになります。
当たり前のことのようですが、大切なことになります。

スポーツフロアーにワックスメンテナンスや水を多く使った清掃をおこなった場合、フローリング劣化の原因となります。
床改修して、きれいになった床でも、その後の維持管理が不適当であった場合には急速に床性能が衰えていくのです。

だからこそ、スポーツフロアーの維持管理は体育館の中で特に大切なものであるといえます。

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フロアコンディションを良好に維持管理していただくために、メンテナンスのあり方についてご理解を深めていただくことができます。
利用者のためにも、より良いコンディションを保っていきましょう。

『関連:体育館スポーツフロアメンテナンス冊子プレゼントしてい

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高橋春彦
専門家

高橋春彦

しろくまペイント(株式会社 霜鳥 塗装事業部)

塗る場所の状態や材質によって正しい塗料を選ばないと、後々問題が起きてしまいます。限られた予算の中で最も良い選択をするには、あらゆる塗料の性能や性質を知り尽くしているプロの目が必要不可欠なのです。

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